こんにちは!
直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?
受渡期日当日と受渡期日1週間後の結果を検証しました。
今回は、受渡期日が2021/12/21(火)の福井コンピュータホールディングス、アイホン、12/22(水)のマーキュリアホールディングスです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
発行価格とその後の株価推移
まずは、発行(売出)価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!
受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
アイホンは全ての段階で損益プラス、
マーキュリアホールディングスは損益マイナス、
福井コンピュータは、受渡日の寄付と1週間後の寄付で売却した場合は損益プラス、受渡日の大引で売却した場合は損益マイナスの結果でした。
アイホンは、受渡日1週間後の寄付で売却した場合は7.2%もの利益が出ています。POで購入された方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:福井コンピュータホールディングス(9790)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上は1割弱増、利益面は2割程度の増益となっており好調でした。
また、各セグメント(「建築システム事業」「測量土木システム事業」「ITソリューション事業」)満遍なく増収増益であったため穴がない印象でした。
2022年3月期通期業績予想に対する進捗率も、売上高、利益面ともには5割を超えており順調でした。
株主還元は、配当金の年利回りは1.4% (12/9時点) で、東証1部の単純平均1.93%(12/8時点)と比較すると少し低い水準でしたが、
直近5年間の配当金は連続増配しており、かつ配当性向は30%前後と安定していたため安心感がありましたね。
株価モメンタムは、9月下旬につけた高値(4,575円)から下落トレンドで推移しており、今回のPO発表の翌営業日(12/7)は始値こそ大きく下がりましたが、
その後、値を戻して大きな陽線をつけ前日比 320円安(-8.4%)で終了し、上昇の余地が残っていると判断していました。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】福井コンピュータホールディングス(9790)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表以降の株価は、 PO発表の翌営業日に大陽線をつけましたので、その後は上昇していくのかと思いきや、横ばいの値動きが続き、
そして、売出価格等決定日(12/14)以降は下落しましたが、受渡日(12/21)までは何とか売出価格を割り込まなかったというところです。
受渡日以降は上昇に転じて1週間程度は上昇しましたが、現時点(1/14)では、25日移動平均線(赤線)を回復せず、下落トレンド継続中です。
要因分析:アイホン(6718)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上は2割強増、利益面は2~3倍の増益となっており好調でした。
特に、主力の日本での販売において、集合住宅の分譲マンション、賃貸マンションともに販売が好調に推移し、売上は前年同期から大幅に増加していました。
2022年3月期通期予想は、前期比で売上高は1割増、利益面は4割増の増収増益を予想しており、それに対する進捗率は、売上高は5割そこそこで、利益面は6割を超えており順調でした。
株主還元は、配当金の年利回りは4.4% (12/10時点) で、東証1部の単純平均1.94%(12/9時点) と比較すると2倍以上の高い水準にあり、
直近5年間の配当金はほぼ連続増配しており、かつ配当性向は30%前後と安定し、
会社の方針も原則として1株当たり年間基本配当金50円を念頭に、連結配当性向35%を目処とした配当を行うこととしており、株主にとっては安心材料でしたね。
PER(株価収益率)は、12/10時点で7.9倍と同業他社と比較し低めで、割安感がありました。
株価モメンタムは、直近は、今期の通期業績の上方修正発表の翌営業日(9/22)に上場来高値(2,646円)をつけた後は、下落基調で推移しており、
今回のPO発表の翌営業日(12/7)は、出来高を伴い前日比 206円(-9.2%)下げましたので下落トレンドが継続していましたので、この点は懸念材料でした。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】アイホン(6718)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表以降の株価は、売出価格等決定日の2営業日前までは下落が続いたのですが、その後は上昇に転じて、現時点(1/14)まで上昇基調で推移しています。
今後は、75日移動平均線(青線)を上抜け、上昇トレンドを決定づけるのか、上昇が失速するのか要注目です。
要因分析:マーキュリアホールディングス(7347)
この会社の2021年12月期3Qの業績は、2021年7月に設立されたため前期比と単純比較はできませんが、
前身の株式会社マーキュリアインベストメントの2020年12月期3Qの業績と比較すると、営業収益は18.5%の減少、経常利益は43.6%増加、純利益は63.3%増加と減収増益の結果でした。
今3Qの決算発表と同時に通期業績予想を、前回予想から、営業収益は1割弱増額、利益面は2割増額の上方修正をしており、
その予想数値に対する進捗率は、営業収益は3/4程度、利益面は8割以上に達していて順調でした。
株主還元は、配当は年利回り 2.8% (12/7時点) で、東証1部の単純平均1.99%(12/6時点) と比較すると少し高い水準でしたね。
株価モメンタムは、9/29に高値(797円)をつけた後は、下落基調で推移しており、
今回のPO発表の翌営業日(12/7)は、1株利益の希薄化懸念からか窓を開けて売られ、前日比 27円安(-3.7%)で下落トレンドが継続しましたね。
結局、業績はそれほど好調でもなく、株価は下落トレンドだったのと、今回の公募増資の株数が、発行済み株式総数の約18.1%(OAを含めた最大の株数を含めると約20.8%)と、直近の公募増資のみのPOと比較すると多めの数量でしたので、
なかなか上昇に転換というところまではいかなかったようです。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】マーキュリアホールディングス(7347)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表後の株価は、その翌営業日(12/7)から下落が加速し、発行価格等決定日(12/14)以降も下落が継続しました。
そして、受渡日(12/22)に底を打ちましたが、結局、受渡日以降は発行価格(600円)は一度も越えられずに推移し、現時点(1/13)まではもみ合いの展開が続いています。
まとめ
福井コンピュータホールディングス(9790) 、アイホン(6718)、マーキュリアホールディングス(7347)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「発行価格」) [円](%) | 判定 |
福井コンピュータ ホールディングス | 買い | +58 (+1.8) | × |
アイホン | 買い | +142 (+7.2) | 〇 |
マーキュリア ホールディングス | 中立 | -40 (-6.7) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は1勝2敗、勝率0.333の結果でした。反省ですm(_ _”m)
特にアイホンは、直近のバリュー株(低PER、低PBR、高配当)が買われる流れに合致しているだけあって、急ではありませんが徐々に株価を上げていて底堅いですね。
福井コンピュータは、PO発表後の株価下落のダメージ(前日比 -8.4%下落)を回復しきれなかったようです。
今後の株価動向ですが、
福井コンピュータは、業績は悪くはないのですが、POをきっかけに株価の下げが加速してきた感があります。
今後の株価回復に期待です。
アイホンは、現状の上昇トレンドが底堅く、今後も徐々に株価は上昇してくるものと予想しています。
75日移動平均線を上抜けてくれば、上昇の勢いが加速しそうです。
マーキュリアホールディングスは、受渡日以降はもみ合いが続いています。
このもみ合いを上抜けるのか下抜けるのか要注目です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。