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【立会外分売は買いか?】大英産業(2974) <2026年3月実施>

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、福岡証券取引所から不動産業種の大英産業です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大1,000株まで購入可能です。

早ければ、3/9(月)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定日2026 年3月10日(火)
分売数量68,300 株
(発行済み株式総数 3,316,500 株の約2.05%
分売値段898 円
(3/9決定:終値 926 円)
ディスカウント率3.02 %
(3/9決定)
申込単位数量100 株
申込上限数量1,000 株
表1:大英産業(2974) 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約2.05%ほどほどの数量(※1)です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、今回の分売数量(683百株)は、1日の出来高(25日平均:10.3百株)の約66倍で、この銘柄の平均的な出来高からすると分売数量は多めといえます。

そして、この銘柄の流動性は、直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は15.2百株、25日平均は10.3百株(3/時点)低い水準です。

【過去の立会外分売結果】

ご参考までに、この会社は2024年5月にも立会外分売を実施しており、その時の、分売値段と分売日以降の株価の動きは、表2のようになっています。

(※売買手数料は考慮していません。)

分売日分売
株数
[万株]
分売
値段
[円]
ディス
カウント

[%]
分売日
始値
[円]
(騰落率

[%])
分売日
終値
[円]
(同)
1週間後の
始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
2024/
5/21
109963.021,049
(+5.3)
996
(±0)
992
(5/28)
-4
(-0.4)
表2:大英産業(2974) 過去の分売値段とその後の株価

分売値段で購入し、分売日の寄付や大引分売日1週間後の寄付で売却した場合の騰落率-0.4+5.4%の結果でした。

その時の地合いの良し悪しも影響してくるとは思いますが、ご参考まで。

【参考記事】

(前回(2024年5月実施)の分売):【立会外分売は買いか?】大英産業(2974)

(前回予想の振り返り):【結果検証:立会外分売は買いか?】大英産業(2974)、ヤマザキ(6147)、キムラ(7461)

どんな会社?

九州全域と山口県を中心に、

新築マンションの分譲を中心とした「マンション事業と、新築一戸建ての分譲を中心とした「住宅事業を行っている会社です。

事業内容はそれぞれ、

を行っています。

2025年9月期通期のセグメント別売上高構成比は、

となっており、「マンション事業」と「住宅事業」がほぼ半々です。

直近の経営概況

【2026年9月期1Q(2025年10月~12月)の経営成績】

(日本基準(連結):2026年2月12日発表)

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
当期純利益

[百万円]
(同)
2025年9月期
1Q実績
43.5
(△38.9)
△447
(赤字幅
拡大)
△550
(赤字幅
拡大)
△378
(赤字幅
拡大)
2026年9月期
1Q実績
54.1
(25.9)
△365
(赤字幅
縮小
)
△483
(赤字幅
縮小
)
△404
(赤字幅
拡大)
2026年9月期
通期会社予想
376
(△3.7)
1,279
(△2.0)
754
(△16.3)
466
(△27.1)
通期予想に対する
1Qの進捗率[%]
14.3
表3:大英産業 2026年9月期1Q経営成績と2026年9月期通期予想

表3の通り、前年同期比 3割弱の増収で、利益面は営業利益と経常利益は赤字幅縮小純利益は赤字幅拡大でした。

今期(2026年9月期)通期の業績は、前期比 減収減益で、売上高は微減利益面は微減~3割弱減を予想しており、

その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高は1割強で遅れ気味利益面は赤字からの挽回が必要な状況です。

【2026年9月期1Qの状況、経営成績の要因】

同社グループの事業エリアである九州・山口の住宅・不動産市場は、建築コストの高止まり住宅ローン金利の上昇等を背景に、需要・価格動向の二極化が進んでいます。

都市部や交通利便性の高いエリアにおける新築物件・高価格帯物件への需要が底堅い一方、地方や郊外、築年数の経過した中古物件に対する需要は伸び悩む状況にあります。

このような事業環境のもと、当1Q期間は、分譲マンションの引渡し戸数の増加等により、売上高および売上総利益が前年同期比で増加しました。

一方、販売促進施策の影響等に加え、商品別の売上構成の変化もあり、売上総利益率は前年同期比で低下しました。

しかしながら、売上総利益の増加販売費及び一般管理費の増加を上回ったことから、営業損失は前年同期比で縮小しました。

この結果、当1Q期間の経営成績は、表3の数値の前年同期比 増収増益となっています。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表4です。

「マンション事業」前年同期比 増収赤字幅縮小

「住宅事業」減収増益

「その他事業」増収減益となっています。

セグメント売上高
[百万円]
(前年
同期比
増減率
[%])
セグメント
利益
[百万円]
(同)
マンション1,966
(153)
△149
(赤字幅
縮小
)
住宅3,412
(△2.7)
69
(5.8)
その他39
(63.2)

(△39.2)
表4:2026年9月期1Q セグメント別業績

セグメント別の概況は以下のとおりです。

マンション事業

当1Qにおける分譲マンションの引渡し戸数は50戸となりました。

前連結会計年度に竣工していた「サンパーク博多那珂グラッセ(福岡県福岡市、総戸数55戸)」「ザ・サンパーク小倉駅タワーレジデンス(福岡県北九州市、総戸数150戸)」が完売したほか、

当1Qには「サンパーク天保山グラッセ(鹿児島県鹿児島市、総戸数36戸)」が竣工しました。

なお、当連結会計年度に売上計上を予定している550戸のうち、引渡し済戸数も含め約55%の契約が完了しています。

住宅事業

分譲住宅76戸土地分譲24区画中古住宅の買取再販16戸、投資用の戸建賃貸住宅4戸の引渡しが完了しました。

分譲住宅の販売は堅調に推移したものの、中古住宅の買取再販や事業用の土地分譲等の売上件数が減少したことにより、売上高は前年同期を下回りました。

一方、分譲住宅及び中古住宅の買取再販における厳選した仕入れや商品力の強化等により、売上総利益率が改善したことにより、売上総利益は前年同期を上回りました。

その他事業

水道供給事業と不動産賃貸事業を行った結果、前年同期比 増収減益となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2026年9月期1Q末時点で18.5%と前期末(18.7%)から0.2ポイント低下しました。

主な負債と純資産の、前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

自己資本比率の数値としては危険水域レベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2026年9月期)通期の業績見通し】

同社グループは、利益率の向上売上計上の平準化新規事業およびストック事業の強化を重点課題と位置づけています。

これまで培ってきた多様な住宅・不動産領域における商品開発力土地の情報収集量を活かした土地仕入力等の強みを基盤に、顧客ニーズに応じた価値提供を推進していく方針です。

今後は、既存の事業モデルの見直し法人・富裕層向けの事業拡大による事業ポートフォリオの変革、DX推進等による生産性の向上に取り組み利益率の向上と安定した財務基盤の構築を図る方針です。

2026年9月期の業績見通しは、前期のような分譲マンションの大型物件の竣工や、街づくり事業における大型の仕掛販売用不動産が見込まれないことに加え、戸建住宅市場のさらなる縮小を予想しています。

こうした状況を踏まえ、表3の数値の前期比 減収減益を見込んでいます。

株価指標と動向

【2026/3/6(金)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、グランディーズ(3261) 25.4倍、エストラスト(3280) 5.2倍、フジ住宅(8860) 8.5倍と比較すると、やや低い水準です。

配当利回り2.56%で、東証スタンダードの単純平均2.20%(3/6時点) と比較するとやや高い水準です。

表5のように、直近5年間の配当金は、年間1株あたり20~24円で推移しており、累進配当を継続中です。

配当性向は、数%~10%台で推移しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2021年9月期2012.8
2022年9月期209.4
2023年9月期2314.3
2024年9月期2318.4
2025年9月期2412.4
表5:大英産業(2974) 年間配当金推移

この会社は、

株主に対する利益還元を経営の重要な政策と位置付け、配当は、経営環境の変化や中長期的視野に立ったうえでの今後の事業展開、

更には企業体質の強化等を総合的に勘案のうえで、安定的かつ継続的な配当を実施していく方針です。

また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うとしてます。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年9月末に100株以上保有の株主は、保有株数と保有継続期間(以下)に応じてクオカードが進呈されます。

100株保有で2年未満継続保有の場合、配当金+株主優待(1,000円相当)で利回りは3.62%となります。

個人投資家にとってうれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2024年3月に高値(1,250円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンド同年12月に安値(902円)をつけました。

そして一旦は上昇基調で推移しましたが、その後、翌年12月にこの安値と同値で安値をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

昨年末に昨年来安値(902円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、翌年2月中旬に高値(970円)をつけました。

しかしその後は調整しており、今回の立会外分売発表の翌営業日(3/3)は、分売による短期的な需給悪化を懸念され、前日比 14円安(-1.47%)と下落しました。

今後の株価は、50日移動平均線(赤線)や昨年来安値(902円)を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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