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【公募増資・売出(PO)は買いか?】エリアリンク(8914)

こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードから不動産業種のエリアリンクです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」と「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

今回のPOは、大株主(現会長 林尚道氏)からの株式の売出しです。売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「売出価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、ゆうちょ銀行(6178) 2.08%、デンソー(3387) 3.02%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は岡三証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、9/8(月)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2025年9月8日(月)
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2025年9月16日(火)
①株式売出し(引受人の買取引受による売出し)
数量
普通株式 950,000 株
※発行済み株式総数 25,881,800 株 の約3.67%
②株式の売出し(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 142,000 株(実施決定(9/8))
※岡三証券が売出す。
売出価格2,229 円
(9/8決定:終値 2,310 円)
ディスカウント率3.51 %
(9/8決定)
申込単位数量100 株
主幹事岡三証券
表1:エリアリンク(8914) PO概要

【株式売出しの目的】

としています。

【株式の売出し数量/流動性】

今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大約4.21%(OAを含む)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)は、黒田グループ 63.7%、古河電気工業 2.54%、トランザクション 8.22%でしたので、それらと比較するとやや少ない数量です。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は1,096百株、25日平均は689百株(9/1時点)で、流動性はやや低い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

どんな会社?

「世の中に便利さと楽しさと感動を提供する」という経営理念を掲げ、

ストレージ事業を通じて人々の生活を豊かな暮らしにしていくことに貢献し、ストレージ事業をはじめとするストックビジネスの安定収益基盤を軸に、持続的な成長と企業価値の向上を目指している会社です。

事業内容は、「ストレージ事業」「土地権利整備事業」「その他運用サービス事業」の3つがあり、それぞれ、

を行っています。

2024年12月期通期のセグメント別売上高構成比は、

となっており、「ストレージ事業」が8割弱を占めています。

直近の経営概況

【2025年12月期2Q(2025年1月~6月)の経営成績】

(2025年7月30日発表:日本基準(非連結))

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
当期純利益

[百万円]
(同)
2024年12月期
2Q累計
129
(15.4)
2,547
(15.3)
2,482
(12.5)
1,686
(9.3)
2025年12月期
2
Q累計
140
(9.0)
3,022
(18.6)
2,921
(17.7)
2,075
(23.0)
2025年12月期
通期会社予想
260
(5.3)
5,350
(9.0)
5,080
(7.8)
3,420
(6.8)
通期予想に対する
2Qの進捗率[%]
54.156.457.560.6
表2:エリアリンク 2025年12月期2Q経営成績(非連結)と2025年12月期通期予想

表2のように、前年同期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は2割前後の増益でした。

今期(2025年12月期)通期の業績は、前期比 増収増益で、売上高、利益面ともに1割弱増を予想しています。

その通期予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高は5割弱でそこそこ、利益面は6割前後でそこそこです。

【2025年12月期2Qの状況、経営成績の要因】

土地権利整備事業の縮小方針による減収減益を、ストレージ事業の成長・拡大によりカバーし増収増益となりました。

各段階利益は前期比二桁成長しています。

【セグメント別業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

主力の「ストレージ事業」と「その他運用サービス事業」は前年同期比 増収増益、

「土地権利整備事業」は減収減益、

でした。

セグメント売上高
[億円]

(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益

[百万円]
(同)
ストレージ119
(19.3)
3,304
(22.9)
土地権利整備13.0
(△38.4)
180
(△46.9)
その他
運用サービス
7.8
(4.3)
224
(8.7)
表3:2025年12月期2Q セグメント別業績

各セグメントの状況は以下です。

<ストレージ事業>

同社の基幹事業であるストレージ事業は、「ストレージ運用」と「ストレージ流動化」の2つのサブセグメントで構成されています。

ストレージ運用は、同社が展開するトランクルームのブランド「ハローストレージ」の稼働率は、新規出店室数が増加した影響もあり前期末比2.75ポイント減の83.16%となりましたが、引き続き高い水準を維持しました。

その要因は主に、データ分析による出店精度の向上、及び出店現場を小型化したことや商品の認知度が向上したこと等により成約数を堅調に獲得できたことです。

ストレージ事業は、2023年12月期は4,700室の出店目標に対して5,800室(既存物件の増設430室含む)、2024年12月期は10,400室の出店目標に対して10,545室(既存物件の増室435室含む)、

2025年12月期は15,000室の出店目標に対して当中間会計期間は9,446室(既存物件の増設146室含む)の結果となりました。

総室数は毎年定期的に発生する閉店等の影響もあり、前期末比8,197室増の118,639室となりました。

成約については、データベースの構築による新規出店現場の精度向上や小型化、また広報活動の強化によるストレージ商品の認知度向上等の影響により、

需要を取り込むことで堅調に稼働室数を伸ばしました。

収益性については、出店形態を引き続き収益性の高い自社出店を中心にしていることに加えて、

キャンペーンのコントロールによる値引き率の抑制や一部賃料の見直し、効率的な広告活動の影響等により、ストレージ運用は増収増益の結果となりました。

ストレージ流動化は、アセット屋内型ストレージ「土地付きストレージ」の販売14件を計上しました。

<土地権利整備事業>

売上高は1,306百万円(前年同期比38.4%減)、営業利益は180百万円(同46.9%減)と事業縮小の方針通り減収減益となりました。

仕入れは、引き続き良質物件の仕入れに注力し、在庫額は前期末比300百万円減の2,637百万円となりました。

<その他運用サービス事業>

アセット事業、オフィス事業等の賃料収入を収益基盤とする事業で構成されています。

アセット事業は、保有・管理物件が高稼働を維持したものの管理物件の減少もあり、減収減益となりました。

オフィス事業は、運営物件の稼働が順調に推移したこともあり、増収増益となりました。

【財政面の状況】

<自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100)

2025年12月期2Q末時点で48.1%と前期末(47.9%)から0.2ポイント増加しています。

主な負債と純資産の、前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

<キャッシュ・フロー>2025年12月期2Q累計のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

 ※1 フリーCFの説明:

前期(2024年12月期)2Q累計のフリーCF(50.9百万円の支出)から174百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

【今期(2025年12月期)業績の見通し】

前期決算発表と同時に公表された「中期経営計画25-27」の通り、引き続きストレージ事業の出店拡大による更なる成長を目指しています。

そのうえで、2025年12月期の業績予想の見通しは、売上高260億円、営業利益5,350百万円、経常利益5,080百万円、当期純利益3,420百万円の前期比 増収増益を見込んでいます。

各セグメントの見通しは以下です。

<ストレージ事業>

引続きサブセグメントのうちストレージ運用を中心としたストック型ビジネスを拡大・成長させていく方針です。

累積型の安定した収益基盤をより強固にすることで、不動産・金融市況に影響されない経営体質を確立していく方針です。

ストレージ運用は、累積型の安定した収益基盤を支える基幹事業であり、同社のブランドである「ハローストレージ」の出店室数増加を通じて、

ブランド力・認知度の向上、顧客満足度の向上、ストレージに付随するサービスの開発など、成長事業として、

またストレージを通じて日本の暮らしを変え、日本人の豊かな生活を支えるビジネスとして定着するために、全国への出店を加速し、さらなる事業の成長・拡大を目指していく方針です。

ストレージ流動化は、屋外型コンテナ及びアセット屋内型の「土地付きストレージ」において、一部の物件を除き販売することを計画しています。

上記の結果、ストレージ事業は、売上高227億円、セグメント利益6,040百万円と増収増益を見込んでいます。

<土地権利整備事業>

事業規模の縮小の方針により、2025年は売上高1,800百万円、セグメント利益310百万円と減収減益を見込んでいます。

<その他運用サービス事業>

売上高1,500百万円、セグメント利益400百万円と減収減益を見込んでいます。

なお、今2Q決算発表時には、2025年2月14日公表の「2024年12月期 決算短信」にて公表の業績予想数値に変更はありませんでした。

株価指標と動向

【2025/9/1(月)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、パーク24(4666) 19.1倍、パルマ(3461) 18.0倍、大東建託(1878) 11.5倍と比較すると、中間的な水準です。

配当利回りは2.01%で、東証スタンダードの単純平均2.39%(9/1時点) と比較するとやや低い水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、1株当たり15.5~44.5円(2024年7月1日付1/2分割後換算)で推移しており、連続増配を継続中です。

配当性向は、10%台~30%台で推移しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2020年12月期15.517.6
2021年12月期23.518.7
2022年12月期34.530.3
2023年12月期38.534.6
2024年12月期44.535.3
表4:エリアリンク 年間配当金推移

この会社は、

株主に対する長期的かつ総合的な利益の拡大を重要な経営目標と位置付けており、

株主配当は、中長期的な事業計画に基づき、市場環境及び設備投資のタイミングを見計らいつつ、

再投資のための内部資金の確保を念頭に置きながら、財政状態および利益水準を総合的に勘案したうえで、

配当性向35%、かつ前期と比較して減配とならない配当を実施することを目標として安定した配当を実施することを基本方針としています。

配当回数は、中間配当と期末配当の年2回の配当を行うことを基本方針としています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2024年3月に安値(1,145円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、翌年8月に高値(2,673円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

6月初旬に安値(2,100円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、8/19に年初来高値(2,673円)をつけました。

しかしその後は調整しており、今回のPO発表の翌営業日(9/1)は、POによる短期的な需給悪化懸念により、窓を開けて出来高を伴い、前日比 171円安(-6.70%)と急落しました。

今後の株価は、75日移動平均線(青線)や節目の2,200円程度で下げ止まり、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索を継続するのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・新株式の発行株数】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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