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【立会外分売は買いか?】室町ケミカル(4885) <2026年4月実施>

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードから医薬品業種の室町ケミカルです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と分売値段は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大1,000株まで購入できます。

早ければ4/21(火)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定日2026 年4月22日(水)
分売数量20 万株
(発行済み株式総数 4,095,500 株の約4.88%
分売値段1,026 円
(4/21決定:終値 1,057 円)
ディスカウント率2.93 %
(4/21決定)
申込単位数量100 株
申込上限数量1,000 株
表1:室町ケミカル(4885) 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約4.88%多い数量(※1)です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は1,131百株、25日平均は575百株(4/15時点)で、流動性はやや低い水準です。(1,000百株を平均水準としています)

そして、今回の分売数量(2,000百株)は、1日の出来高(25日平均:575百株)の約3.5倍で、この銘柄の通常の出来高からすると分売数量はほどほどといえます。

【過去の立会外分売結果】

ご参考までに、この会社は2024年4月2021年10月に分売を実施しており、その時の分売値段と分売日以降の株価の動きは、表2のようになっています。

(※売買手数料は考慮していません)

分売日分売株数
[万株]
分売値段
[円]
ディス
カウント
[%]
分売日
始値
[円]
(増減[円])
分売日
終値
[円]
(同)
一週間後の
始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
2021/
10/29
5.81,0722.991,105
(+3.1)
1,199
(+11.8)
1,167
(11/8)
+95
(+
8.9)
2024/
4/22
136962.93732
(+5.2)
726
(+4.3)
727
(4/30)
+31
(+4.5)
表2:室町ケミカル 前回の分売価格とその後の価格

分売値段で購入し、分売日の寄付又は大引、分売日1週間後の寄付で売却した場合+3.1+11.8損益プラスの結果でした。

その時の地合いの良し悪しも影響してくるとは思いますが、ご参考まで。

【ご参考】

前回の記事:【立会外分売は買いか?】室町ケミカル(4885) <2024年4月実施>

前回の振り返り:【結果検証:立会外分売は買いか?】室町ケミカル(4885)、メディア総研(9242)、太洋テクノレックス(6663)

前々回の記事:【立会外分売は買いか?】室町ケミカル(4885)

前々回の振り返り:【結果検証:立会外分売は買いか?】室町ケミカル(4885)、モーニングスター(4765)、PR TIMES(3922)

どんな会社?

1917年(大正6年)に売薬の製造販売を目的として創立して以降、医薬品をはじめとしたさまざまな事業に取り組み、

現在は、医薬品・健康食品・化学品の3つの事業を軸に、長年培ってきた化学技術を活かし、製品・サービスを提供している会社です。

事業セグメントは、「医薬品事業」「健康食品事業」「化学品事業」の3つがあり、

を行っています。

2025年5月期通期のセグメント別売上高構成比は、

となっており、医薬品事業が5割弱を占めています。

直近の経営概況

【2026年5月期3Q(2025年6月~2026年2月)の経営成績】

(2026年4月14日発表:日本基準(非連結))

決算期売上高
[百万円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
当期純利益

[百万円]
(同)
2025年5月期
3Q実績
4,838
(8.6)
343
(36.1)
355
(44.4)
248
(30.6)
2026年5月期
3Q実績
5,651
(16.8)
546
(59.1)
514
(44.8)
337
(35.7)
2026年5月期
通期会社予想
(2026年4月14日
修正)
7,700
(15.7)
700
(62.0)
660
(53.5)
470
(94.8)
通期予想に対する
3Qの進捗率[%]
73.378.077.871.7
表3:室町ケミカル 2026年5月期3Q経営成績と2026年5月期通期予想

表3の通り、前年同期比 増収増益で、売上高は2割弱増利益面は4割弱~6割増でした。

今期(2026年5月期)通期の業績は、今3Q決算発表時に上方修正(表5参照)しており、前期比 増収増益で、売上高は2割弱増利益面は5割強~9割強増を予想しています。

その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は7割強でそこそこ利益面は7割強~8割弱でそこそこです。

【2026年5月期3Qの状況、経営成績の要因】

同社は厳正な品質管理の実施原材料・商品の安定調達を基本として、新製品の開発や新分野への進出、および生産効率の改善に努めました。

その結果、売上⾼は前年同期より増加し、業績予想を上回る進捗で推移(3Qにおける過去最⾼売上)しています。

利益面は、⼯場稼働率向上・販売価格の⾒直しにより原価率が改善し、売上総利益が増加し、

販売費及び⼀般管理費は、計画通りの⽔準で推移しています。

営業利益の増減要因(前年同期比)は以下となっています。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表4です。

主力の「医薬品事業」はじめ全てのセグメントで、前年同期比 増収増益となっています。

セグメント売上
[百万円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業利益
[百万円]
(同)
医薬品2,794
(20.6)
440
(37.0)
健康食品932
(18.0)
27
(5.4倍)
化学品1,962
(11.2)
80
(4.4倍)
表4:2026年5月期3Q累計 セグメント別業績

セグメント別の状況は以下です。

医薬品事業

当期2Qより継続する既存製品の需要拡大を背景に、輸入原薬の売上が伸長したことにより事業全体の売上前年同期間と比べて大幅に増加しました。

この増加傾向は通期にわたり継続するものと見込んでいます。

また、自社製造原薬およびアイソトープ(※2)の売上も堅調に推移しました。

※2:アイソトープ

放射性同位元素。放射線を出す性質のある元素であり、化合物の追跡や分析に使用される。

健康食品

当期1Qより引き続きOEMゼリーの受注が堅調に推移した結果、売上は前年同期比で増加しました。

当期期末での事業撤退に向けて4月中に製造を終了する予定です。

原価率については、外注加工費の大幅な増加の影響があるものの、工場稼働率が高水準で推移したことから、当初の想定を下回る原価水準で推移しました。

化学品

半導体向け市場の活性化や、電力業界向け市場への進出が順調に推移した結果、イオン交換樹脂の自社加工品の売上が好調に推移しました。

さらに、自社製造装置の納品による売上も寄与し、事業全体での売上前年同期比で増加しました。

原価率については、イオン交換樹脂の売上商品構成の変化高付加価値品の販売数量の増加により、前年同期と比較して改善しました。

一方、PFAS(※3)など新たな分野への進出を見据えた開発体制および販売体制の強化に伴い、開発費や販売費が増加しました。

※3:PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)

炭素とフッ素が結びついた有機フッ素化合物の総称で、水や油を弾く性質や耐熱性・耐薬品性に優れていることから、フライパンのコーティングや食品包装、防水製品など、私たちの生活のさまざまな場面で使われている。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2026年5月期3Q末時点で43.4%と前期末(46.6%)から3.2ポイント低下しました。

主な負債と純資産の、前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2026年5月期)通期業績予想の修正】

今回の立会外分売と今3Q決算発表時に、2026年5月期通期の業績予想を前回予想と比べ、売上高は微増利益面は1割の増額修正をしています。

2026年5月期通期の業績予想は表5です。

売上高
[百万円]
営業
利益
[百万円]
経常
利益
[百万円]
当期
純利益
[百万円]
1株当たり
当期純利益

[円]
1株当たり
年間配当金

[円]
前回(2025/12/12)
発表予想
7,50055051035087.1425
今回修正予想7,700700660470117.0226
増減額200150150120
増減率[%]2.727.329.434.34.0
表5:室町ケミカル 2026年5月期通期連結業績予想数値の修正(2026年4月14日発表)

修正の理由は、

としています。

配当予想に関しては、同社は株主に対する剰余金の配当を株主還元策の重要事項のひとつと位置付けており、財政状態、将来の業績見通しや事業展開、経営体質の強化等を総合的に勘案し、

安定した配当を継続することを基本方針としており、累進配当(原則として減配せず、配当の維持若しくは増配を行う配当政策)を基本方針としています。

来期以降においては、健康食品事業の撤退に伴う売上の減少に加え、これまで同事業を含めた体制で運営してきた生産・管理機能等について、残る事業で分担するかたちとなることから、全体としての収益構造に一定の影響が生じる可能性が見込まれています。

一方で、医薬品事業及び化学品事業においては、更なる成長に向けた取り組みを着実に進めており、中長期的な企業価値の向上と株主還元の充実を両立させていくことが重要であると考えています。

これらを踏まえ、株主還元と将来成長に向けた投資とのバランスを考慮した結果、期末配当は前回予想の15円から1円増配し、1株当たり16円とすることが適切であると判断したとしています。

株価指標と動向

【2026/4/15(水)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、ダイト(4577) 15.7倍、コーア商事(9273) 9.4倍、神戸天然物化学(6568) 16.1倍と比較すると、低い水準です。

配当利回り2.63%で、東証スタンダードの単純平均2.31%(4/15時点) と比較するとやや高い水準です。

表6のように、直近5年間の配当金は、年間1株あたり15~25円で推移しており、累進配当を継続中です。

配当性向は、10%台~40%台で推移しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2021年5月期1523.0
2022年5月期1915.3
2023年5月期1928.0
2024年5月期2226.4
2025年5月期2541.4
表6:室町ケミカル 年間配当金推移

この会社は、

同社は株主に対する剰余金の配当を株主還元策の重要事項のひとつと位置付けており、財政状態、将来の業績見通しや事業展開、経営体質の強化等を総合的に勘案し、

安定した配当を継続することを基本方針としており、累進配当を基本方針としています。

また、剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回を行うことを基本方針としています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2024年8月に上場来安値(585円)をつけた後は、2025年1月の一時的な急騰を除き、ほぼ700~1,000円のレンジ内での推移でしたが、

2026年に入り急騰しはじめ、同年2月に高値(1,380円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

今年2月に年初来高値(1,380円)をつけるまでは上昇基調で推移していましたが、その後は調整しており、

今回の立会外分売と今3Q決算、通期業績の上方修正/増配を発表した翌営業日(4/15)は、最初は高く始まりましたが、その後は大きめの陰線をつけて引けにかけて下落し、前日比 15円安(-1.50%)でした。

今後の株価は、節目の1,000円を回復ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んだまま下値模索を継続するのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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