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【公募増資・売出(PO)は買いか?】サイプレス・ホールディングス(428A)

こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードから小売業種のサイプレス・ホールディングスです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」と「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

今回のPOは、大株主(丸の内キャピタル第二号投資事業有限責任組合、Marunouchi Global Fund Ⅱ L.P)からの株式の売出しです。売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「売出価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、ゆうちょ銀行(6178) 2.08%、デンソー(3387) 3.02%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではARCHION(543A)の14.47%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回はSBI証券、SMBC日興証券、みずほ証券、岡三証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、11/11(水)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2026年11月11日(水)から 16日(月)までの間のいずれかの日
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2026年11月18日(水)から 24日(火)までの間のいずれかの日。
ただし、売出価格等決定日の5営業日後の日
①株式の売出し
(引受人の買取引受による売出し)
数量
普通株式 1,845,400 株
※発行済み株式総数 12,800,200 株 の約14.4%
②株式の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 276,800 株(上限の数量)
※SBI証券が売出す。
売出価格(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
主幹事SBI証券、SMBC日興証券、みずほ証券、岡三証券
表1:サイプレス・ホールディングス(428A) PO概要

【株式売出しの目的】

としています。

また、今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大約16.6%(OAを含む)で、

直近の株式の売出を含むPOの売出株数比率(OAを含む)は、ソデック 12.0%、CKD 6.05%、井関農機 6.76%、でしたので、それらと比較すると大規模の売出しです。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株数)の5日平均は430百株、25日平均は411百株(11/5時点)で、流動性は低い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

【自己株式の取得】

今回のPO発表時に自己株式の取得を発表しています。

内容は表2です。

取得期間今回の売出しに係る売出しの受渡期日の翌営業日から
2027 年2月28日(日)まで
取得株式の総数普通株式 187,500 株
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 1.46%)
取得価額の総額3 億円(上限)
※取得株数の上限で割ると1株あたり1,600 円換算
取得方法東京証券取引所における市場買付け
表2:サイプレス・HD(428A) 自己株式の取得の概要

(自己株式の取得を行う理由)

としています。

この自社株買いにより、今回の株式の売出数量(最大約212万株)に対し、そのうちの最大約1割弱を市場で買い入れて、一時的な需給悪化の緩和を図っているといえます。

どんな会社?

「外食企業としてより多くの人々に信頼され、地域に必要とされる店舗を創造し、社会に貢献する」というコンセプトのもと、

「食の喜びをすべての人へ、特別ではなく、毎日食べる食事に感動や喜びを提供出来る事を目指す」を企業理念として、

主力ブランド「築地食堂源ちゃん」の海鮮系の和食業態を基軸に、マルチブランド戦略を推進し、

主に自社開発ブランドを東京23区内を中心に東北から九州にかけ計36ブランド、137店舗の直営店舗(2026年8月末時点)を展開している会社です。

同社グループは飲食事業の単一セグメントです。

直近の経営概況

【2026年8月期通期(2025年9月~2026年8月)の経営成績】

(2026年10月7日発表:国際基準(IFRS:連結))

決算期売上
収益
[億円]
(前期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
税引前
利益
[百万円]
(同)
親会社の
所有者に
帰属する

当期利益
[百万円]
(同)
2025年8月期
通期実績
112
(10.1)
765
(72.2)
647
(116)
436
(157)
2026年8月期
通期実績
128
(14.1)
851
(11.2)
738
(14.1)
767
(75.8)
2027年8月期
通期会社予想
150
(16.5)
1,130
(32.8)
1,030
(39.6)
740
(△3.5)
表3:サイプレス・HD(428A) 2026年8月期通期経営成績と2027年8月期連結通期予想

表3の通り、前期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は1割強~8割弱増で着地しました。

今期(2027年8月期)通期の業績は、前期比 増収増益で、売上高は2割弱増、利益面は営業利益と税引前利益は3~4割増ですが、親会社の所有者に帰属する当期利益は微減を予想しています。

【2026年8月期通期の状況、経営成績の要因】

当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や個人消費の持ち直し傾向が見られたものの、中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まり等により、依然として先行き不透明な状況が続きました。

このような環境のもと、同社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、積極的な事業展開を進めました。

まず既存店売上高は、実施した価格改定(値上げ)が浸透したことで前年同期比2.1%増と順調に推移し、当初の予算を上回る結果となりました。

また成長基盤の拡大に向けた出店加速を最重要施策として推進した結果、期初予算として掲げた10店舗の計画に対し、18店舗の出店を実施しており、大幅な前倒しを達成しました。

当連結会計年度末の店舗数は137店舗と期首の126店舗から11店舗増加しています。

同時に従来の出店領域を広げ、新たな客層の開拓およびブランド認知度の向上を図るため、同社として初となるロードサイド立地への出店を行いました。

さらに同社はこれまで海鮮領域を強みとした事業展開を中心に行ってきましたが、収益基盤のさらなる安定化と新たな顧客層の獲得に向け、ビジネスモデルの多角化を進めています。

特に焼鳥のテイクアウト専門店である「銀座惣菜店」ブランドの出店が順調に拡大しており、新たな成長エンジンとして当該ブランドのフランチャイズ(FC)展開にも着手し、第一号加盟企業との契約締結を完了しています。

従来の海鮮メインの事業構造から、中食を含めた総合的なフードサービス企業への変革が着実に進捗しています。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、表3の数値の前期比 増収増益となりました。

【財政面の状況】

<自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100)

2026年8月期末時点で24.6%と前期末(20.3%)から4.3ポイント上昇しました。

負債及び純資産の、主な前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

自己資本比率の数値としては危険水域に近いレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

<キャッシュ・フロー>2026年8月期通期のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

 ※1 フリーCFの説明:

前期(2025年8月期)通期累計のフリーCF(818百万円の収入)から212百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

【今期(2027年8月期)通期業績の見通し】

同社グループは2026年8月19日に公表した中期経営計画「BEYOND THE STANDARD」のもとで、30店舗の新規出店やフランチャイズ事業の展開を目指すとともに、

DX投資の加速等各施策により既存店を強化し、成長を加速していく方針です。

これらを踏まえ、新中期経営計画初年度となる2027年8月期の業績は、表3の数値の前期比 増収増益(親会社の所有者に帰属する当期利益は減益)を見込んでいます。

株価指標と動向

【2026/11/5(木)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、クリレスH(3387) 73.8倍、トリドール(3397) 63.6倍、大戸屋HD(2705) 55.3倍と比較すると低い水準です。

配当利回りは0.72%で、東証スタンダードの単純平均2.62%(11/4時点) と比較すると低い水準です。

表4のように、直近4年間の配当金は年間1株あたり0~10円で推移しています。

配当性向は、無配の年を除き、20%台です。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2023年8月期0ー
2024年8月期0ー
2025年8月期0ー
2026年8月期1016.6
表4:サイプレス・HD(428A) 年間配当金推移

この会社は、

中長期的かつ持続的な企業価値向上を目指しており、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施していくことを基本方針としています。

2027年8月期は、連結配当性向20%を目途として、2円増配となる1株当たり12円の期末配当を予定しています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年2月末と8月末の年2回、100株以上保有の株主は以下の保有株数に応じて、同社グループ店舗にて使用できる電子優待券が進呈されます。

100株保有の場合、配当金+株主優待(年間2,000円相当)で利回りは1.93%となります。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2025年10月に新規上場後、すぐに上場来安値(610円)をつけた後は、順調に上昇トレンドで推移し、

翌年9月に上場来高値(1,948円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

今年9月下旬に上場来高値(1,948円)をつけるまでは、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移していましたが、その後は調整しており、

そして今回のPO発表の翌営業日(11/5)は、最初はPOによる短期的な需給悪化懸念により安く始まりましたが、引けにかけて上昇し前日比 3円安(-0.18%)で終了しました。

今後の株価は、75日移動平均線(青線)や直近の安値(1,310円)を割り込まず、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・株式の売出数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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