公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。
今回は、東証J-REITのジャパンリアルエステイト投資法人です。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
- 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。 正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。 また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」と「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。 「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。
POの概要
今回のPOは、公募による新投資口の発行です。発行価格等決定日や受渡期日、発行数量等は表1のようになっています。
ディスカウント率は、「発行価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%(直近のJ-REITは2~2.5%)です。
参考までに、直近のJ-REITのPO銘柄のディスカウント率は、
- 東海道リート、MIRARTH不動産、日本リート、Oneリート:2.5%
- ジャパン・ホテル・リート: 2.0%
でした。
注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回はSMBC⽇興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券、みずほ証券)はじめ、引受人(今回は⼤和証券、野村證券)の証券会社で購入申込可能です。
早ければ、3/25(水)の夕刻に、法人側から発行価格等のお知らせが適時開示であります。このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖
| 発行価格等決定日 | 2026年3⽉25⽇(⽔)から27⽇(⾦)までの間のいずれかの⽇ |
| 受渡期日 (POで買った場合はこの日から売却可能) | 2026年4⽉2⽇(木)⼜は3⽇(金) 但し、発⾏価格等決定⽇が、3⽉25⽇(⽔)⼜は26⽇(⽊)の場合は4⽉2⽇(木)、 3月27⽇(⾦)の場合は4⽉3⽇(金)とする。 |
| ①公募による新投資口の発行 (一般募集)数量 | 161,200 口 (発行済み投資口数 7,114,320 口 の約2.26%) |
| ②投資口の売出し (オーバーアロットメントによる売出し) 数量 | 8,060 口(上限の数量) ※上記の「発行価格等決定日」に決定。 ※SMBC⽇興証券が売出す。 |
| ③第三者割当による新投資口の発行 数量 | 8,060 口(申込みがなかった口数は発行されない。) ※SMBC⽇興証券に割当 |
| 調達資金手取り概算額(上限) | 207 億円 |
| 発行価格 | (決定後記載) |
| ディスカウント率 | (決定後記載) |
| 申込単位数量 | 1 口 |
| 主幹事 | SMBC⽇興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券、みずほ証券 |
| 引受人 | ⼤和証券、野村證券 |
【新投資口発行の目的及び理由】
- 同投資法人は、2025年10⽉17⽇付で1物件(The Link Sapporo:取得価格213億円)、2026年1⽉21⽇付で1物件(神⽥橋パークビルヂング(追加取得):取得価格21億円)及び同年3⽉13⽇付で1物件(新宿イーストサイドスクエア(追加取得):取得価格203億円))を取得している。
今回の新投資⼝発⾏により調達する資⾦はPO発表と同⽇付で取得を公表したコモレ四⾕(取得予定価格155億円)の追加取得資⾦及び新宿イーストサイドスクエアの追加取得に際し借り⼊れた短期借⼊⾦(元本150 億円)の返済の⼀部に充当する。 - また、新投資⼝発⾏に伴うLTV(総資産有利⼦負債⽐率)⽔準引き下げによる借⼊余⼒拡⼤を通じて、1物件(サッポロアーチビル:取得予定価格81億円)の取得を予定している。
- これらの⼀連の取り組みがポートフォリオの中⻑期的な競争⼒向上及び外部成⻑余地の拡⼤に資すると判断し、不動産売買市場の状況、現在のLTV⽔準、J-REIT市場の動向及び分配⾦⽔準等を勘案の上、新投資⼝の発⾏を決定した。
としています。
今回の資金調達によって、オフィスビル3物件(取得予定価格 440億円)を2026年3~4月に取得予定です。
取得後のポートフォリオの合計は、78物件、取得金額は11,999億円(譲渡2物件含む)に拡大します。
今回増資される投資口数は、発行済み口数の約2.26%(第三者割当を含めると、最大約2.37%)で、
直近のオフィスビルに投資しているJ-REITの、公募増資の発行済み総口数に対する割合(第三者割当を含む)は、
MIRARTH不動産 11.2%、日本リート 3.5%、Oneリート 21.6%でしたので、それらと比較すると小規模の増資です。
また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した投資口の数量)の5日平均は17,147口、25日平均は18,903口(3/19時点)で、流動性は高い水準です。(※1日 1,000口を平均水準としています。)
【過去の公募増資結果】
ご参考までに、この投資法人は2023年4月にも公募増資を実施しており、その時の結果は表2の結果になっています。
(※売買手数料は考慮していません。)
| 受渡 期日 | 発行 価格 [円] | ディス カウント率 [%] | 受渡日 始値[円] (騰落率 [%]) | 受渡日 終値[円] (同) | 1週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
| 2023/ 4/10 | 534,100 | 2.0 | 530,000 (-0.8) | 527,000 (-1.3) | 529,000 (4/17) | -5,100 (-1.0) |
※:同投資法人は2025年1月1日付で、1/5の投資口分割を実施している。
POで購入し、受渡日の寄付と大引や1週間後の寄付で売却した場合の騰落率は-1.3~-0.8%の結果でした。
その時の地合いに良し悪しも影響してくると思いますので、ご参考まで。
【参考記事】
- 前回(2023年4月)の記事:【公募増資・売出(PO)は買いか?】ジャパンリアルエステイト投資法人(8952)
- 前回の振り返り:【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】CREロジスティクスファンド(3487)、ジャパンリアルエステート(8952)、Macbee Planet(7095)
どんな投資法人?
日本で最初に上場したJ-REITとして、日本有数の不動産会社である三菱地所のバックアップをうけている、オフィスビル特化型の大型投資法人です。
日本全国の主要都市に所在するオフィスビルに投資し、中長期的な安定運用を目指しています。
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高配当な銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
【外部成長方針】
- 取得の指針
- 用途に関するポートフォリオ構成
主としてオフィスビルに係る投資対象不動産等に集中して投資を行うことを原則としています。 - ポートフォリオの地域分散
地震リスクや賃貸マーケットの変化によるキャッシュフローの安定性が損なわれるリスク等を軽減させることを目的として、ポートフォリオの所在地域別保有割合の目安につき、以下の地域分散を考慮した運用を行っています。- 首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)に所在する物件 70%以上
- その他の地方都市(札幌・仙台・名古屋・大阪・神戸・広島・福岡等)に所在する物件 30%以下
- 投資対象物件選定の基準
- 規模
原則として延床面積 3,000㎡以上 - 耐震性
新耐震基準(1981年施行の建築基準法による耐震基準)又はそれと同等の耐震性能を備えた建物 - その他
立地条件、躯体条件、設備条件(天井高、床配線、1フロア当たりの面積、電気容量等)及び権利関係の内容に加え、ビルのESG(Environment、Social、Governance)対応を評価基準に組み込み、総合的に評価
- 規模
- 用途に関するポートフォリオ構成
- 売却の指針
中長期での運用を基本原則としており、短期間での売却を特に意図した運用は行っていません。
個々の不動産等関連資産の売却は、以下を考慮のうえ、総合的に判断しています。- 将来における収益予想
- 資産価値の増減及びその予測
- 不動産等関連資産の所在地域の将来性・安定性
- 不動産等関連資産の劣化または陳腐化リスク及びそれらに対するコスト予測
- ポートフォリオの構成
【ポートフォリオ分散状況】
物件数 78物件、取得価格 1兆1,888億円(2026年3月13日現在)、入居率 97.8%(2026年1月31日現在)
<地域別投資比率(取得価格ベース)>(2025年9月30日現在)
- 東京23区 78.6%
- 首都圏(東京23区を除く東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県) 5.8%
- 大阪市・京都市 6.6%
- 名古屋市 2.5%
- その他 6.5%
となっており、東京23区が8割弱を占めています。
<テナント業種分散(賃貸面積ベース)>(グランフロント大阪は除く)
- 情報サービス 12.8%
- サービス 11.8%
- 不動産 10.7%
- 金融 6.6%
- 小売・飲食 6.5%
- 電気機器 5.7%
- メディア・広告 4.6%
- 専門サービス(コンサルティング等) 5.5%
- 機械 4.5%
- 医薬品 3.5%
- 保険 3.4%
- 建設 3.1%
- 医療 2.2%
- 通信 1.8%
- 公務・各種団体 1.6%
- 電気・熱供給業 1.6%
- 窯業 1.4%
- その他 12.8%
となっており、「情報サービス」最も多く1割強ですが、それ以外も満遍なく分散しています。
直近の運用概況
【2025年9月期の運用状況と2026年3月期以降の見通し】
(2025年11月17日発表)
| 決算期 | 営業 収益 [億円] (前期比 増減率 [%]) | 営業 利益 [億円] (同) | 経常 利益 [億円] (同) | 当期 純利益 [億円] (同) |
| 2025年9月期 実績 | 410 (△4.2) | 192 (△7.2) | 177 (△9.5) | 178 (△5.6) |
| 2026年3月期 法人予想 | 406 (△1.0) | 191 (△1.0) | 174 (△1.9) | 176 (△0.9) |
| 2026年9月期 法人予想 (2026年3月19日 修正) | 435 (7.1) | 214 (12.0) | 193 (11.0) | 191 (8.2) |
| 2027年3月期 法人予想 (2026年3月19日 発表) | 420 (△3.4) | 201 (△6.1) | 180 (△6.9) | 183 (△4.2) |
表3のとおり、前期(2025年9月期)は、前期比 減収減益で、営業収益は微減、利益面は1割弱減でした。
今期(2026年3月期)は、前期比 減収減益で、営業収益、利益面ともに微減を予想しています。
増資後の次期(2026年9月期)は、今回のPO発表時に上方修正しており、前期比 増収増益で、営業収益は1割弱増、利益面は1割前後の増益を見込んでいます。
【2025年9月期の運用状況】
<概況>
賃貸オフィス市場は、業容拡大による拡張、立地改善を目的とした移転等の賃借ニーズが引き続き旺盛であり、東京都心部の空室率は低下を続けています。
また、賃料水準については、上昇基調が加速しています。
同投資法人においては、このような賃貸マーケット基調の中、ポートフォリオ全体の入居率の維持・向上及び収益の持続的な成長を目指し、戦略的なリーシング(テナント誘致、客付け)活動による新規テナントの誘致、及び物件の付加価値向上による既存テナントの更なる満足度向上に努めています。
不動産売買市場は、日銀が金融政策の正常化を進めているものの、海外市場との金利差等を背景に、国内外投資家の物件取得意欲は依然として高く、
優良なオフィスビルを中心とした競合状態は激しく、期待利回りも低位で推移しているため、厳しい取得環境が継続しています。
同投資法人では、このような環境において、投資主対する分配の持続的成長を目指すという運用方針の下で積極的な運用を行い、当期の1口当たり分配金は前期を24円上回る2,511円となりました。
<運用実績>
当期の賃貸オフィス市場は上記環境にあり、同投資法人では既存大口テナントの減床等の影響を受けたものの、
立地改善や業容拡大による拡張移転等の前向きな新規需要、並びに既存テナントの館内増床ニーズを捉えることで、空室の埋め戻しを図ることができました。
その結果、同投資法人の当期末の入居率は前期末比0.2ポイントの低下に留まり、97.4%となりました。
物件の取得・売却は、2025年4月1日付で、赤坂パークビル(東京都港区)の信託受益権の準共有持分16.7%を134億円で譲渡しました。
なお、本物件は本譲渡を始めとし6回に分けて譲渡する予定であり、2回目の譲渡については、2025年10月1日付にて準共有持分16.7%を134億円で譲渡しています。
上記の結果、当期末(2025年9月30日)において、同投資法人が保有する運用資産はオフィスビル77物件、取得価格の総額1兆1,576億円、総賃貸可能面積872,677㎡(約263,984坪)、テナント総数1,632となりました。
なお、2025年10月17日付で、The Link Sapporo(北海道札幌市)の信託受益権(持分割合:100%)を213億円で新規取得しました。
<資金の調達>
総資産に占める有利子負債の比率を30~40%を目安に運用することを財務上の基本方針としており、
併せて、借入コストや既存借入先とのリレーションを勘案した上で、満期の分散・デュレーションの長期化・安定借入先の多様化等により、健全かつ保守的な財務体質の維持を目指すこととしています。
物件の取得による新規借入や既存借入金のリファイナンスにあたっては、前記観点のほか新投資口発行による資金調達での返済可能性等も念頭に置き、戦略的かつ機動的な借入を実施しています。
当期は、短期借入金の弁済及び第4回投資法人債の償還を手元資金にて行ったほか、既存借入金の返済資金に充当するための借入も実施しました。
このような取り組みの結果、2025年9月30日現在の有利子負債残高は前期末比135億円減の4,611億円となり、内、長期借入金は4,032億円(1年内返済予定の長期借入金367億円を含む。)、
短期借入金は350億円、投資法人債は229億円(1年内償還予定の投資法人債100億円を含む。)となりました。
総資産に占める有利子負債の比率(LTV)は42.8%(前期末比 0.7ポイント減 )となっています。
【2026年3月期の見通し】
今後の日本経済は、賃金の上昇やインバウンド需要の増加等を背景に、国内需要の改善が見込まれ、引き続き景気回復が期待されます。
一方で、金利上昇及び物価上昇の継続が及ぼす影響については一層注視すると共に、米国の関税政策をめぐる国内外の政策動向や金融資本市場の変動等の影響に留意する必要があります。
賃貸オフィス市場は、東京都心部のオフィスビルにおいて2026年も一定の新規供給が予定されているものの、引き続き優良なオフィスビルを中心に旺盛な賃借ニーズが見込まれます。
働き方の在り方が変化しオフィスの選別が進む中で、戦略的な修繕・改修及びESG投資を推進することにより、収益の持続的成長の確保と資産価値の維持・向上を図っていく方針です。
不動産売買市場は、社会情勢の変化に伴う今後の市況動向を注視しながら、ポートフォリオの入替をより戦略的に進めていくため、引き続きスポンサーとの連携を主軸として、積極的な案件発掘を継続していく計画です。
<物件の運営管理>
上記のようなオフィスビル賃貸市況を踏まえ、継続して収益の維持・向上を図るべく、以下の方針で運営管理を行っています。
(既存テナントとの信頼関係の強化)
同投資法人は、複数の不動産管理会社に管理業務を委託しています。
不動産管理会社各社はそれぞれの物件において長年に亘る日々の管理実績を積み重ね、既にテナントとの信頼関係を築いていますが、
さらにテナントニーズの先取りやきめ細やかなサービス対応に努め、この関係を一層強固なものにすることにより、テナントの満足度を高め、入居率の維持向上や賃料の引き上げに努める方針です。
(空室の早期解消)
空室のある物件及び空室の発生が見込まれる物件は、当該物件の不動産管理会社及び仲介会社各社と協力・連携し、既存テナントの増床ニーズを掘り起こすほか、
当該物件の立地、特徴にあわせて、適切なテナント候補を絞り積極的に働きかけることで、空室の早期解消に努める方針です。
(収益の持続的成長)
大口テナントとの賃貸借契約に関しては、収益の安定化を図るべく、定期借家契約への移行や契約期間の適宜見直し等、柔軟な契約形態の採用を進めていく方針です。
(運営管理コストの削減)
運営管理コストについては、テナント満足度の維持・向上に努めながら、複数の不動産管理会社間に健全な競争原理を導入し、継続的に管理体制・コストの見直しを実施していく方針です。
<物件の取得・売却>
物件の取得は、以下の方針です。
- 物件情報の早期入手を図るべく、既存の情報ルートをさらに強固なものにし、また、新規ルートの開拓に努める。
- 物件取得にあたっては、経済的、物理的及び権利関係等の法的な調査・検討を入念に行い、物件を選別する。
特に構造については、新耐震基準に適合もしくはそれと同等以上とし、また、設備についても、エンジニアリングレポートを踏まえ現状を適切に把握し、更新の必要性も検証することにより、中長期的に競争力を維持できると想定される物件を対象とする。 - 物件の所在地域別保有割合は、同投資法人の取得の指針に則り、首都圏に所在する物件を70%以上、その他の地方都市を30%以下として運用することを目安とする。
このような方針で、競争力が高いと判断される物件を引き続き取得する一方で、一層のポートフォリオの質の向上を図るべく、資産の入替についてもタイミングをみて検討を進めていく方針です。
<財務上の指針>
財務上の指針は以下のとおりです。
- 総資産に対する借入金(投資法人債を含む。)残高の割合を、原則として65%を超えない範囲で、より低い有利子負債比率を保つよう30%~40%を目安に保守的な運用を目指す。
- 借入金と投資法人債を合わせた合計額は1兆円を上限とする。
- 借入れを行う場合、借入先は、適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家)に限るものとする。
- 流動性を適正な水準に維持する目的で、コミットメントライン契約や当座貸越契約等、事前の借入枠設定または随時の借入れの予約契約を締結することがある。
- 金融取引にあたっては、低廉な資金調達コストを実現するよう、金利水準、借入期間などの借入諸条件に対する総合的な判断により最良執行を目指す。
【2026年9月期の運用状況及び分配金予想の修正と2027年3月期の運用状況及び分配金予想】
今回の資産取得に伴い、2026年9月期の運用状況及び分配金予想の修正と2027年3月期の運用状況と分配金予想をしています。
2026年9月期の運用状況予想は、表4となっています。
| 営業 収益 [億円] | 営業 利益 [億円] | 経常 利益 [億円] | 当期 純利益 [億円] | 1 口当たり 分配金 [円] | |
| 前回(2025/11/17) 発表予想 | 411 | 193 | 175 | 178 | 2,561 |
| 今回修正予想 | 435 | 214 | 193 | 191 | 2,561 |
| 増減額 | 24.3 | 20.7 | 17.9 | 13.1 | 0 |
| 増減率[%] | 5.9 | 10.7 | 10.2 | 7.4 | 0.0 |
前回発表予想から、営業収益は1割弱、利益面は1割前後の増額をしています。
また、分配金は前回予想から変わらずで、2026年3月期比では25円増となっています。
2027年3月期の予想は、表3に記載のとおりです。
【格付けの状況】
(2025年9月30日現在)
- 日本格付研究所(JRC)
長期発行体格付「AA+」(安定的)(※AA:債務履行の確実性は非常に高い。) - 格付投資情報センター(R&I)
発行体格付「AA」(安定的)(※AA:信用力は極めて高く、優れた要素がある。)
投資口価格の動向
【2026/3/19(金)終値時点の数値】
- 投資口価格(1口当たり):127,400円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):9.00倍
- 年間分配金(法人予想):5,147円(2026年9月 2,561円、2027年3月 2,586円)、利回り:4.04%
分配金利回り(予想)は4.04%で、上場株式の利回り(東証プライムの単純平均:2.30%(3/19時点))と比較すると、高い水準で、
J-REITの平均予想利回り(4.52%(2026年2月末時点:一般社団法人 不動産証券化協会データより))と比較すると低い水準です。
直近5期の分配金は表5のようになっており、1口当たり2,443.2~2,536円(2025年1月1日付け1/5分割後換算)で推移しており、連続増配を継続中です。
| 決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
| 2024年3月期 | 2,443.2 |
| 2024年9月期 | 2,469.8 |
| 2025年3月期 | 2,487 |
| 2025年9月期 | 2,511 |
| 2026年3月期 (予想) | 2,536 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2024年8月に安値(99,800円)をつけるまでは、下落基調で推移していましたが、
その後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移しており、翌年11月に高値(136,500円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
今年1月下旬に安値(122,500円)をつけるまでは下落基調で推移していましたが、その後は上昇基調で推移し、翌月下旬に高値(132,900円)をつけました。
しかしその後は調整しています。
PO発表翌営業日(2/23)以降の株価は、POによる1口当たり利益の希薄化懸念により、軟調な展開が予想されますが、
直近の安値(122,500円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。
まとめ
【ファンダメンタルズ】
- 日本で最初に上場したJ-REITとして、日本有数の不動産会社である三菱地所のバックアップをうけている、オフィスビル特化型の大型投資法人で、
日本全国の主要都市に所在するオフィスビルに投資し、中長期的な安定運用を目指している。 - 地震リスクや賃貸マーケットの変化によるキャッシュフローの安定性が損なわれるリスク等を軽減させることを目的として、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)に所在する物件 70%以上、その他の地方都市(札幌・仙台・名古屋・大阪・神戸・広島・福岡等)に所在する物件 30%以下を目安として、地域分散を考慮した運用を行っている。
- 前期(2025年9月期)の運用実績は、前期比 減収減益で、営業収益は微減、利益面は1割弱減。
- 今期(2026年3月期)は、営業収益、利益面ともに微減を予想。
- 増資後の次期(2026年9月期)は、POによる資金調達により、新規物件(オフィスビル3物件)を取得し、今回のPO発表時に上方修正しており、前期比 増収増益で、営業収益は1割弱増、利益面は1割前後の増益を予想。
【インカムゲイン】
- 分配金利回り(予想)は 4.04%で、東証プライム上場会社の単純平均2.30%(3/19時点)と比較して高い水準で、
J-REITの平均予想利回りと比較すると低い水準。 - 直近5期の分配金は、1口当たり2,443.2~2,536円(2025年1月1日付け1/5分割後換算)で推移しており、連続増配を継続中。
- 今回の増資後の2026年9月期の分配金は、前回予想から変わらずで、前期(2026年3月期)比では25円増。翌2027年3月期は同25円増の予想。
【流動性】
- 直近の出来高の5日平均は17,147口、25日平均は18,903口(3/19時点)で流動性は高い水準。
【投資口価格モメンタム】
- 週足ベースの投資口価格は、2024年8月に安値(99,800円)をつけるまでは、下落基調で推移していたが、
その後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移しており、翌年11月に高値(136,500円)をつけている。 - 直近の投資口価格は、今年1月下旬に安値(122,500円)をつけるまでは下落基調で推移していたが、その後は上昇基調で推移し、翌月下旬に高値(132,900円)をつけた。
しかしその後は調整している。 - PO発表翌営業日(3/23)以降の投資口価格は、POによる1口当たり利益の希薄化懸念により、軟調な展開が予想されるが、
直近の安値(122,500円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか要注目。
以上をふまえ、
| レベル (最低⭐~ 最高⭐⭐⭐⭐⭐) | |
| ファンダメンタルズ | ⭐⭐⭐ |
| インカムゲイン | ⭐⭐⭐ |
| 流動性 | ⭐⭐⭐⭐ |
| 投資口価格モメンタム | ⭐⭐⭐ |
| 総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
と判断しました。
参考になればうれしいです!最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。
