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【公募増資・売出(PO)は買いか?】WOLVES HAND(194A)

こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証グロースからサービス業種のWOLVES HANDです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

今回のPOは、大株主(J-STARファンド、同社代表取締役 北井氏)からの株式の売出しです。売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「売出価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、ゆうちょ銀行(6178) 2.08%、デンソー(3387) 3.02%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではARCHION(543A)の14.47%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は野村證券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、9/9(水)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2026年9月9日(水)から14日(月)までの間のいずれかの日
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
売出価格等決定日の5営業日後の日
①株式売出し
(引受人の買取引受によるる国内売出し及び海外売出し)
数量
普通株式 2,653,600 株
発行済み株式総数(普通株式) 7,974,000 株 の約33.3%
②株式の売出し(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 398,000 株(上限の数量)
野村證券が売出す。
売出価格(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
主幹事野村證券
表1:WOLVES HAND(194A) PO概要

【株式売出しの目的】

としています。

【株式の売出し数量/流動性】

今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大約38.3%(OAを含む)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)は、リガク・ホールディングス 15.0%、ARCHION 35.1%、ロゴスホールディングス 41.0%でしたので、それらと比較すると大規模の売出しです。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は529百株、25日平均は488百株(9/3時点)で、流動性は低い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

【自己株式の取得】

今回のPO発表時に自己株式の取得を発表しています。

内容は表2です。

取得期間2026年10月13日から2027年10月12日まで
取得株式の総数普通株式 10 万株
発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 1.32%
取得価額の総額300 百万円(上限)
※取得株数の上限で割ると1株あたり3,000 円換算
取得方法東京証券取引所における市場買付け
表2:WOLVES HAND(194A) 自己株式の取得の概要

(自己株式の取得を行う理由)

としています。

この自社株買いにより、今回の株式の売出数量最大約305万株)に対し、そのうちの最大約3.3%を市場で買い入れて一時的な需給悪化の緩和を図っているといえます。

どんな会社?

高難易度症例までに対応したその技術と獣医レベルは海外からも賞賛され、

関東・関西・九州・沖縄エリアで展開する日本最大の動物病院グループです。

事業内容は、動物病院及びペットサロンの運営動物病院向けソフトウエアの提供獣医療教育セミナーの配信及び医療用機械器具の製造・販売を主な事業としています。

同社は、「動物病院事業」の単一セグメントです。

直近の経営概況

【2026年6月期通期(2025年7月~2026年6月)の経営成績】

(日本基準(連結):2026年8月13日発表)

決算期売上高
[百万円]
(前期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主に
帰属する
当期純利益

[百万円]
(同)
2025年6月期
通期実績
5,463
(9.5)
909
(9.9)
908
(13.4)
593
(6.2)
2026年6月期
通期実績
6,155
(12.7)
1,127
(23.9)
1,131
(24.6)
939
(58.4)
2027年6月期
通期会社予想
7,535
(22.4)
1,569
(39.3)
1,569
(38.7)
1,005
(7.0)
表3:WOLVES HAND(194A) 2026年6月期通期経営成績と2027年6月期通期会社予想

表3の通り、前期比 増収増益で、売上高は1割強増利益面は2割強~6割弱増で着地しました。

今期(2027年6月期)通期の業績予想は、前期比 増収増益で、売上高2割強増利益面は1割弱~4割増を見込んでいます。

【2026年6月期の状況、経営成績の要因】

売上高は、既存病院のオーガニック成長による増収、前期にM&Aを実施した㈱バハティーの通期寄与、及び2026/6期にM&Aを実施した飛鳥メディカル㈱、㈱See、カルテック㈱の寄与により増収となりました。

営業利益は、グループ経営による事業効率化やコストシナジー、収益性向上の為の診療価格の見直し医療設備の拡充等の施策効果が早期に顕在化した結果、

㈱SeeのM&Aに伴う一時的な費用43百万円人件費の上昇をカバー増益となりました。

また、カルテック㈱のM&Aに伴う負ののれん発生益227百万円を特別利益で計上しています。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2026年6月期末時点で54.7%と前期末(44.9%)から9.8ポイント上昇しています。

主な負債と純資産の、前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2026年6月期累計のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

 ※1 フリーCFの説明:

前期(2025年6月期累計)のフリーCF(559百万円の収入)から132百万円減少しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円)

投資活動によるCFの主な内訳(百万円)

【今期(2027年6月期通期)業績の見通し】

今期の業績は売上高+22.4%営業利益+39.3%経常利益+38.7%前期比 増収増益を見込んでいます。

各事業の増収分及び確定しているM&Aのみを想定しており、新規M&Aや新規開院は実施時期の不確実性があることから予測には織り込んでいません

継続して経費の削減の実施及び利益率が高い動物病院ネットワーク事業以外の事業の規模拡大により営業利益増加を見込んでいます。

株価指標と動向

【2026/9/3(木)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、日本動物高度医療(6039) 14.2倍、エコートレーディング(7427) 6.9倍、アニコムホールディングス(8715) 24.0倍と比較すると、中間的な水準です。

配当利回り1.46%で、東証グロースの単純平均0.95%(9/2時点) と比較するとやや高い水準です。

表4のように、直近5年間の配当金無配でしたが、今期(2027年6月期)は初配を予定しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2022年6月期
2023年6月期
2024年6月期
2025年6月期
2026年6月期
表4:WOLVES HAND(194A) 年間配当金推移

この会社は、

2024年6月の上場以降の増収増益により、安定的な利益とキャッシュ・フローを獲得できており、自己資本比率についても50%を超え健全な財務基盤を確保できる体制が整備されています。

また、2026年6月期において医療衛生機器事業等の動物病院ネットワーク以外の事業基盤の整備が進捗し、One Healthプラットフォームの構築により今期以降に継続的な多層化収益の実現が見込まれることから、

企業価値向上を目指した成長投資を行いつつ株主への安定的・継続的な利益還元の実施が可能となったと判断し、2027年6月期より配当性向20%を基準として剰余金の配当を実施するとしています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2025年4月に安値(554円)をつけた後は、しばらく800円前後で推移していましたが、

その後は同年8月以降に急上昇し、11月に上場来高値(2,900円)をつけました。

しかしその後は調整しており、1,200~2,100円程度のレンジ内で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

今年6月下旬に年初来安値(1,173円)をつけるまでは下落基調で推移していましたが、

その後は高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、8月中旬に高値(2,160円)をつけました。

そしてそれ以降は調整しており、今回のPOと自社株買い発表の翌営業日(9/3)は、POによる短期的な需給悪化懸念により、窓を開けて出来高を伴い前日比 301円安(-14.5%)と急落しました。

今後の株価は、この日つけた安値(1,733円)や節目の1,700円程度を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、

割り込んで下値模索を継続するのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・売出株数】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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