こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2023年5月に分売が実施されたハリマ共和物産、兵機海運、デリカフーズHLDGSです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (騰落率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
ハリマ 共和物産 (7444) | 5/23 (火) | 1,512 | 4.00 | 1,528 (+1.1) | 1,556 (+2.9) | 1,549 (5/30) | +37 (+2.4) |
兵機海運 (9632) | 5/23 (火) | 1,857 | 2.98 | 1,915 (+3.1) | 1,891 (+1.8) | 1,884 (5/30) | +27 (+1.5) |
デリカフーズ HLDGS (3392) | 5/24 (水) | 546 | 2.50 | 560 (+2.6) | 570 (+4.4) | 586 (5/31) | +40 (+7.3) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
全ての銘柄は、いずれの場合も損益プラス
の結果でした。
特に、デリカフーズHLDGSは、分売日1週間後(5営業日)の寄付で売却した場合は7.3%の利益が出ていました。
分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入申込み無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:ハリマ共和物産(7444)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
前期(2023年3月期)の業績は、衛生用品や自宅で使用する日用消耗品の需要は底堅く推移し、
前期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は1割前後の増益で着地していました。
今期(2024年3月期)通期予想は、人件費の上昇や物流費の高騰に加え、インターネット通販を含む小売業間の競争も激しさを増しており、同社を取り巻く経営環境は厳しい状態が続くと予想し、
前期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は1割弱の増益を見込んでいましたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は2.61%(5/18時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.22%と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株当たり38~41円で推移し、前期と同額の年もありましたが、基本的には増配しており、
配当性向は、10%台で安定して推移していましたね。
株価モメンタムは、2021年7月に高値(1,864円)をつけた後は、下落トレンドで推移し、2022年9月末に安値(1,500円)をつけましたが、その後は回復基調で推移してました。
直近の株価は、右肩上がりの上昇基調で推移し、5/12に年初来高値(1,728円)をつけましたが、
今回の立会外分売と2023年3月期決算が5/12のザラバ(取引時間)中に発表された後に、立会外分売による需給悪化懸念により急落し、前日比 65円安(-3.79%)となり、
翌営業日後も4日連続陰線で続落して、全ての移動平均線を割り込んでいました。
その後の株価は、この下落が止まって上昇に転じてくるのか、1月につけた年初来安値(1,543円)を下抜け下値模索を続けるのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】ハリマ共和物産(7444)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
結局、連続陰線の後の2営業日はヨコヨコで、分売日(5/23)はギャップダウンで始まりましたが、分売値段は下回らず推移しました。
そしてそれ以降は、ヨコヨコの値動きが続いています。
要因分析:兵機海運(9362)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
前期(2023年3月期)の業績は、特に外航事業が好調で建機類の輸送やスポット案件が好調に推移したことに加え、ドル建て海上運賃の収益改善を受け、前期実績を大幅に上回る売上・利益を確保し、
前期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は1割強~2割強の増益で着地していました。
今期(2024年3月期)通期予想は、スポット特需など前期の伸長要因が減少するため、
前期比 減収減益で、売上高は1割強減、利益面は1割弱の減益を予想していましたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は5.16%(5/19時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.22%と比較すると2倍超の高い水準で、
直近5年間の配当金は、2021年3月期までは1株あたり50円で一定でしたが、それ以降は連続増配していましたね。
株価モメンタムは、右肩上がりの上昇トレンドで、2023年3月に高値(2,638円)をつけましたが、その後は調整して、下落基調で推移しました。
直近の株価は、3月に年初来高値(2,638円)をつけた後は、右肩下がりの下落トレンドで推移しており、2023年3月期決算発表の翌営業日(5/15)は、決算内容があまり好感されず、年初来安値(1,910円)をつけました。
そして、今回の立会外分売発表の翌営業日(5/17)は、株価にはそれほど反応はなく、前日比 31円安(-1.58%)で終了し、その後は、年初来安値を割り込まずヨコヨコで推移していましたね。
その後の株価は、5/15につけた年初来安値を割り込まずに、上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】兵機海運(9362) <2023年5月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表後、わずかながら下落していき、結局、5/15につけた年初来安値を割り込みましたが、分売値段(1,857円)は割り込まずに推移しました。
分売後1週間後は、分売による需給悪化懸念はまだ解消しきれておらず、上昇転換の兆しは見せていません。
要因分析:デリカフーズHLDGS(3392)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
前期(2023年3月期)の業績は、「事業ポートフォリオの変革」として取引業種の裾野拡大を推進し、新たな取引先ニーズへの積極的な対応を進め、顧客への丁寧な説明を実施した上での売価改善の効果もあり、収益力の改善が顕著となり、
前期比 増収増益で、売上高は2割増、利益面は黒字転換の結果で着地し、いずれも通期で過去最高益を更新しており好調でした。
今期(2024年3月期)通期予想は、BtoC事業における更なるシナジー発揮に向けた体制面・商品開発力・販売戦略の強化を図るほか、
拡大・多様化する取引先のニーズに応えるため、原料調達機能の強化、工場設備の拡充・生産性向上、販路拡大を進め、
前期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は1割弱~8割の増益を予想していましたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は1.70%(5/19時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.22%と比較すると低い水準で、
直近5年間の配当金は、1株あたり5~16円で推移し、配当性向は、無配の年を除いて、10%台~20%台で推移していました。
そして株主優待があり、毎年9月末の年1回、200株以上保有の株主に、野菜・果物等詰合せ又はクオカードが進呈され、
200株保有の場合、配当金+株主優待(クオカード 500円相当)の利回りは2.13%で、個人投資家にとってうれしい内容でしたね。
株価モメンタムは、2021年9月に高値(679円)をつけた後は下落トレンドで推移していましたが、
2022年の年末に安値(465円)をつけた後は上昇に転じ、上昇基調で推移していました。
直近の株価は、2023年の年始からずっと右肩上がりで上昇し、
そして、2023年3月期の決算発表が5/12のザラバ中にあり、それを好感され年初来高値(670円)をつけていましたね。
しかしその後は続かず、下落に転じ、立会外分売が発表された以降も調整していました。
その後の株価は、75日移動平均線を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】デリカフーズHLDGS(3392) <2023年5月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表以降、分売日前日までは下落し、その後は、75日移動平均線を下抜ける場面もありましたが、需給悪化懸念が解消してすぐに回復し上昇に転じています。
まとめ
ハリマ共和物産(7444)、兵機海運(9362)、デリカフーズHLDGS(3392)の立会外分売の事前予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5のようになりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
ハリマ 共和物産 | 中立 | +37 (+2.4) | 〇 |
兵機海運 | 中立 | +27 (+1.5) | 〇 |
デリカフーズ HLDGS | 中立 | +40 (+7.3) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあでしたm(_ _”m)
全体的に地合いが良かったせいか、どの銘柄も分売値段を下回らずに推移しました。
特に、デリカフーズHLDGSは、分売日以降は需給悪化懸念が解消し、勢い良く上昇していきましたね。
今後の株価動向ですが、
ハリマ共和物産は、分売日以降、ヨコヨコの展開が続いています。
徐々に需給悪化懸念が解消し、上昇転換に期待です。
兵機海運は、こちらも分売日以降ヨコヨコの展開です。
今期の業績は、減収減益予想ですが、配当利回りが高いですので、安くなれば買いが入ってくるものと考えられます。
デリカフーズHLDGSは、分売日以降5連続陽線の後は、勢いが落ちてきました。
ただ、まだ75日移動平均線の上で推移していますので、今後の押し目からの上昇に期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。