直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、1/25(火)に分売が実施されたシー・エス・ランバー、 2/16(水)のフォースタートアップス、2/17(木)のかどや製油です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減[円]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
シー・エス・ランバー (7808) | 1/25 (火) | 3,032 | 2.51 | 3,160 (+128) | 2,920 (-112) | 2,911 (2/1) | -121 (-4.0) |
フォースタートアップス (7089) | 2/16 (水) | 2,467 | 2.99 | 2,393 (-74) | 2,343 (-124) | 2,150 (2/24) | -317 (-12.8) |
かどや製油 (2612) | 2/17 (木) | 3,497 | 3.00 | 3,505 (+8) | 3,530 (+33) | 3,575 (2/25) | +78 (+2.2) |
分売日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
かどや製油は、どの時点で売却しても損益プラス、
フォースタートアップスは、どの時点で売却しても損益マイナス、
シー・エス・ランバーは、分売日の寄付で売却した場合は損益プラスでしたが、それ以外は損益マイナスでした。
かどや製油を分売で購入された方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:シー・エス・ランバー(7808)
この会社の2022年5月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上は6割弱増収、利益面は3倍以上の増益で好調でした。
通期予想は、住宅の購入意欲は強く、「ウッドショック」の長期化により木材価格の高止まり傾向は続くと予想しており、主力のプレカット事業におけるセグメント利益の伸長が見込まれるため、2Q決算発表と同時に、利益面を3~5割程度上方修正していました。
この通期予想に対する進捗率は、売上高と純利益を除く利益面は5割程度でそこそこだが、純利益は6割を超えており順調でした。
株主還元は、配当は年利回り 2.4%(1/14時点) で、東証ジャスダックの単純平均1.77%と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、2020年5月期と2021年5月期は金額が同じですが、それ以外は年々増配していました。
株価モメンタムは、一昨年のコロナショック時の安値から、上昇トレンドで長い間徐々に上昇し、昨年10月に急騰して上場来高値(4,000円)をつけ、その後は調整していましたが、13週移動平均線は上向きでその上に株価はあり、上昇基調を維持していました。
直近の株価は、昨年12月初旬に底をつけた後は上昇に転じてきており、25日移動平均線や75日移動平均線の上をキープできるかどうかが分かれ目と見ていましたが、
日経平均の地合いが悪かったこともあり、結局、両方の移動平均線を下抜けてしまいましたね。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】シー・エス・ランバー(7808)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、翌営業日は通期業績の上方修正の好材料が上回り、前日比 550円高(+16.5%)しましたので期待を持ったのですが、
翌日以降は続かず、分売日(1/25)以降数日は下落基調で推移しました。
2月に入ってからも少しづつですが、安値切り下げの下落トレンドで推移しています。
要因分析:フォースタートアップス(7089)
この会社の2022年3月期3Qの業績は、前年同期比のデータがなく比較できませんでしたが、
3Q決算発表時に通期業績予想を、コロナ禍においてDX化が加速しており、、環境変化に対応するための革新的なサービスを提供するスタートアップ企業からの求人需要は引き続き拡大傾向にあるため、売上高は微増ですが、利益面は3~4割程度上方修正しており、
2022年3月期通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で売上高、利益面ともに、3/4程度に達していて順調でした。
株主還元は、配当は創立以来無配となっており、寂しいのですが、
この会社は、現在成長過程にあり、経営基盤の長期安定化に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を目指すため、内部留保の充実が重要であると考えていましたので、致し方ない面もありました。
株価モメンタムは、2021年11月に、上場来高値(6,610円)をつけた後は、株価は大きく調整し、高値の半値ほどに落ち込んでいました。
直近の株価も、上場来高値の後の調整が続きましたが、
今回の立会外分売の発表の翌営業日(2/9)は、大きめの陽線をつけて前日比プラスで終了し、その後の株価に期待を持たせました。
しかし、下落トレンドには逆らえず、下落は継続して推移しましたね。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】フォースタートアップス(7808)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、翌営業日以降、地合いが悪いこともあり、分売日の1週間後も下落トレンドが継続しています。
要因分析:かどや製油(2612)
この会社の2022年3月期3Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は1~3割程度の増益となっており好調でした。
2022年3月期通期予想は、今3Q決算発表と同時に、各種拡販施策の抑制と併せて生産、物流分野における効率化プロジェクトの推進等の経営努力の結果、利益面は当初予想を上回る見込みとなり上方修正し、前期比で売上高は微増、利益面は1~2割の増益を予想しており、
上方修正後の2022年3月期通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は3/4程度、利益面は9割以上に達しており、さらに上ぶれそうな勢いがありました。
株主還元は、配当金は業績の上方修正に合わせて年間 80円予想から20円増配され、100円に修正、
配当金の年利回りは2.6%(2/10時点) で、東証1部の単純平均2.12%と比較すると高い水準でした。
また、株主優待があり、3月末に100株以上保有の株主に、自社製品の特製「ごま製品詰合せセット」1,500円相当(1,000株以上は3,500円相当)が贈呈され、
100株保有の場合、配当金+株主優待(1,500円相当)の年利回りは2.9%となり、個人投資家にはうれしい内容でしたね。
株価モメンタムは、昨年3月に高値(4,545円)をつけた後は調整し、3,900~4,300円のレンジで推移していました。
直近の株価は、12月に高値(4,160円)をつけた後は調整し、
今回の立会外分売の発表の翌営業日(2/9)は、大きめの陽線でしたが、通期業績の上方修正は立会外分売の需給悪化を上回らず、結局前日比 120円安(-3.0%)で終了しました。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】かどや製油(2612)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、分売日(2/17)までは下落トレンドで推移しましたが、
分売日は終始、分売値段(3,479円)を下回らずに、分売日以降は5日移動平均線(緑線)を上回って上昇に転じています。
まとめ
シー・エス・ランバー(7808) 、フォースタートアップス(7089)、かどや製油(2612)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
シー・エス・ランバー | 中立 | -121 (-4.0) | × |
フォースタートアップス | 中立 | -317 (-12.8) | × |
かどや製油 | 中立 | +78 (+2.2) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は1勝2敗、勝率0.333の結果でした。反省ですm(_ _”m)
どの銘柄も、地合いがあまり良くない中、
かどや製油は、分売日以前に売られ過ぎていたこともあり、分売日以降は上昇に転じましたね。
シー・エス・ランバーは分売発表の翌営業日に大きく株価を上げてしまい、その反動で、その後の下げがきつかったですね。
フォースタートアップスは、元々下落トレンドのうえ、地合いも悪かったということで、下落トレンドが継続してしまいました。
今後の株価動向ですが、
シー・エス・ランバーは、直近では株価下落が緩やかになってきており、地合いにもよるとは思いますが、上昇に転じてきそうな気配があります。
フォースタートアップスは、他のマザーズ銘柄と同様、株価は下落が続いていますが、悪材料出尽くしで上昇に転じてくることに期待です。
かどや製油は、直近の株価下落を取り戻すかのように上昇しており、3月末の株主優待の権利取りに向けて、もう一段上昇してもおかしくないと考えます。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。