きよりん堅実投資

【公募増資・売出(PO)は買いか?】リガク・ホールディングス(268A)

こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから精密機器業種のリガク・ホールディングスです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

【PR】手数料無料でワン株買付!マネックス証券

既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

今回のPOは、大株主(Atom Investment, L.P.)からの株式の売出しです。売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「売出価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、ゆうちょ銀行(6178) 2.08%、デンソー(3387) 3.02%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近では日本電子材料(6855)の9.9%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券、大和証券、BofA 証券、JP モルガン証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、6/1(月)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2026年6月1日(月)から3日(水)までの間のいずれかの日
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2026年6月8日(月)から10日(水)までの間のいずれかの日。
ただし、売出価格等決定日の5営業日後の日
①株式売出し(引受人の買取引受による売出し)
数量
普通株式 29,580,300 株
(内 国内売出し 7,469,100株、海外売出し 22,111,200 株)
発行済み株式総数 226,402,700 株 の約13.1%
②株式の売出し(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 4,437,000 (上限の数量)
野村證券が売出す。
売出価格(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
主幹事野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券、大和証券、BofA 証券、JP モルガン証券
表1:リガク・ホールディングス(268A) PO概要

【株式売出しの目的】

としています。

【株式の売出し数量/流動性】

今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大約15.0%(OAを含む)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)は、シークス 10.0%、大同メタル工業 13.1%、持田製薬 3.64%でしたので、それらと比較すると大規模の売出しです。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は44,426百株、25日平均は43,569百株(5/22時点)で、流動性はかなり高い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

どんな会社?

理科学機器の専門メーカーとして、1951年の創業から約75年にわたるグループの歴史を通して、国内のみならず90ヵ国を超える世界各国において、

X線回折、蛍光X線分析、X線イメージング等、X線技術を中心とした分析・計測機器の開発、製造、販売、サービス等の事業を展開している会社です。

同社は、「理科学機器の製造・販売」の単一セグメントで、

その製品カテゴリーによる区分として、「多目的分析機器事業」「半導体プロセス・コントロール機器事業」「部品・サービス事業」の3つの事業があり、それぞれ、

を行っています。

2025年12月期通期の製品カテゴリー別売上高構成比は、

となっており、「多目的分析機器事業」が最も多く4割強を占めています。

直近の経営概況

【2026年12月期1Q(2026年1月~3月)の経営成績】

(国際基準(IFRS:連結):2026年5月13日発表)

決算期売上収益
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
税引前
利益
[百万円]
(同)
親会社の
所有者に
帰属する
当期利益
[百万円]
(同)
2025年12月期
1Q累計
206
(5.5)
2,835
(△10.3)
2,741
(△9.7)
1,918
(△12.3)
2026年12月期
1Q累計
179
(△13.0)
630
(△77.8)
402
(△85.3)
329
(△82.8)
2026年12月期
通期会社予想
1,010
(7.2)
19,400
(16.1)
18,400
(15.2)
12,500
(9.6)
通期予想に対する
1Qの進捗率[%]
17.73.22.12.6
表2:リガク・ホールディングス 2026年12月期1Q経営成績と2026年12月期通期予想

表2の通り、前年同期比 減収減益で、売上高は1割強減利益面は8割強~9割弱減でした。

今期(2026年12月期)通期の業績予想は、前期比 増収増益で、売上高は1割弱増利益面は1~2割弱増を見込んでいます。

その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高は2割弱でそこそこ利益面は1割弱で遅れ気味です。

【2026年12月期1Qの状況、経営成績の要因】

当1Q連結累計期間の我が国の経済は、物価上昇や外需の伸び悩み等の影響を受けつつも、雇用・所得環境に支えられ内需を中心に緩やかな回復基調を維持しました。

世界経済AI投資を中心に底堅く推移しましたが、2月末以降、中東情勢の緊迫化により原油高や成長下振れリスクが生じてきました。

半導体市場アジア・米国が牽引し、AI需要の高まりとメモリ市場の拡大が顕著となりました。

こうした市場環境下、同社グループの1Qの売上収益及び営業利益は、対前年同期比で減少しましたが、

半導体プロセス・コントロール機器事業の牽引により、想定を上回る業績となりました。

パイプラインは2Q以降の成長に向けて順調に進捗し、足元の受注予測も堅調に推移しました。

各事業における状況は以下のとおりです。

販売費及び一般管理費に関しては、研究開発等の戦略的な投資を継続しながらも、優先順位を十分に考慮したコントロールを引き続き実施し、費用増を抑制しました。

また、同社における中東情勢の影響は現時点で軽微ですが、今後も動向を注視し、コスト増や在庫確保に向けた対応を進めていく方針です。

以上の結果、当1Q連結累計期間の業績は、表2の数値の前年同期比 減収減益となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2026年12月期1Q末時点で47.9%と前期末(47.7%)から0.2ポイント上昇しました。

負債及び純資産の、主な前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2026年12月期1Q累計のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

 ※3 フリーCFの説明:

前期(2025年12月期)1QのフリーCF(489百万円の収入)から753百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

【今期(2026年12月期)通期業績の見通し】

世界経済AI関連投資が下支えとなり安定成長が続く一方、米中関係や中東情勢の緊張等の地政学リスクや貿易政策の不透明感が下押し要因となるとしています。

日本経済賃金上昇と消費の持ち直しにより緩やかな成長を維持し、物価は落ち着いた水準で推移する見通しとしています。

このような状況下、同社グループは拡大する事業機会における需要を的確に捕捉し、中期経営計画並みの成長に回復させていく方針です。

各事業毎の計画は以下となっています。

これらの売上成長に加え、オペレーションの効率性向上により、製造キャパシティ増に伴うコスト増を吸収するとともに、

製品・サービスの付加価値を訴求し、価格政策と製品ミックスの向上を図ることで、売上総利益率を向上させる方針です。

また、中長期の成長の源泉となる研究・開発への投資を継続する一方で、その他の販管費は適切なコントロールを実施していく計画です。

こうした施策を推進していくことで、営業利益率の向上を図るとしています。

以上から、2026年12月期の業績は、表2の数値の前期比 増収増益を予想しています。

なお、今1Q決算発表時は、2026年2月13日の決算短信で公表された通期の連結業績予想に変更はありませんでした。

株価指標と動向

【2026/5/22(金)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、日本電子(6951) 15.0倍、堀場製作所(6856) 22.4倍、島津製作所(7701) 19.5倍と比較すると、高い水準です。

配当利回り0.72%で、東証プライムの単純平均2.35%(5/22時点) と比較すると低い水準です。

表3のように、直近4年間の配当金は、年間1株あたり0~18.8円で推移しています。

配当性向は、無配の年を除き5~40%弱で推移しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円)]
配当性向
[%]
2022年12月期
2023年12月期
2024年12月期5.0
2025年12月期18.837.5
表3:リガク・ホールディングス 年間配当金推移

この会社は、

中長期の経営視点から成長投資の推進と財務健全性の確保とのバランスを考慮しつつ、各期の業績に応じて株主への配当を実施していくことを、資本政策の基本的な方針としています。

配当性向は各期連結利益の30%を目処とし、その水準の維持と向上に努める一方、

内部留保資金の使途は、借入金の返済と事業基盤拡充のための設備投資資金、新規製品創出のための研究開発投資資金等に充当するほか、

M&Aをはじめ、中・長期的な視野に立った新たなる成長事業領域への展開を目指す資金として有効に活用していく方針です。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2025年4月に上場来安値(641円)をつけた後は、緩やかな上昇基調で推移しましたが、

同年の年末から急上昇していき、翌年5月に上場来高値(3,225円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、5月中旬に上場来高値(3,225円)をつけました。

しかしその後はやや調整しています。

今回のPO発表の翌営業日(5/25)以降の株価は、POによる短期的な需給悪化懸念により、軟調な展開が予想されますが、

25日移動平均線(赤線)や75日移動平均線(青線)を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・株式の売出し数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

モバイルバージョンを終了