きよりん堅実投資

【立会外分売は買いか?】エコム(6225) <2026年9月実施>

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、名証メインから機械業種のエコムです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

【PR】手数料無料でワン株買付!マネックス証券

新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大500株まで購入できます。

早ければ、9/24(木)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定期間2026年9月25日(金)~ 29日(火)
分売数量30,000 株
(発行済み株式総数 1,920,000
株の約1.56%
分売値段(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
申込上限数量500 株
表1:エコム(6225) 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約1.56%ほどほどの数量(※1)です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ない、としています。

また、この銘柄の流動性は、直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は9.4百株、25日平均は4.3百株(9/11時点)で、流動性は極端に低い水準です。

そして、今回の分売数量(300百株)は、1日の出来高(25日平均:4.3百株)の約70倍で、この銘柄の平均的な出来高からすると分売数量は多めといえます。

【過去の立会外分売結果】

ご参考までに、この会社は、昨年と一昨年の12月にも立会外分売を実施しており、その時の分売値段と分売日以降の株価の動きは、表2のようになっています。

(※売買手数料は考慮していません。)

分売日分売
株数
[万株]
分売
値段
[円]
ディス
カウント

[%]
分売日
始値
[円]
(騰落率

[%])
分売日
終値
[円]
(同)
1週間後の
始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
2024/
12/20
1,2472.961,273
(+2.1)
1,255
(+0.6)
1,250
(12/27)
+3
(+0.2)
2025/
12/19
1,7662.971,780
(+0.8)
1,796
(+1.7)
1,802
(12/26)
+36
(+2.0)
表2:エコム 過去の分売値段とその後の株価

分売値段で購入し、分売日の寄付や大引分売日1週間後の寄付で売却した場合の騰落率+0.2+2.1%でした。

その時の地合いの良し悪しも影響してくるとは思いますが、ご参考まで。

【参考記事】

(前回(2025年12月実施)の分売):【立会外分売は買いか?】エコム(6225) <2025年12月実施>

(前回予想の振り返り):【2025年第4四半期 立会外分売】騰落率ランキング✨

(前々回(2024年12月実施)の分売):【立会外分売は買いか?】エコム(6225)

(前々回予想の振り返り):【2024年12月 立会外分売】騰落率ランキング✨

どんな会社?

1985年、工業用ガスバーナのメンテナンスを祖業に、

乾燥炉、焼成炉などの工業炉の設計から稼働後の保守サービスまで全工程を一貫して行う、「熱技術総合エンジニアリング企業」です。

エコムという社名Ecology(環境) & Combustion(燃焼)から派生する造語で、

「熱のスペシャリスト集団」として、工場の省エネルギー化を実現「加熱技術とDXで環境問題に取り組む企業」を企業目標に掲げています。

事業内容は、①ヒートトライアル(※2)による熱設備の最適条件を顧客へ提案しオーダーメイド型の加熱設備の設計・製造・販売を行う産業システム事業と、

②自社製作品であるかを問わず幅広くメンテナンスを手掛ける保守サービス事業で構成されています。

※2:ヒートトライアル

製造業や研究開発の現場で、部品や素材に対して最適な熱処理条件を見つけるために行われる試験

2026年7月期のセグメント別売上高構成比は、

となっており、「産業システム事業」が6割を占めています。

直近の経営概況

【2026年7月期通期(2025年8月~2026年7月)の経営成績】

(2026年9月11日発表:日本基準(非連結))

決算期売上高
[百万円]
(前期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
当期
純利益
[百万円]
(同)
2025年7月期
通期実績(非連結)
2,639
(7.1)
374
(20.1)
376
(23.8)
262
(24.5)
2026年7月期
通期実績(非連結)
2,664
(0.9)
524
(40.2)
530
(41.0)
353
(34.8)
2027年7月期
通期会社予想
(連結)
3,000
(12.6)
540
(3.0)
558
(5.2)
362
(2.8)
表3:エコム 2026年7月期通期経営成績と2027年7月期連結通期予想

表3の通り、前期比 増収増益で、売上高は微増利益面は3割強~4割強増で着地しました。

今期(2027年7月期)通期の業績は、今期より株式会社ゴダイエンジニアリング(乾燥機の総合メーカー)を子会社化連結決算に移行するため、単純比較はできませんが、

前期比 増収増益で、売上高は1割強増利益面は微増~1割弱増を予想しています。

【2026年7月期通期の状況、経営成績の要因】

当事業年度における我が国経済は、高水準な企業収益に支えられた雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。

一方で、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格や原材料価格の上昇などが、景気の下押し要因として懸念されており、先行きは依然として不透明な状況が続いています。

また国内では、生産性向上を目的とした設備投資需要に加え、カーボンニュートラルの実現に向けた省エネルギー設備や熱エネルギー効率改善への投資需要が拡大しました。

このような状況の中、同社は、半導体製造関連分野をはじめとする幅広い業界へ販路を拡大するとともに、

好調な受注環境を背景に、保守サービス事業が堅調に推移した結果、当事業年度の経営成績は、表3の数値の前期比 増収増益となりました。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表4の結果になりました。

主力の「産業システム事業」前期比 減収増益

「保守サービス事業」増収増益となっています。

セグメント売上高
[百万円]
(前年
同期比
増減率
[%])
セグメント
利益
[百万円]

(同)
産業システム1,605
(△0.4)
416
(44.5)
保守サービス1,058
(3.0)
280
(8.2)
表4:2026年7月期通期  セグメント別業績

各セグメントの状況は以下です。

産業システム事業

自動車関連分野の設備投資には一部慎重な動きがみられたものの、AI関連投資の拡大を受けた半導体製造関連設備の需要を取り込むとともに、幅広い業種への販路拡大にも努めました。

また、ヒートトライアルを経由した高付加価値なオーダーメイド製品の受注に注力しました。

保守サービス事業

メンテナンスサービスの需要が堅調に推移したことに加え、協業先とのアライアンスによる営業活動の効果もあり、順調に受注が拡大しました。

また、ストック型ビジネスとして継続的で安定した収益を確保したことから、売上高及びセグメント利益は着実に増加しています。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2026年7月期末時点で86.1%と前期末(81.0%)から5.1ポイント増加しました。

主な負債と純資産の、前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

自己資本比率の数値としては良好なレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2026年7月期通期のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

 ※3 フリーCFの説明:

前期(2025年7月期)通期のフリーCF(495百万円の収入)から525百万円減少しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

【今期(2027年7月期)通期業績の見通し】

物価上昇による実質購買力の低下や、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりに伴う原材料価格の上昇などにより、景気の先行きは依然として不透明です。

しかしながら、AIやデータセンター向けの半導体製造関連の設備需要は依然として高い水準にあり、人手不足による省人化設備への投資拡大も期待されています。

また、政府が宣言する「カーボンニュートラル」への取り組みを各企業が加速させており、CO2排出量削減を実現するための生産設備の更新改造工事への投資需要が今後さらに高まっていくことが見込まれています。

同社におきましては、カーボンニュートラルに対応したオーダーメイド型製品や省エネ改造工事の提案強化アライアンス効果を活かした販路拡大を継続し、業績の拡大に努めていく方針です。

また、2026年8月1日付で子会社化した株式会社ゴダイエンジニアリングとの連携を強化し、両社の技術力や顧客基盤を活用したクロスセルの推進により、

新たな販路の開拓及び事業領域の拡大を進めることで、グループ全体の企業価値向上に取り組んでいく方針です。

以上により、今期の業績は、表3の数値の前期比 増収増益を見込んでいます。

株価指標と動向

【2026/9/11(金)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、中外炉工業(1964) 10.5倍、三浦工業(6005) 12倍、テスホールディングス(5074) 22.9倍と比較すると中間的な水準です。

配当利回りは1.76%で、東証スタンダードの単純平均2.50%(9/11時点) と比較すると低い水準です。

表5のように、直近5年間の配当金年間1株あたり5~32円で推移しており、連続増配を継続中です。

配当性向は、数%~20%台です。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2022年7月期8.7
2023年7月期2516.0
2024年7月期2824.2
2025年7月期3222.2
2026年7月期3618.6
表5:エコム 年間配当金推移

この会社は、

剰余金の配当は、将来の事業展開と財務体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続していくことを基本方針としています。

なお、2031年までは累進配当を実施するとしています。

期末配当の年1回を基本的な方針としています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2024年9月に安値(1,049円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、

2026年9月に実質上場来高値(2,300円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

今年6月末に安値(1,980円)をつけた後は、2,000~2,100円程度のレンジ内で推移し、9月初旬に一瞬急騰し上場来高値(2,300円)をつけています。

しかしその後は続かず、元の値に戻っています。

そして、今回の立会外分売発表翌営業日(9/14)以降の株価は、分売による短期的な需給悪化懸念により、軟調な展開が予想されますが、

直近の安値(1,980円)を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性
分売数量⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

モバイルバージョンを終了