【公募増資・売出(PO)は買いか?】味の素(2802)

公募増資・売出(PO)
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こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから食料品業種の味の素です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

まとめ

今回のPOは、大株主(三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ銀行、みずほ信託銀行、日本カストディ銀行)からの株式の売出しです。売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「売出価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、日本郵政(6178) 2.01%、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387) 3.09%となってますが、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は三菱UFJモルガン・スタンレー証券)はじめ、引受人の証券会社(今回はみずほ証券)で購入申込可能です。

早ければ、11/20(月)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2023 年 11 月 20 日(月)
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2023 年 11 月 28 日(火)
①株式の売出し
(引受人の買取引受けによる売出し)
数量
普通株式 12,441,000
発行済み株式総数 521,430,854株 の約2.38%
②株式の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 1,865,900
実施決定(11/20)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が売出す。
売出価格5,464 円
(11/20決定:終値 5,633円)
ディスカウント率3.00 %
(11/20決定)
申込単位数量100 株
主幹事三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受人みずほ証券
表1:味の素(2802) PO概要

【株式売出しの目的】

  • コーポレートガバナンス・コードに関する取り組みなどから、政策保有株式を見直す動きが進んでおり、
    今般、一部の株主より、同社株式を売却したい旨の意向を確認したため、政策保有株式にかかる同社の取り組みの一環として、上記株式売出しを実施する。
  • 個人投資家層を中心に売出しを実施することにより、株主層の多様化を目指す。

としています。

また、今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の約2.38%OAを含めた最大の株数で約2.74%)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)は、泉州電業 5.47%、AnyMind Group 8.85%、AB & Company 34.4%でしたので、それらと比較すると少ない数量です。

また、今回の売出株数(OAを含むと最大143,069百株)は、1日の平均的な出来高(25日平均:19,791百株(11/14時点))の約7.2倍となっており、これからするとほどほどの数量です。

そして、この銘柄の流動性は、直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は27,608百株、25日平均は19,791百株で、流動性はかなり高い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

【自己株式取得】

今回の株式の売出しと同時に表2の内容で自己株式の取得を発表しています。

取得期間今回の株式売出しの受渡期日の翌営業日から
2024年3月 31 日(日)まで
取得株式の総数普通株式 1,000 万株(上限)
発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合:1.92%
取得金額の総額400 億円(上限)
※取得株数の上限で割ると1株あたり4,000円換算
取得方法東京証券取引所における市場買付
表2:味の素(2802) 自社株買い概要

(自己株式の取得を行う理由)

  • 株主還元水準の向上及び資本効率の改善
  • 今回の同社株式の売出しに伴う株式需給への影響を緩和する。

としています。

今回の株式の売出数量(発行済み株式総数の最大(OA含む)約2.74%(1,430万株))に対し、

自社株買いの最大の数量(1,000万株分(今回の最大売出株数の約7割))が、今回の市場に売り出される株式による、一時的な需給悪化の緩和を図っているといえます。

どんな会社?

冷凍食品

100年以上前に「おいしく食べて健康づくり」という志をもって創業しました。

アミノ酸の研究を起点として、アミノサイエンス®を軸に成長し、全世界で3万人を超えるグループ従業員と共に、7億人を超える生活者に商品を提供している会社です。

事業内容は、調味料栄養・加工食品ソリューション&イングリディエンツ(※1)、冷凍食品医薬用・食品用アミノ酸バイオファーマサービス(CDMO)ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)、更にその他の事業活動を行っています。

※1:加工食品メーカー向けの天然系調味料、酵素製剤等の業務用製品(素材)事業と中食・外食業態向けの製品事業

事業セグメントは、「調味料・食品」「冷凍食品」「ヘルスケア等」「その他」の4つに大きく分かれており、それぞれの製品は、

  • 調味料・食品
    調味料、栄養・加工食品、ソリューション&イングリディエンツ
  • 冷凍食品
    冷凍食品
  • ヘルスケア等
    医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス(CDMO)、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)、その他
  • その他
    製造受託、油脂、物流、サービス他

があります。

2023年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • 調味料・食品 57.0%
  • 冷凍食品 19.7%
  • ヘルスケア等 22.0%
  • その他 1.3%

となっており、「調味料・食品」が6割弱を占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2024年3月期2Q(2023年4月~9月)の経営成績】

(2023年11月6日発表:IFRS(国際会計基準)ベース)

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
事業
利益
[億円]
(同)
税引前
利益
[億円]
(同)
親会社株主
の所有者に
帰属する利益

[億円]
(同)
2023年3月期
2Q累計
6,598
(19.9)
743
(7.2)
681
(△14.5)
470
(△13.2)
2024年3月期
2Q累計
6,880
(4.3)
765
(3.0)
701
(2.9)
464
(△1.2)
2024年3月期
通期会社予想
(2023年11月6日
修正)
14,650
(7.8)
1,500
(10.8)
(会社予想
無し)
1,000
(6.3)
通期予想に対する
2Qの進捗率[%]
46.951.046.4
表3:味の素 2024年3月期2Q経営成績と通期会社予想

表3の通り、前年同期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は事業利益(※2)と税引前利益は微増の増益ですが、最終利益は微減の減益でした。

※2:「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益

2024年3月期通期の業績予想は、今2Q決算発表と同時に最終利益のみ上方修正しており、前期比 増収増益で、売上高は1割弱増利益面は1割前後の増益を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに5割程度でそこそこです。

【2024年3月期2Qの状況、経営成績の要因】

当2Q連結累計期間の売上高は、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)の販売減の影響等によりヘルスケア等セグメントが減収となったものの、

販売単価の上昇や換算為替の影響等により調味料・食品セグメント及び冷凍食品セグメントが増収となった結果、前年同期を281億円上回る6,880億円(前年同期比4.3%増となりました。

事業利益は、ヘルスケア等セグメントの減収等の影響を受けたものの、調味料・食品セグメント及び冷凍食品セグメントの増収効果等により、前年同期を22億円上回る765億円(同3.0%増となりました。

親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期に比べ非支配持分に帰属する四半期利益が増加した影響等により、前年同期を5億円下回る464億円(同1.2%減となりました。

また、最近の業績動向等を踏まえ、2023年5月11日に公表した2024年3月期通期連結業績予想を修正しています。

売上高は、為替の変動や経済状況等の影響について足元の事業環境下で見直した結果、セグメント別には増減があるものの、前回予想から変更はありません

事業利益は、為替の変動及び原材料等のコスト状況に加え、調味料・食品セグメント及び冷凍食品セグメントの増収効果ヘルスケア等セグメントの減収影響等を踏まえ足元の事業環境下で見直した結果、

セグメント別には増減があるものの、前回予想から変更はありません

親会社の所有者に帰属する当期利益は、主に同社の連結子会社であるマレーシア味の素社における旧工場土地等の譲渡による影響を反映し、前回予想から50億円引き上げ1,000億円としています。

なお、業績予想の前提となる為替レートについては、通期で1ドル=143円(下期は1ドル=145円)で設定しています。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表4の結果になりました。

主力の「調味料・食品」と「冷凍食品」「その他」は増収増益

「ヘルスケア等」は減収減益となっています。

セグメント外部収益
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
事業
利益
[百万円]
(同)
調味料・食品4,047
(8.6)
571
(29.8)
冷凍食品1,365
(6.2)
66
(13倍)
ヘルスケア等1,395
(△8.0)
109
(△72.0)
その他72
(5.7)
17
(92.2)
表4:2024年3月期2Q セグメント別業績

各セグメントの状況は以下です。

調味料・食品

売上高は、販売単価の上昇や換算為替の影響等により増収、事業利益は、増収効果等により増益となりました。

売上高の変動要因

  • 調味料は、全体で増収
    日本は、主に単価上昇により増収海外は、販売増や為替影響等により増収
  • 栄養・加工食品は、全体で増収
    日本は、主に単価上昇により増収海外は、単価上昇や即席麺の数量増、為替影響等により大幅増収
  • ソリューション&イングリディエンツは、主に、日本における外食向け製品の販売増により増収

事業利益の変動要因

  • 調味料は、全体で大幅増益
    日本増収も、原材料等のコスト増影響により減益海外は、増収効果等により大幅増益
  • 栄養・加工食品は、全体で減益
    日本増収も、原材料等のコスト増影響により大幅減益。海外は、増収効果等により増益
  • ソリューション&イングリディエンツは、主に、日本における外食向け製品や、加工用うま味調味料が増益となり、全体で増益

冷凍食品

売上高は、販売単価の上昇換算為替の影響等により増収

事業利益は、増収効果や構造改革効果等により大幅増益となりました。

売上高の変動要因

全体で増収

日本は、単価上昇効果あるも、数量減により減収

海外は、単価上昇、為替影響等により増収

事業利益の変動要因

全体で大幅増益

日本は減収も、単価上昇やコスト改善効果等により増益

海外は、増収効果や構造改革効果等により大幅増益

ヘルスケア等

売上高は、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)や医薬用・食品用アミノ酸の販売減の影響等により減収

事業利益は、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)バイオファーマサービス&イングリディエンツいずれも減益となり、全体で減益となりました。

その他>(省略)

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2024年3月期2Q末時点で49.4%と前期末(50.8%)から1.4ポイント低下しています。

これは主に、コマーシャル・ペーパー(※3)が前期末比で700億円増加し、流動負債が合計で735億増加したことによるものです。

※3:無担保の約束手形を意味する。返済期間は1年未満とされ、1~3カ月以内と短期のものが多い。

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2024年3月期通期)業績予想の修正】

今2Q決算発表と同時に、2024年3月期通期業績予想を、親会社の所有者に帰属する当期利益のみ上方修正しています。

修正された、2024年3月期通期の業績予想は表5です。

売上高
[億円]
事業
利益
[億円]
親会社
所有者に
帰属する
当期利益

[億円]
基本的
1株当たり
当期純利益

[円]
前回
(2023/5/11)
発表予想
14,6501,500950182.10
今回修正予想14,6501,5001,000191.73
増減額50
増減率[%]0.00.05.3
表5:味の素 2024年3月期通期連結業績予想数値の修正(2023年11月6日発表)

前回予想と比べ、親会社の所有者に帰属する当期利益を5%増額修正をしています。

修正の理由は、

  • 親会社の所有者に帰属する当期利益については、主に同社の連結子会社であるマレーシア味の素社における旧工場土地等の譲渡による影響を反映し、前回予想から50億円引き上げ1,000億円とした。

としています。

配当予想に関しては変更はありませんでした

株価指標と動向

株価指標

【2023/11/14(火)終値時点の数値】

  • 株価:5,654円
  • 時価総額:2兆9,481億円
  • PER(株価収益率):29.4倍

PERは、同業で時価総額が近い、ハウス食品グループ本社(2810) 17.9倍、永谷園ホールディングス(2899) 9.9倍、日清食品ホールディングス(2897) 33.3倍と比較すると高めの水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):3.61倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):2.11倍
  • 年間配当金(予想):74円(年2回 9月 37円、3月 37円)、年間利回り:1.30%(配当性向 40.6%)

配当利回りは1.30%で、東証プライムの単純平均 2.29%(11/13)と比較すると低い水準です。

表6のように、直近5年間の配当金は、年間1株当たり32~68円で推移しており、2021年3月期以降は連続増配を継続中です。

配当性向は、30%台~90%台で推移しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2019年3月期3259.7
2020年3月期3293.1
2021年3月期4238.8
2022年3月期5237.3
2023年3月期6838.6
表6:味の素 年間配当金推移

この会社は、

中間配当と期末配当の年2回の配当を行うことを基本方針としています。

2020-2025中期経営計画においては、配当性向40%を目途、総還元性向50%以上となるよう安定的・継続的に株主還元を拡充しています。

また、今年2月に発表した「中期ASV経営 2030ロードマップ」において「累進配当政策」を宣言し、減配せず、増配又は配当維持の方針を示し、

併せて、減損損失の計上等、非定常的な利益の変動の影響を受けにくい事業利益をベースとする考え方「ノーマライズドEPSに基づく配当」(※4)を導入しています。

※4:ノーマライズドEPSに基づく配当=(事業利益×(1-2023年度味の素グループ標準税率27%))÷発行済株式総数×還元係数35%

事業利益を着実に増加させることで、今後もさらなる増配を図っていく方針です。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年3月末に100株以上で半年以上保有継続の株主は、1,500円相当の「味の素グループ製品詰合せセット」(または寄付)が進呈されます。

(500株以上:3,000円相当、1,000株以上:4,000円相当(3年以上継続保有の場合は7,000円相当))

100株で半年以上継続保有の場合、配当金+株主優待(1,500円相当)で、利回りは1.57%となります。

こちらは個人投資家にとって、うれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2022年5月に安値(2,879円)をつけた後は、右肩上がりの上昇トレンドで推移し、

2023年8月末に上場来高値(6,178円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

8月末に上場来高値(6,178円)をつけた後は調整しており、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移しています。

そして、今回のPOと自社株買い発表の翌営業日(11/14)は、最初は安く始まりましたがその後は値を戻し前日比 82円安(-1.43%)と小幅な下落にとどまりました。

今後は、11/6につけた直近の高値(5,990円)を超え上場来高値に迫る値動きになるのか、この高値を超えられず下落基調継続となるのか、要注目です。

まとめ

【業績】

  • 今期(2024年3月期)2Qの業績は、ヘルスケア等セグメントが減収となったが、販売単価の上昇や換算為替の影響等により調味料・食品セグメント及び冷凍食品セグメントが増収
    事業利益は、ヘルスケア等セグメントの減収等の影響を受けたものの、調味料・食品セグメント及び冷凍食品セグメントの増収効果等により増益となり、
    前年同期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は事業利益と税引前利益は微増の増益だが、最終利益は微減の減益
  • 今期通期予想は、今2Q決算発表と同時に最終利益のみ上方修正しており、前期比 増収増益で、売上高は1割弱増利益面は1割前後の増益を予想。
  • この通期業績予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高、利益面ともに5割程度でそこそこ

【株主還元】

  • 配当利回り(予想)は1.30%で、東証プライムの単純平均 2.29%(11/13時点) と比較すると低い水準
  • 直近5年間の配当金は、年間1株当たり32~68円で推移しており、2021年3月期以降は連続増配を継続中
  • 会社の方針は、2020-2025中期経営計画において、配当性向40%を目途、総還元性向50%以上となるよう安定的・継続的に株主還元を拡充し、
    また、今年2月に発表した「中期ASV経営 2030ロードマップ」において「累進配当政策」を宣言し、減配せず、増配又は配当維持の方針を示している、
  • 株主優待があり、毎年3月末に100株以上で半年以上保有継続の株主は、1,500円相当の「味の素グループ製品詰合せセット」(または寄付)が進呈される。
    100株で半年以上継続保有の場合、配当金+株主優待(1,500円相当)で、利回りは1.57%となる。
  • 今回の株式の売出しと同時に、今回の同社株式の売出しに伴う株式需給への影響を緩和するため、自己株式の取得の発表を行っており、
    今回の株式の売出数量(発行済み株式総数の最大(OA含む)約2.74%)に対し約7割程度を市場で取得し、需給悪化の緩和を図っている。

【流動性・売出株数】

  • 今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の2.38%OAを含めた最大の株数で約2.74%で、
    直近の株式の売出のみのPO(泉州電業、AnyMind Group、AB & Company)の売出株数比率(OAを含む)と比較すると少ない数量
    また、売出株数(OAを含む)は、1日の平均的な出来高の約7.2倍となっており、これからするとほどほどの数量
  • 直近の出来高の5日平均は27,608百株、25日平均は19,791百株で、流動性はかなり高い水準

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、2022年5月に安値(2,879円)をつけた後は、右肩上がりの上昇トレンドで推移し、2023年8月末に上場来高値(6,178円)をつけている。
  • 直近の株価は、8月末に上場来高値をつけた後は調整しており、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移している。
    そして、今回のPOと自社株買い発表の翌営業日(11/14)は、最初は安く始まったがその後は値を戻し前日比 82円安(-1.43%)と小幅な下落にとどまった。
  • 今後の株価は、直近の高値(5,990円)を超え上場来高値に迫る値動きになるのか、この高値を超えられず下落基調継続となるのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐⭐⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐
(買い)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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