直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、11/29(月)に分売が実施されたグローバルインフォメーション、12/1(水)のイトーヨーギョー、12/2(木)の大阪油化工業です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減[円]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
グローバル インフォメーション (4171) | 11/29 (月) | 1,549 | 2.02 | 1,546 (-3) | 1,546 (-3) | 1,608 (12/6) | +59 (+3.8) |
イトーヨーギョー (5287) | 12/1 (水) | 783 | 2.97 | 777 (-6) | 765 (-18) | 763 (12/8) | -20 (-2.6) |
大阪油化工業 (4124) | 12/2 (木) | 1,732 | 3.02 | 1,746 (+14) | 1,670 (-62) | 1,720 (12/9) | -12 (-0.7) |
分売日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
グローバルインフォメーションは1週間後の寄付で売却した場合は損益プラスでしたが、分売日の寄付や大引で売却した場合は損益マイナス、
イトーヨーギョーはどの段階でも損益マイナス、
大阪油化工業は分売日の寄付で売却した場合は損益プラスでしたが、それ以外は損益マイナスとまちまちの結果でしたね。
ちなみに私は、大阪油化工業に100株購入申込しましたが、当選無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:グローバルインフォメーション(4171)
この会社の2021年12月期3Q累計の業績は、2020年12月に上場したばかりで前年同期の比較はできませんでしたが、
主力の市場調査レポート事業が、同社WEBサイトへの訪問者数増加の好影響により、前年同期の売上高を大きく上回り好調でした。
また、2021年12月期の通期予想を、同社の主力製品である市場調査レポートの他、委託調査事業が好調に推移しており、韓国支店も順調に推移していることから、売上高は微増、利益面は1割程度増額の上方修正をしており、
上方修正後の通期予想に対する進捗率は、売上高、利益面ともに75%を超えていて順調でした。
株主還元は、配当金は年利回り 2.0%(11/24時点)で、東証ジャスダックの単純平均1.67%と比較すると少し高い水準でした。
配当開始は2018年からですが、それ以降は連続増配しており、この点も株主にとって魅力的でした。
株価モメンタムは、上場2日目の2020年12月25日に高値(3,780円)をつけた後は、右肩下がりの下落トレンドで推移していましたが、
今年8月に上場来安値(1,341円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの動きを見せていました。
直近の株価は、11/16の高値(2,099円)から20%程度株価が下がり、25日移動平均線を下抜けるのかどうか、微妙なところでしたが、結局下抜けて下げ基調になりましたね。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】グローバルインフォメーション(4171)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
直近の株価は、11/16に株価が急騰して高値(2,099円)をつけた後は、値を下げており、今回の立会外分売発表でさらに下げが加速し、結局、25日移動平均線(赤線)を分売日前日に下抜けてきました。
そして、分売日の1営業日後まで下げたのですが、その翌日から上昇に転じ、分売日1週間後は何とか分売値段を上回ったというところです。
現在(12/24時点)では、少し下げて1,600円を下回って推移しています。
要因分析:イトーヨーギョー(5287)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、売上高は会計基準が異なるため、単純比較はできませんでしたが、前年同期比で増収で、利益面は営業利益と経常利益は赤字幅が拡大、純利益は土地売却益があったため黒字転換の状況でした。
特に、主力の「コンクリート関連事業」が減収で赤字拡大していましたので、少しさえない状況でした。
通期予想に対する進捗は、売上高はそこそこで、利益面は、純利益は計画を超過していましたが、営業利益と経常利益は赤字で苦戦しており、黒字化して通期予想を達成することは厳しい状況でした。
株主還元は、配当金は年利回り 1.0%(11/26時点)で、東証2部の単純平均 2.00%と比較すると低い水準で、2年連続2円減配予想でした。
株価モメンタムは、昨年のコロナショック時の安値(750円)から、同年9月まで一気に上昇し倍近い1,709円まで上げましたが、その高値から現在まで下落トレンドで推移して高値の半値になり、中長期的にさえない状況でした。
立会外分売発表の翌営業日(11/25)は、既に下げ過ぎ感があったためか、それほど市場は反応せずに、前日比 3円安(-0.4%)と小幅な値動きでした。
その後は、株価の上昇要因もなく、下落トレンド継続中です。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】イトーヨーギョー(5287)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
直近の株価は、立会外分売発表の翌営業日(11/25)以降下げて、分売日(12/1)は一度も分売値段(783円)を上回ることなく推移しました。
その後は、一旦は5日移動平均線(緑線)を上回る場面もありましたが、長続きせず下落トレンドを継続しています。
要因分析:大阪油化工業(4124)
この会社の2021年9月期通期の業績は、前年同期比 増収増益で、売上高は15%増、営業利益と純利益は微増、経常利益は15%増で好業績でした。
今期(2022年9月期)の通期予想は、前期比減収増益ですが、2021年9月期連結売上高実績(会計基準変更後)を基準とすると前期比4.1%増の増収増益の予想でした。ただ、微増の予想であったためそれほど勢いは感じられませんでした。
また、2021年9月期の決算発表と同時に、2022年9月期~2024年9月期の「3か年中期経営計画」を合わせて発表し、その目標数値の営業利益は3年後に300百万円を目指しており、今期予想 120百万円の2倍以上の意欲的な目標でしたので、将来的な業績の期待感が持てましたね。
株主還元は、配当が年利回り 1.2%(11/26時点)で、東証ジャスダックの単純平均1.69%と比較すると低い水準でしたが、向こう3か年の中期経営計画では、配当性向を30%以上と目標を定めており、株主にとって安心できる内容でした。
こんな中、株価は今年7月に高値(3,345円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンド推移して、
2022年9月期業績予想と中期経営計画があまり評価されなかったため、これをきっかけに、翌営業日(11/12)以降下げが加速してしまいました。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】大阪油化工業(4124)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、短期的な需給悪化懸念で下げが継続し、分売日の寄付きは、何とか分売値段(1,732円)を上回ったのですが、大引けは分売値段を下回りました。
そして、分売日以降も下げ基調が継続しています。
まとめ
グローバルインフォメーション(4171) 、イトーヨーギョー(5287)、大阪油化工業(4124)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益)[円](%) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「発行価格」) | 判定 |
グローバル インフォメーション | 中立 | +59 (+3.8) | × |
イトーヨーギョー | 不参加 | -20 (-2.6) | × |
大阪油化工業 | 中立 | -12 (-0.7) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は1勝2敗、勝率0.333ということで、反省ですm(_ _”m)
12月初から中旬にかけて日経平均は上昇する中、グローバルインフォメーションは地合いに合わせ上昇いきましたね。
イトーヨーギョーと大阪油化工業は、12月に入る前の1か月以上は下げ基調が続いていたため、上昇に転じるきっかけとなる材料もなく下げが継続してしまいました。
今後の株価動向ですが、
グローバルインフォメーションは、直近では1,600円の節目を割り込んでいますが、高値切り上げ安値切り上げの動きで上昇に転じる気配もあります。今後の株価上昇に期待です。
イトーヨーギョーは、2022年3月期2Q終了時点の業績は、営業赤字となりさえない状況です。今後、業績が上向くと同時に株価も上げに転じることに期待です。
大阪油化工業は、今期(2022年9月期)業績予想があまり勢いが感じられなかったため、株価はさえない状況です。中期経営計画の目標達成とともに株価上昇に期待しつつ、どこで下げ止まるのか要注目です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。