こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2022年12月に分売が実施された巴川製紙所、2023年1月実施のキムラ、ニューテックです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
巴川製紙所 (3878) | 12/22 (木) | 648 | 2.99 | 681 (+5.1) | 672 (+3.7) | 656 (12/29) | +8 (+1.2) |
キムラ (7461) | 1/17 (火) | 538 | 2.89 | 532 (-1.1) | 534 (-0.7) | 539 (1/24) | +1 (+0.2) |
ニューテック (6734) | 1/19 (木) | 1,370 | 3.45 | 1,370 (±0) | 1,377 (+0.5) | 1,395 (1/26) | +25 (+1.8) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
巴川製紙所は、いずれの場合も損益プラス、
キムラは分売日の寄付と大引で売却した場合は損益マイナスでしたが、分売日1週間後の寄付で売却した場合は損益プラス、
ニューテックは分売日の寄付で売却した場合はトントン、分売日の大引と1週間後の寄付で売却した場合は損益プラスの結果でした。
特に、巴川製紙所は、分売日の寄付で売却した場合は5.1%の利益が出ていました。
巴川製紙所を分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、巴川製紙所に200株、ニューテックに300株購入申込みして当選無しでした(;´д`)トホホ
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:巴川製紙所(3878)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年3月期)2Qの業績は、主力であるトナー事業や半導体関連事業が引き続き好調を維持したことに加え、円安の進展による海外売上高の嵩上げがあり、利益面は価格転嫁と円安の追い風により、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は1~5割の増益でした。
今期通期予想は、前期比 増収減益で、売上高は1割弱増、利益面は1~3割強の減益を予想しており、
その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高は5割程度でそこそこで、利益面は8割強で順調でした。
株主還元は、配当利回り(予想)2.24%(12/16時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.21%(12/15時点) と同水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり15~25円で推移しており、2020年3月期から2期連続無配でしたが、前期に復配していましたね。
株価モメンタムは、2021年7月に急騰し高値(1,014円)をつけた後は、下落トレンド入りし、2022年6月に安値(590円)をつけましたが、その後は、この安値を切り下げていませんでした。
直近は、11/8に高値(824円)をつけた後は調整していて、
今回の立会外分売の発表は、12/15のザラバ(取引時間)中にあり、発表後に急落。翌営業日(12/16)も引き続き出来高を伴い、大きめの陰線をつけ、前日比 39円安(-5.52%)となりました。
その後の株価は、チャート形状が崩れて下落トレンドに突入している中、下げ止まって上昇に転じていくのか、6月につけた年初来安値(590円)に向かって下落を続けるのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】巴川製紙所(3878)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表の翌営業日以降、分売日の2営業日後までは下落基調で推移しましたが、
年初来安値までは下がらず、650円近辺で下げ止って、上昇に転じていきました。
そして、現時点(1/28時点)も上昇基調は継続し、25日移動平均線(赤線)を上抜いてきています。
要因分析:キムラ(7461)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年3月期)2Qの業績は、卸売事業における新商品開発と販売強化、小売事業における各種サービスの拡充による顧客満足度の向上に努めましたが、主力の小売事業で人件費、水道光熱費を始めとした経費増加が響き、
前年同期比 増収減益で、売上高は微増、利益面は1割弱の減益でした。
今期通期予想は、前期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は微増~1割弱の増益を予想しており、
その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに5割程度でそこそこで、業績はまあまあという評価でした。
株主還元は、配当利回り(予想)1.66%で、東証スタンダードの単純平均 2.27%(1/11時点) と比較すると低い水準でしたので、この点は少し物足りなかったですね。
ただ、直近5年間の配当金は、年間1株あたり10~13円で推移しており、配当性向は10%台~20%台で安定している点は良かったです。
株価モメンタムは、2020年のコロナショック時の安値から、ずっと右肩上がりの上昇トレンドで推移して、昨年末に高値(635円)をつけており好調でした。
直近は、昨年12月中旬に安値(570円)をつけた後は急激に上昇し、同月26日に昨年来高値(635円)をつけましたが、その後は調整しており、
今回の立会外分売発表の翌営業日(1/11)はそれほど反応はなく、前日比 1円安(-0.1%)で終了していました。
その後の株価は、昨年12月につけた直近の安値(570円)を割り込まず上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】キムラ(7461)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売日の前日(1/16)に大きな陰線をつけて、直近の安値(570円)を割り込みましたが、分売日(1/17)以降は底堅く推移し、
分売日に一旦は分売値段(538円)を割り込んだものの、1週間後には分売値段を回復しプラスに転じています。
要因分析:ニューテック(6734)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年2月期)3Qの業績は、主力のRAID及びNAS製品の研究機関向け、学校関係向け大容量のCloudy関連が順調で前年同期比 43.3%増と売上高が大幅に増加。損益面は、売上高の増加により、粗利率の低下を吸収し、
前年同期比 増収増益で、売上高は3割弱増、利益面は8割前後の増益で好調でした。
今期通期予想は、昨年末に上方修正し、前期比 増収増益で、売上高は2割強増、利益面は6割前後の増益を予想しており、
その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は3/4程度でそこそこ、利益面は6割程度で遅れ気味でした。
株主還元は、配当利回り(予想)2.81%で、東証スタンダードの単純平均 2.28%(1/6時点) と高い水準でしたので、この点も良かったですね。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり20~35円で推移し、前期と同額の年もありましたが、基本的には増配傾向のところも魅力的でした。
ただ、流動性が低い点(5日平均は197百株、25日平均は92百株(1/10時点))はネガティブでした。
株価モメンタムは、2021年の年始以降下落トレンドで推移し、2022年1月に安値(952円)をつけましたが、その後は、緩やかながら上昇基調で推移し、全ての移動平均線の上に位置していました。
直近では、昨年11月に安値(1,286円)をつけた後は、1,350円前後で推移していましたが、年末から急激に上昇して、1/6に高値(1,578円)をつけ、
そして今回の立会外分売発表の翌営業日(1/10)は、短期的な需給悪化懸念から売り込まれ、出来高を伴い前日比 139円安(-8.92%)と急落しました。
その後の株価は、直近の安値(1,286円)を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】ニューテック(6734)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売日(1/19)までは下落基調で推移しましたが、直近の安値(1,286円)は下回らず、
分売日の寄付きを底値として、徐々に上昇してきています。
まとめ
巴川製紙所(3878)、キムラ(7461)、ニューテック(6734)の立会外分売予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5のようになりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
巴川製紙所 | 中立 | +8 (+1.2) | 〇 |
キムラ | 中立 | +1 (+0.2) | 〇 |
ニューテック | 中立 | +25 (+1.8) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は3勝0敗、勝率1.000。久々の全勝の結果でした👍
どの銘柄も分売日と分売日以降は、一瞬分売値段を割り込む場面もありましたが、ほぼ分売値段を割り込まずに推移し、
勢い良く上昇というよりも、緩やかな上昇でした。
日経平均も、今年の年始の底値から上昇してきていますので、その点も追い風でしたね。
今後の株価動向ですが、
巴川製紙所は、分売日の2営業日後を底にして、ずっと上昇トレンドで推移しています。
今後どこまで上昇するのか楽しみですね!
キムラは、こちらも徐々にですが、分売日以降上昇を継続しています。
分売発表以降大きく下げましたので、発表前の株価への戻りに期待です。
ニューテックは、いち早く25日移動平均線の上に浮上しようとしています。
全ての移動平均線の上に到達するのは時間の問題と考えられ、業績が好調なだけに、どこまで上昇していくのか楽しみです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。