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【公募増資・売出(PO)は買いか?】東海道リート投資法人(2989) <2026年1月実施>

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証J-REITの東海道リート投資法人です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

今回のPOは、公募による新投資口の発行です。発行価格等決定日や受渡期日、発行数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「発行価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%(直近のJ-REITは2~2.5%)です。

参考までに、直近のJ-REITのPO銘柄のディスカウント率は、

でした。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は、みずほ証券、大和証券)はじめ、引受人(静銀ティーエム証券SMBC日興証券、SBI証券)の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、1/20(火)の夕刻に、法人側から発行価格等のお知らせが適時開示であります。このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

発行価格等決定日2026 年1月20日(火)から22日(木)までの間のいずれかの日
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2026年2月3日(火)
公募による新投資口の発行
(一般募集)数量
69,038 口
発行済み投資口数 316,883 口 の約21.7%
②投資口の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)

数量
3,452 (上限の数量)
※上記の「発行価格等決定日」に決定。
※みずほ証券が売出す。
調達資金手取り概算額(上限)71 億円
発行価格(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量1 口
主幹事みずほ証券、大和証券
引受人静銀ティーエム証券、SMBC日興証券、SBI証券
表1:東海道リート投資法人 PO概要

新投資口発行の目的及び理由

としています。

今回の資金調達によって、住宅型アセットその他アセット(生活圏配送・販売型)2その他(ホテルアセット)1の計5物件取得予定価格 129.54億円)を2026年に取得予定です。

取得後のポートフォリオの合計は、物件数:34物件、取得金額:742億円に拡大します。

今回増資される投資口数は、発行済み口数の約21.7%で、

直近の総合型J-REITの、公募増資の発行済み総口数に対する割合(第三者割当を含む)は、

東海道リート(2025年2月実施分) 13.8%、平和不動産リート 4.73%、ユナイテッド・アーバン 4.48%でしたので、それらと比較すると大規模の増資です。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した投資口の数量)の5日平均は2,015口、25日平均は1,197口(1/14時点)で、流動性は平均的な水準です。(※1日 1,000口を平均水準としています。)

【過去の公募増資の結果】

ご参考までに、この投資法人は過去に3年連続で3回公募増資を実施しており、その時のPOの結果はどうだったかというと、

表2の結果となっています。

(※売買手数料は考慮していません。)

受渡
期日
発行
価格
[円]
ディス
カウント

率[%]
受渡日
始値[円]
(増減率[%])
受渡日
終値[円](同)
1週間後
の始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
2023/
2/2
113,8802.5118,600
(+4.1)
118,800
(+4.3)
116,100
(2/9)
2,220
(+1.9)
2024/
2/2
121,5462.5123,800
(+1.9)
124,800
(+2.7)
126,900
(2/9)
5,354
(+4.4)
2025/
2/4
100,1032.5104,100
(+4.0)
103,900
(+3.8)
101,900
(2/12)
1,797
(+1.8)
表2:東海道リート 過去3回のPO銘柄の発行価格とその後の価格

POで購入し、受渡日の寄付と大引1週間後の寄付で売却した場合1.8~4.4%の損益プラスでの結果でした。

その時の地合いに良し悪しも影響してくると思いますので、ご参考まで。

【ご参考】

どんな投資法人?

静岡を核とする産業地域(静岡県、愛知県及び三重県)への重点投資を基軸とし、日本の東西中心地をつなぐ東海道地域の安定資産に投資するJ-REITです。

東海道地域等の中でも特に静岡を核とする産業地域に存する物流施設や、

企業がその活動基盤としテナントとなって活用する産業系施設、産業・物流適地の底地(※1)を含めた産業インフラアセットと、

東海道地域等に基盤を置く企業や人々の生活を支える住居及び生活必需品を扱う配送・販売に適した立地にある底地などの生活インフラアセット(住宅等)に投資することで、安定的なポートフォリオ構築と成長を図っています。

※1:底地
他の人に貸すことで、何らかの利益を得ている土地

【J-REITの簡単な説明】

投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。

※出所:一般財団法人 投資信託協会HP

J-REITは全体的に、高配当な銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。

【ポートフォリオ構築方針】

としています。

また、静岡を核とする産業地域のアセットの魅力として、

を挙げています。

【ポートフォリオデータ】

物件数 29物件取得価格 612億円 (2025年9月1日現在) 、稼働率 99.6%(2025年11月30日現在)

投資エリア分散状況

となっており、「愛知県」が4割強「静岡県」が3割強を占めています。

用途分散状況

となっており、「住居系アセット」が3割「物流アセット」が3割弱を占めています。

直近の運用概況

【2025年7月期の運用状況と2026年1月期以降の見通し】

(2025年9月16日発表)

決算期営業
収益
[百万円]
(前期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
当期
純利益
[百万円]
(同)
1口当たり
分配金

[円]
(前期比
増減額
[円])
2025年7月期
実績
2,306
(14.7)
1,368
(25.2)
1,071
(15.3)
1,070
(15.3)
3,380
(45)
2026年1月期
法人予想
2,307
(0.1)
1,296
(△5.3)
1,050
(△2.0)
1,049
(△2.0)
3,311
(△69)
2026年7月期
法人予想
(2026年1月13日
修正)
2,686
(16.4)
1,529
(17.9)
1,164
(10.8)
1,163
(10.8)
3,230
(△81)
2027年1月期
法人予想
(2026年1月13日
発表)
2,816
(4.8)
1,624
(6.2)
1,266
(8.7)
1,265
(8.7)
3,280
(50)
表3:東海道リート 2025年7月期の運用実績と2026年1月期以降の見通し

表3のとおり、前期(2025年7月期)は、前期比 増収増益で、営業収益は1割強増利益面は2割弱~3割弱増でした。

今期(2026年1月期)は、前期比 増収減益で、営業収益は微増利益面は微減~1割弱減を予想しています。

次期の2026年7月期(2026年2月~7月)は、今回のPO発表と同時に修正しており、前期比 増収増益で、営業収益は2割弱増利益面は1~2割弱増を見込んでいます。

1口当たりの分配金の予想は、増資後の2026年7月期は前期比 81円減2027年1月期は同50円増の予想となっています。

【2025年7月期の運用概況】

運用環境

当期における日本経済は、各国の通商政策等の影響による海外経済の減速懸念により一部に企業収益の成長鈍化が見られるものの、全体としては緩やかな回復基調が続いており、物価についても上昇基調が継続しています。

金利動向については、政策金利の追加利上げ観測は根強いものの、目先は海外経済の先行き不透明感等を背景に当局の慎重姿勢も観測されています。

このような状況のもと、東証REIT指数については、前期末(2025年1月末)の1,704.84ポイントから当期末(2025年7月末)は1,859.19ポイントとなり前期末比約9.1%上昇しました。

このような経済環境下においては、収益不動産の賃料や稼働率に影響があるアセットと影響が少ないアセットの二極化が継続していくものと考えられ、

同投資法人では、交通インフラが発達し産業が集積している東海道地域等の立地を活かした産業インフラアセット(物流施設及び産業・ビジネスの基盤として企業が活用する施設並びにこれらを使途とする底地)や、

東海道地域等に基盤を置く企業や人々の生活を支える生活インフラアセット(住居及びその底地並びに生活圏配送・販売を使途とする底地及びその他のアセット)の中でも、

キャッシュ・フローが安定していると判断できるアセットに対して投資し、適切な運用管理とリーシング(※2)施策を行い、中長期的にわたる安定的な収益の確保に努めています。

※2:リーシング

不動産貸借する契約を行い、物件所有者と利用者間での調整や交渉を行う業務

運用状況

同投資法人は、2025年2月に運用資産6物件を取得し、また、2025年7月に運用資産1物件の一部(共有持分51%)を譲渡し、当期末現在において、運用資産29物件(取得価格 合計608億円)を保有しています。

なお、当期末日現在における運用資産29物件の総賃貸可能面積は387,723㎡、総賃貸面積は386,160.14㎡、稼働率は99.6%前期末比 0.1ポイント減)でした。 

資金調達の概要

エクイティ・ファイナンス

当期においては、「みよしインダストリアルセンター(底地)」他計6物件の取得資金及びその付随費用の一部に充当する目的で、

2025年2月3日を払込期日とした公募による新投資口(38,483口)の発行により3,706百万円の資金を調達しました。

デット・ファイナンス

当期においては、「みよしインダストリアルセンター(底地)」他計6物件の取得資金及び付帯費用の一部等に充当するため、これに伴う借入れ(総額3,741百万円)を2025年2月4日に実行しました。

また、2025年6月23日に返済期限が到来した借入金(総額4,250百万円)の返済資金に充当するため、2025年6月23日に同額の借入れを実行しました。

この結果、当期末(2025年7月31日)時点における借入金残高は326億円となり、総資産のうち借入金が占める割合(LTV)48.1%前期末比変わらず)となりました。

【今期(2026年1月期)の見通し】

外部成長戦略

同投資法人のスポンサーは、日本を代表する産業集積を誇る静岡を核とする産業地域を支えてきた産業系、物流系、インフラ系、金融・不動産系の計9社から構成されています。

それぞれの異なる強みを活かして、同投資法人の成長をバックアップしていく体制となっています。

スポンサーの中でも、産業系スポンサーであるヨシコンは、メインスポンサーとして、

同投資法人及び同資産運用会社に対して、優先的物件情報の提供、優先的売買交渉権の付与、ウェアハウジング機能の提供により、外部成長を最大限サポートしています。

また、ヨシコン以外のスポンサー(①産業系スポンサー:木内建設、日本国土開発、②物流系スポンサー:鈴与、清和海運、③インフラ系スポンサー:静岡ガス、④金融・不動産系スポンサー:静岡不動産)からも第三者保有物件の売却情報の提供を受けることができます。

同投資法人は、これらのスポンサーサポート及び同資産運用会社独自の取得ルートを活用しつつ、資産規模拡大を目指しています。

内部成長戦略

同投資法人のスポンサーの中でも、産業系スポンサーであるヨシコンは、メインスポンサーとして、プロパティ・マネジメント業務等の提供やリーシングサポートの提供などを始めとする内部成長に係るサポートを提供しています。

また、ヨシコン以外のスポンサー(①産業系スポンサー:木内建設、②インフラ系スポンサー:中部電力ミライズ、静岡ガス、③金融・不動産系スポンサー:静岡不動産)からも内部成長に係る各種サポートを受けることができます。

同投資法人は、これらのスポンサーサポートを活用しつつ、今後も同資産運用会社としての適切な資産のマネジメントを通じて収益の安定性と収益力の向上を目指し、投資主価値の最大化を目指しています。

財務戦略

中長期的に安定した資産運用基盤の構築、資産運用の効率化と財務体質の健全化を図り、外部成長を伴う新投資口発行を実施することで継続的な成長を企図しています。

かかる観点から、新投資口の発行は、同時に取得する運用資産の収益性、取得時期、LTV水準、有利子負債の返済計画等を総合的に勘案し、

投資口価格及び新投資口の発行による持分割合の低下に配慮し、金融環境、不動産市況を踏まえて決定しています。

また、金利環境に応じて、借入れの変動・固定割合を調整して借入れを行うとしています。

そして、借入れについては、リファイナンスリスク低減のため返済期日の分散化、借入期間の長期化・借入金利の低下と固定化を目指しています。

【2026年7月期の運用状況及び分配金予想の修正と2027年1月期の予想】

2026年2月に予定している資産取得(計5物件)に伴い、2026年7月期の運用状況と分配金予想の修正2027年1月期の運用状況と分配金予想をしています。

2026年7月期の運用状況予想は表4です。

営業
収益
[百万円]
営業
利益
[百万円]
経常
利益
[百万円]
当期
純利益
[百万円]
1 口当たり
分配金
[円]
前回(2025/9/16)
発表予想
2,3041,2941,0151,0143,200
今回修正予想2,6861,5291,1641,1633,230
増減額38123514914930
増減率[%]16.618.214.714.70.9
表4:2026年7月期の運用状況と分配金の修正予想(2026年1月13日発表)

前回発表予想から、営業収益は2割弱利益面は1~2割の増額修正をしています。

今回の公募増資による新規取得資産は取得金額で約21.1%の増加率(612億円→742億円)ですので、

それからすると、修正された営業収益や利益面の増額率は、今回の資産取得の増加率と比較するとやや物足りないといえます。

また、分配金前回予想から30円増で、前期(2026年1月期)予想比で81円減となりました。

ただ、次々期の2027年1月期は前期比 50円増となりますので、次々期以降、投資主に恩恵が出てくることになりそうです。

2027年1月期の予想は、表3に記載のとおりです。

【格付けの状況】

(2025年9月5日現在)

日本格付研究所(JRC):長期発行体格付「Aー」(安定的)

(※A:債務履行の確実性は高い。)

投資口価格の動向

【2026/1/14(水)終値時点の数値】

分配金利回り5.53%で、上場株式の利回り(東証プライムの単純平均:2.27%(1/13時点))と比較すると、2倍超の高い水準で、

J-REITの平均予想利回り(4.56%(2025年12月末時点:一般社団法人 不動産証券化協会データより))よりも高い水準です。

直近5期の分配金は表5のようになっており、1口当たり3,284~3,380円で、上下96円の差で推移しています。

決算期1口当たり
分配金
[円]
2024年1月期3,351
2024年7月期3,284
2025年1月期3,335
2025年7月期3,380
2026年1月期3,311
(予想)
表5:東海道リート投資法人 直近分配金推移

【直近の投資口価格推移】

<週足チャート(直近2年間)>

2024年4月に上場来高値(142,100円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、翌年4月に上場来安値(97,000円)をつけました。

しかし、その後は上昇基調で推移しており、直近ではすべての移動平均線の上に浮上しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

昨年10月中旬に安値(112,000円)をつけた後は、113,000~118,000円程度のレンジ内で推移しており、

今回のPO発表日(1/13)に年初来高値(118,700円)をつけています。

そして、PO発表翌営業日(1/14)は、POによる1口当たり利益の希薄化懸念から、出来高を伴い大きめの陰線をつけて、前日比 900円安(-0.76%)で終了しました。

今後の投資口価格は、25日移動平均線(赤線)や75日移動平均線(青線)を割り込まず再び年初来高値を更新するのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【ファンダメンタルズ】

【インカムゲイン】

【流動性】

【投資口価格モメンタム】

以上をふまえ、

レベル
(最低⭐~
最高⭐⭐⭐⭐⭐)
ファンダメンタルズ⭐⭐⭐
インカムゲイン⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐⭐
投資口価格
モメンタム
⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐⭐
(買い)
※「総合判定」で⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

参考になればうれしいです!最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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