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【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】アイモバイル(6535)、日東紡(3110)、東京産業(8070)

結果検証

直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?

受渡期日当日と受渡期日1週間後の結果を検証しました。

今回は、受渡期日が7/12(月)のアイモバイル、7/14(水)の日東紡、7/20(火)の東京産業です。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖

売出価格とその後の株価比較

まずは、売出価格で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!

銘柄受渡期日売出価格
[円]
ディス
カウント率
[%]
受渡日
始値[円]

(増減[円])
受渡期日
終値[円]

(同)
1週間
(5営業日)後
の終値

[円]
損益[円]
(増減率[%])
(ご参考)
1か月後
の終値
[円]
アイモバイル
(6535)
7/12
(月)
1,5464.031,583
(+37)
1,573
(+27)
1,644
(7/19)
+98
(+6.3)
1,344
(-202)
日東紡
(3110)
7/14
(水)
3,1473.023,305
(+158)
3,385
(+238)
3,340
(7/21)
+193
(+6.1)
3,215
(+68)
東京産業
(8070)

7/20
(火)
5974.02651
(+54)
655
(+58)
706
(7/29)
+109
(+18.3)
678
(+81)

受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、

3銘柄ともに損益プラス、受渡日の寄付きや大引けで売却しても利益が出ていましたね。

中でも、 東京産業+109円(+18.3%)と株価は大幅上昇しています。POで購入された方、おめでとうございます!

ちなみに私は、アイモバイル 100株当選し、7月の配当権利日前に利益確定しました(+110円)。

アイモバイルは、7月末に初配100円(1株当たり)を行ったせいか、その権利落ち日から大きく売られ、1か月後は売出価格より下落しています。

要因分析:アイモバイル(6535)

この会社のPOの目的は、

来年4月からの、東証の新市場区分の最上位「プライム市場」の基準を満たすための株式の「売出」でした。

この「売出」を行う前は、プライム市場基準の「流通株式時価総額」(100億円以上)と「流通株式比率」(35%以上)を満たしていませんでした。

しかし今回のPOを実施したため、どちらの基準も満たす見込みとなっており、9/8に「新市場区分の上場維持基準適合に向けた計画書」を作成し、プライム市場選択の申請書を東証に提出しています。

売出数量は、発行済み株数の約13%(OAを含めると14.7%)と多かったのですが、このプライム市場入りと7月末に権利取りが控えていた初配100円(年利回り 6.2%(7/2時点))がありましたので、何とか売出価格割れは免れたというところでしょうか。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】アイモバイル(6535)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

出所:楽天証券サイト

株価は、今回の売出発表後の翌営業日(6/26)から下げ始め、受渡期日まで下げ続けました。

しかしながら、受渡期日を底にしてそれ以降は、配当の権利確定日まで1週間程度上昇しました。

その後は、権利落ち日に大きく下げましたが、8/6に安値(1,285円)を付けた後は、安値切り上げの動きとなっています。

今後は、直近の高値(9/10:1,635円)を超えてくれば、上昇トレンドに乗ってきそうです。

要因分析:日東紡(3110)

こちらの銘柄も、大株主の「ユニゾホールディングス株式会社」からの売出のみで、公募増資はありませんでした。

売出数量は、発行済み株数の約2.4%(OAを含めると2.8%)とほどほどの数量でしたので、需給面にはそれほど影響はなかったのではないでしょうか。

2021年3月期の業績は、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、各セグメント共に販売が大きく落ち込んでおり、

また、2022年3月期の業績の会社予想はそれほど大きな増収増益を予想しておらず、あまり勢いは感じられませんでした。

そして、この会社は2023年3月期までの新中期経営計画を策定しており、営業利益は2021年3月期比の約3倍と高い目標を掲げています。この目標を2年後に達成できる見込みとなれば、市場の評価は上がってくるのではないかと考えます。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】日東紡(3110)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

出所:楽天証券サイト

株価は、今回の売出発表日の翌営業日(6/30)に、前日比 -175円(-4.9%)と大きく売られ、受渡期日の前々日まで下げ続けました。

しかしながら、それ以降は上昇に転じ、受渡期日以降も数日株価は上昇しました。

直近の株価は、8/20に安値(3,115円)を付けた後は、日経平均の上昇とともに、大きく株価を上げ、現在は売出発表前の値に戻しています。

要因分析:東京産業(8070)

この銘柄は、売出数量が、発行済み株数の約11.7%(OAを含めると13.4%)とかなり多く、需給悪化懸念がありましたが、同時に、自社株買い(上限:200万株、10億円)も発表され、株式の売出と自社株買いが相殺される格好になりました。

そのため、売出の発表日の翌営業日(7/5)は、自社株買いの評価が大きかったのか、窓を開けて株価は上昇しました。

株式の売出人は大株主の「三菱商事」で、株式の持ち合いの解消ということもあり、好感されたこともありました。

また、年間配当金は年利回り 4.0%(7/6時点)と高かったということも、株価が下がらなかったという要因の一つになったと考えます。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】東京産業(8070)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

出所:楽天証券サイト

株価は、売出発表日の翌営業日(7/6)以降は1週間ほど下げましたが、売出価格等決定日(7/13)を底にして以降、現時点まで上昇トレンドを継続中です。

まとめ

アイモバイル(6535) 、日東紡(3110)、東京産業(8070)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、

銘柄名事前予想結果
(「一週間後終値」
ー「売出価格」)
判定
アイモバイル買い+98円(+6.3%)
日東紡中立+193円(+6.1%)×
東京産業買い+109円(+18.3%)

でした。アイモバイル東京産業は「買い」の予想でしたので判定は「〇」、日東紡は「中立」の予想でしたので判定は「×」でした。

この3銘柄で最も期待していたのが、アイモバイルでしたが、最も上昇したのは東京産業でしたね。

今後の株価の動向ですが、

アイモバイルは、7月末の配当権利落ちで株価を下げましたが、直近では、株価を戻しつつあります。直近の高値(9/10:1,635円)を上抜けてくれば、もう一段高が期待できそうです。

日東紡は、8/20を底にして、上昇トレンドを継続中です。どこまで上昇していくか楽しみですね。

東京産業は、売出価格等決定日(7/13)以降、上昇トレンド継続中です。今月(9月)末の配当落ちまでは下げそうにありません。

参考になればうれしいです✨

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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