こんにちは!
直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?
受渡期日当日と受渡期日1週間後の結果を検証しました。
今回は、受渡期日が2022/3/9の特種東海製紙、3/17の朝日放送グループ、3/22のSREホールディングスです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
発行価格とその後の株価推移
まずは、発行(売出)価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!
受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
朝日放送グループとSREホールディングスは全ての段階で損益プラス、
特種東海製紙は、受渡日の寄付きで売却した場合は損益マイナスでしたが、それ以外は損益プラス、
の結果でした。
SREホールディングスは、1週間後の寄付で売却した場合は13.2%、朝日放送グループは、11.8%もの利益が出ています。POで購入された方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回のPOでの購入は無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:特種東海製紙(3708)
この会社の2022年3月期3Qの業績は、特殊素材事業における海外向け一部製品を含む特殊機能紙等が好調に推移しており、前年同期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は営業利益と経常利益は増益で、純利益は4割弱の減益でした。
2022年3月期通期予想は、今3Q決算発表時に上方修正し、前期比で売上高は微増、利益面は営業利益は2割強増、経常利益は2割弱減、純利益は3割弱減益を予想し、
通期予想に対する進捗率は、売上高はほどほどでしたが、利益面は8~10割ほどに達していて順調で、純利益は通期予想をすでに上回っていました。
配当金は年利回り 2.8%(2/22時点) で、東証1部の単純平均2.20%(2/21時点) と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、記念配当を考慮しない場合、実質増配又は据え置きであり、減配はなく、
配当性向は、20~30%程度で安定しており、会社の方針も、自己株式取得による利益還元等を合わせて、配当性向30%を目処としており安心感がありましたね。
また、株主優待があり、100株保有で3年未満保有の場合、配当金+株主優待(図書カード 1,000円)で年利回りが3.1%となっていました。
株価モメンタムは、一昨年11月に高値(5,520円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移していて、
直近の株価は、4,000~4,300円程度のレンジ内で推移していましたが、
今回のPO発表の翌営業日(2/22)は、目先の需給悪化を懸念されて、出来高を伴い大きく売られ、前日比 505円安(-12.3%)で終了しました。
今後は、節目の3,500円程度で下げ止まり上昇に転じていくのか、さらに下抜けていくのか注目していました。
結局、その翌営業日(2/24)には節目の3,500円を下抜けしたのですが、受渡日以降は、需給悪化が解消して上昇に転じていきましたね。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】特種東海製紙(3708)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表後の株価は、受渡日(3/9)まで下落が続き、受渡日以降、ようやく上昇に転じてきており、
直近では、25日移動平均線(赤線)に到達しようというところまできています。
今後は、これを上抜けてくると更なる上昇が期待できそうです。
要因分析:朝日放送グループホールディングス(9405)
この会社の2022年3月期3Qの業績は、主力のテレビスポット収入の増収が主な要因で増収となり、前年同期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は3倍以上の利益を上げ、純利益は黒字転換しており好調でした。
2022年3月期通期予想は、今3Q決算発表時に上方修正し、前期比 売上高は1割弱、利益面は8割強の増益を予想し、
通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で売上高、利益面ともに3/4ほどで順調でした。
配当金は年利回り 3.5%(3/2時点) で、東証1部の単純平均2.18%(3/1時点) と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、10~28円で少しばらつきはありますが、配当性向は30%前後でほぼ一定で、会社の方針も、連結配当性向 30%を目途としており安心感がありましたね。
また、株主優待があり、3月末と9月末に100株以上保有の株主は、同社グループ番組特製のクオカードが500円分贈呈され(500株以上の株主は、3月末のみ3,000円分)、100株保有の場合、配当金+株主優待(500円×2回=1,000円)で年利回りは5.0%となっていました。
株価モメンタムは、一昨年6月に高値(956円)をつけた後は調整し、長い期間、680~780円程度のレンジ内での推移していて、
直近の株価は、今3Qの決算と通期業績の上方修正発表の翌営業日(2/8)に、これを好感され急激に上昇しましたが、
今回のPO発表の翌営業日(3/2)は、需給悪化懸念から、窓を開けて出来高を伴い大きく売られ、前日比 67円安(-9.0%)と、通期業績の上方修正前の水準を割り込んでしまいました。
その後の株価の値動きは、下値目処が見当たらない中、節目の650円程度で反発して元の値に戻っていくのか、さらに下抜けするのか注目していましたが、
今回のPOの自己株式の処分と株式の売出のPOの売出株数比率(OA含む)は、約3.4%で、PO発表後の下落率(9.0%)と比較すると小さかったため、需給悪化が緩んで650円の手前で反発してきました。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】朝日放送グループホールディングス(9405)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表後の株価は、発表の翌営業日こそ大きく下落しましたが、その翌営業日から右肩上がりの上昇を継続しています。
3月末の配当や株主優待の権利取りに向けて、上昇傾向が強まったと考えられます。
要因分析:SREホールディングス(2980)
この会社の2022年3月期3Qの業績は、クラウドサービスの課金契約数が期初目標に迫る1,686社まで拡大し、チャーンレート(顧客の離脱率)も0.5%と低位安定し、前年同期比 増収増益で、売上高、利益面ともには2.5倍となっており好調でした。
2022年3月期通期予想は、前期比で売上高は6割増、利益面は3割弱の増益を見込んでおり、
通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で売上高は少し遅れ気味でしたが、利益面は3/4ほどで順調でした。
配当金は上場来無配でしたが、成長企業であるが故、内部留保に資金を回し、将来の事業成長に資する投資を行うことで、業績が拡大し株価が上昇すれば、結果的に株主還元になるのではと考えていました。
株価モメンタムは、昨年11月にコロナショック時の安値の約8倍の上場来高値(10,270円)をつけましたが、その後は一気に下落し、半値以下の水準で推移していて、
直近の株価は、今3Qの決算と通期業績の上方修正発表の翌営業日(2/8)に、これを好感され急激に上昇しましたが、
今回のPO発表の翌営業日(3/3)は、1株利益の希薄化と需給悪化懸念、Zホールディングス傘下のヤフーとの業務提携の見直しのマイナス材料が多い中売り込まれ、寄付きはしましたが、出来高を伴いストップ安(前日比 700円安(-18.3%))と売り込まれてしまいました。
直近の下値支持は見当たりませんでしたので、今後はどこまで下落するのか予想できませんでしたが、節目の3,000円を下抜けてしまいましたね。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】SREホールディングス(2980)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表後の株価は、発表の翌営業日以降も下落し、発行価格等決定日(3/14)の2営業日後まで下げ続けました。
しかしそれ以降は、需給悪化が解消されてきたせいか上昇をし続けて、25日移動平均線(赤線)まで届きそうな勢いです。
今後は、25日移動平均線を上抜けてくれば、更なる上昇が期待できそうです。
まとめ
特種東海製紙(3708) 、朝日放送グループ(9405)、SREホールディングス(2980)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「発行価格」) [円](%) | 判定 |
特種東海製紙 | 中立 | +71 (+2.3) | 〇 |
朝日放送グループ | 買い | +79 (+11.8) | 〇 |
SREホールディングス | 中立 | +327 (+13.2) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は2勝1敗、勝率0.667とまあまあの結果でした。
どの銘柄も、3月中旬以降は地合いが良かったことと受渡日以降は需給が改善したために、株価上昇につながりましたね。
今後の株価の動向ですが、
特種東海製紙は、株価の回復基調が鮮明になってきています。
25日移動平均線を上抜ければ、更なる上昇が期待できそうです。
朝日放送グループHDは、PO発表前の株価に戻してきています。
直近の高値(2/17:768円)を上抜いてくれば、もう一段高が狙えそうです。
SREホールディングスは、PO発表以降の下げ幅が大きかった分、戻りも大きくなっています。
なかなか超えられなかった25日移動平均線を上抜ければ、大きく上昇してきそうな予感です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。