こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2022年2月に分売が実施されたNaITO、一家ホールディングス、南海辰村建設です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
NaITO (7624) | 2/16 (木) | 149 | 3.25 | 151 (+1.3) | 150 (+0.7) | 151 (2/24) | +2 (+1.3) |
一家ホール ディングス (7127) | 2/17 (金) | 582 | 3.16 | 591 (+1.5) | 600 (+3.1) | 600 (2/27) | +18 (+3.1) |
南海辰村建設 (1850) | 2/17 (金) | 303 | 2.88 | 304 (+0.3) | 307 (+1.3) | 311 (2/27) | +8 (+2.6) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
何といずれの銘柄、いずれの場合も損益プラスの結果でした。
特に、一家ホールディングスは、分売日の大引や1週間(5営業日)後の寄付で売却した場合は3.1%の利益が出ていました。
分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は参加せずでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:NaITO(7624)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年2月期)3Qの業績は、計測及び産業機器・工作機械の物件の納期遅延等の影響があったものの、NICE-NET(商品注文システム)の利便性向上や機会損失の回避等を目的として在庫拡充による品揃えを強化し、
前年同期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は3割~6割弱の増益で業績は好調でしたね。
今期通期予想は、3Qに投資有価証券売却益の計上したため純利益のみ上方修正し、前期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は2割~5割弱の増益を見込み、
その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は3/4程度でそこそこ、利益面は9割弱で順調でした。
株主還元は、配当利回り(予想)1.91%(2/10時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.23%(2/9時点) と低い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり2~4円で推移しており、配当性向は、20%台~30%台で安定していました。
株価モメンタムは、2021年9月に高値(204円)をつけるまでは上昇していましたが、それ以降は下落トレンドで推移し、2022年11月に安値(152円)をつけました。
そしてそれ以降は、この安値を割り込んでいませんでした。
直近は、昨年11月に昨年来安値(152円)をつけた後は上昇基調で推移し、昨年末に高値(166円)をつけ、
そして今回の立会外分売発表の翌営業日(2/10)は、立会外分売による短期的な需給悪化懸念で、出来高を伴い窓を開けて売られ、前日比 4円安(-2.48%)で終了しましたね。
その後の株価は、75日移動平均線の上をキープし、分売発表前の値に戻っていくのか、昨年来安値(152円)に向かって下落していくのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】NaITO(7624) <2023年2月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表の翌営業日以降は、3営業日ほどヨコヨコで推移していましたが、分売日(2/16)に窓を開けて売られ、分売値段の149円に近づく結果となりました。
しかし何とか、昨年11月につけた昨年来安値(151円)近辺で下げ止まり、分売日以降はヨコヨコで推移しています。
この昨年来安値が下値支持となり、下げ止まったという印象です。
要因分析:一家ホールディングス(7127)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年3月期)2Qの業績は、前期は緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置で、休業や時短営業を実施していましたが、今期は全店通常営業をした結果、
持ち株会社設立前の株式会社一家ダイニングプロジェクトの前期実績比較をすると、前年同期比 3.4倍の増収で、利益面は営業利益と経常利益は赤字幅縮小、当期純利益は赤字転落でした。
ただ、この会社は3Qに売上高および営業利益が増加する傾向があり、3Q以降の業績には期待できました。
今期通期予想は、同じく株式会社一家ダイニングプロジェクトの前期実績比較で前期比 2.0倍の増収、利益面は営業利益と経常利益は黒字転換、当期純利益は2割弱減を見込み、
その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高は5割弱でそこそこ、利益面は赤字からの挽回が必要な状況でした。
株主還元は、創立以来無配でしたが、成長企業ゆえ、安定的な事業拡大や経営環境の変化に対応するための内部留保資金を確保することは理解できました。
また、株主優待があり、毎年9月末と3月末の年2回、100株以上保有の株主は、同社の店舗で飲食代金として利用可能なお食事優待券 2,500円相当(500円券×5枚)が進呈され、
100株又は200株保有の場合、株主優待(100株の場合、2,500円×年2回で5,000円相当)の利回りは7.94%になっており、この点は魅力的でしたね。
株価モメンタムは、2022年1月の上場来安値(512円)から右肩上がりで上昇し、2022年9月に上場来高値(777円)をつけましたが、
その後は急速に調整し、600~650円のレンジで推移していましたが、それ以降は、この安値を割り込んでいませんでした。
直近は、昨年11月に安値(600円)をつけた後は、急激に上昇し同月に高値(647円)をつけていましたが、その後はこの高値も安値も更新せず、630円前後で推移していました。
そして、その後の株価は、直近の高値(647円)を上抜けて、上場来高値(777円)に向かって上昇していくのか、直近の安値(600円)に向かって下落していくのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】一家ホールディングス(7127)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表の翌営業日(2/13)は、短期的な需給悪化懸念から、前日比 17円安(-2.7%)と窓を開けて売られました。
そして、分売日(2/17)まで下落基調で推移しましたが、それ以降は持ち直して、分売値段(582円)を3%前後上回って推移しています。
分売日に出来高が多くなり、売りが出尽くしたようですね。
要因分析:南海辰村建設(1850)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年3月期)3Qの業績は、前期繰越工事高が増加し売上高が増加、増収及び一部工事の採算性向上に伴う利益率改善等により、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は1~5割弱の増益で好調でした。
今期通期予想は、前期比 増収増益で、売上高は3割弱増、利益面は1割~3割強の増益を予想で、
その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は3/4程度でそこそこ、利益面は純利益は3/4程度でそこそこでしたが、営業利益と経常利益は6割で遅れ気味でした。
株主還元は、配当利回り(予想)は0.94%(2/13時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.23%(2/10時点) と比較すると低い水準で、
直近5年間の配当金は、2021年3月期までは無配が続いていたが、2022年3月期に久々に復配していましたね。
株価モメンタムは、2021年の年末に安値(272円)をつけた後は上昇に転じ、翌年7月に高値(378円)をつけましたが、その後は調整し、直近は320円近辺で推移していました。
直近は、2か月ほど305円近辺で推移していましたが、1月の中旬から上昇しはじめ、1/30に高値(335円)をつけていました。
そして今回の立会外分売発表の翌営業日(2/13)は、短期的な需給悪化懸念からか、前日比8円安(-2.46%)で終了し、
その後の株価は、25日移動平均線や75日移動平均線を割り込まずに、上昇に転じ、直近の高値(335円)を上抜いていくのか、それらを下抜けて、昨年11月につけた直近の安値(300円)に近づいていくのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】南海辰村建設(1850) <2023年2月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表の翌営業日以降、分売日まで下落基調で推移しましたが、
直近の安値(300円)は下抜けずに踏みとどまりました。
そして、分売日以降は、売りが出尽くしたのか上昇に転じて、現時点は75日移動平均線(青線)を超えて推移しています。
まとめ
NaITO(7624)、一家ホールディングス(7127)、南海辰村建設(1850)の立会外分売予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5のようになりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
NaITO | 中立 | +2 (+1.3) | 〇 |
一家 ホールディングス | 中立 | +18 (+3.1) | × |
南海辰村建設 | 中立 | +8 (+2.6) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあの結果でした。
一家ホールディングスと南海辰村建設は、分売日に売りが出尽くし、その日以降は上昇に転じていきましたね。
NaITOはまだ需給悪化が改善しておらず、上昇の兆しが見えてきません。
今後の株価動向ですが、
NaITOは、年初来安値(149円)近辺に株価はあり、今後この安値を更新して下値模索を続ける可能性もあります。
今後の上昇への転換に期待です。
一家ホールディングスは、今2Q累計では赤字でしたが3Q累計は黒字転換しており、業績の回復が鮮明になってきました。
業績の回復とともに、さらなる株価上昇に期待です。
南海辰村建設は、75日移動平均線を超えてきて、25日移動平均線もあと少しのところまで来ました。
これを上抜け、上昇基調を決定づけてほしいものです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。