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【立会外分売は買いか?】スターフライヤー(9206) <2025年5月実施>

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードから空運業種のスラーフライヤーです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大5,000株まで購入できます。

早ければ5/14(水)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定期間2025 年 5 月 15 日(木)~ 20 日(火)
分売数量180,000
(発行済み株式総数 3,600,390 株の約5%
分売値段(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
申込上限数量5,000 株
表1:スターフライヤー(9206) 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約5%多い数量(※1)です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は74.2百株、25日平均は46.5百株(5/8時点)で、流動性は低い水準です。

そして、今回の分売数量(1.800百株)は、1日の出来高(25日平均:46.5百株)の約39倍で、この銘柄の平均的な出来高からすると分売数量は多めといえます。

【過去の立会外分売の結果】

ご参考までに、この会社は、2022年3月に2回に分けて立会外分売を実施しており、その時の分売値段と分売日以降の株価の動きは、表2のようになっています。(※売買手数料は考慮していません)

分売日分売
株数
[万株]
分売
値段
[円]
ディス
カウント
[%]
分売日
始値
[円]
(騰落率

[%])
分売日
終値
[円]
(同)
1週間後の
始値[円]
(日付)
損益
[円]
(騰落率

[%])
2022/
3/25
11.622,4984.002,498
(±0)
2,498
(±0)
2,428
(4/1)
-70
(-2.8)
2022/
3/29
2.72,3984.002,391
(-0.3)
2,443
(+1.9)
2,425
(4/4)
+27
(+1.1)
表2:スターフライヤー 前回の分売価格とその後の価格

2022年3月実施分は当初予定していた分売株数に対し、日を置かず2回に分けて実施されたため1回目の1週間後の騰落率は参考になりませんが、

分売値段で購入し、前々回(2022年3月25日実施分)は分売日の寄付又は大引で売却した場合は損益トントン、分売日1週間後(5営業日後)の寄付の場合は損益マイナスの結果でした。

前回(2022年3月29日実施分)は分売日の寄付で売却した場合は損益マイナス分売日の大引又は分売日1週間後(5営業日後)の場合は損益プラスの結果でした。

その時の地合いの良し悪しも影響してくるとは思いますが、ご参考まで。

【ご参考】

前回(2022年3月)の記事:【立会外分売は買いか?】スターフライヤー(9206)

前回の振り返り:【結果検証:立会外分売は買いか?】プラネット(2391)、スターフライヤー(9206)

どんな会社?

既存の航空会社にはない、高品質・高付加価値サービスを提供する「感動のあるエアライン」を目指して設立された新興航空会社です。

事業内容は、航空運送事業を主な事業とする単一業種の事業活動を営んでいます。

事業概要は「航空運送事業」と「附帯業務」を行っており、それぞれ、

を行っています。

2025年3月期通期のサービス別売上高構成比は、

となっており、ほぼ「定期旅客運送」が占めています。

直近の経営概況

【2025年3月期通期(2024年4月~2025年3月)の経営成績】

(2025年4月30日発表:日本基準(非連結))

決算期売上高
[億円]
(前期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
当期純利益

[百万円]
(同)
2024年3月期
通期実績
400
(24.0)
90
(黒字
転換)
1,060
(黒字
転換)
912
(12倍)
2025年3月期
通期実績
429
(7.2)
1,230
(13倍)
1,933
(82.3)
1,923
(110)
2026年3月期
通期会社予想
454
(5.8)
2,150
(74.7)
2,140
(10.7)
1,760
(△8.5)
表3:スターフライヤー 2025年3月期通期経営成績(非連結)と2026年3月期通期予想

表3のように、前期比 増収増益で、売上高は1割弱増利益面は8割強増~13倍で着地しました。

今期(2026年3月期)通期の業績は、前期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は営業利益と経常利益は1~7割強の増益ですが、純利益は1割弱の減益を予想しています。

【2025年3月期の状況、経営成績の要因】

当期は、航空需要は上昇基調が継続し、同社においても臨時便や国際チャーター便の運航など、収益の拡大に努めた結果、座席利用率は79.6%(前年比2.2ポイント増上場以来最高を更新しました。

また、航空需要の増加に対応すべく、旧型式のリース機材1機を返還するとともに、従来よりも座席数の多い新型機を導入しました。

就航路線の状況

当事業年度末における路線便数は、国内定期便1日当たり5路線32往復64便国際定期便1日当たり2路線2往復4便でした。

なお、2020年3月より国際定期便を運休しています。

運航実績

飛行時間は、前事業年度に比べて臨時便の運航回数が減少したことにより、当事業年度の飛行時間36,318時間(前期比0.4%減でした。

就航率、定時出発率

社内で継続して就航率・定時性向上プロジェクト(ON TIME FLYER活動)を推進した結果、

当事業年度の就航率・定時出発率ともに前事業年度を上回る結果(就航率:99.2%(前期比+0.4pt)、定時出発率:92.7%(同+1.9pt))でした。

輸送実績

旅客状況は、旧型式のリース機材1機を返還するとともに、従来よりも座席数の多い新型機を1機導入したことにより、

自社提供座席キロは1,602百万席・km(前期比0.3%増となり、旅客数は159万人(同3.3%増座席利用率は79.6%(同2.2ポイント増となりました。

販売実績

サービス別の売上高は表4です。

主力の「航空輸送事業」前期比で1割弱となっています。

事業売上高
[百万円]
(前期比
増減率
[%])
航空運送(全体)42,771
(7.1)
定期旅客運送42,425
(7.5)
貨物輸送162
(0.6)
不定期旅客輸送183
(△47.7)
附帯129
(69.7)
表4:2025年3月期通期 サービス別売上高

生産量(提供座席キロ)および有償旅客数前事業年度と比べ増加し、航空運送事業収入は42,771百万円(前期比7.1%増となりました。

また、附帯事業収入は129百万円(前期比69.7%増となり、これらの結果として、当事業年度の営業収入は429億円(前期比7.2%増となりました。

費用面

定期整備引当金の定期的な見直しの結果、一部について取り崩し出来ることが判明したことで、定期整備引当金繰入額が減少した一方で、

前事業年度と比較して、期中は円安水準であったことにより外貨建ての機材費等の増加や人件費等の各種費用が増加しました。

結果として、事業費ならびに販売費及び一般管理費の合計額である営業費用は、41,670百万円(前期比4.4%増となりました。

これらにより、当事業年度の営業利益1,230百万円(前期比13倍経常利益は1,933百万円(同82.3%増当期純利益は1,923百万円(同110%増となりました。

営業利益と経常利益の差異は、営業外収益の為替差益711百万円が主たる要因です。

為替差益の主な内容はヘッジを目的とした為替予約に係るものです。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2025年3月期末時点で17.4%と前期末(13.6%)から3.8ポイント増加しています。

主な負債と純資産の、前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

自己資本比率の数値としては危険水域レベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2025年3月期通期のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

 ※2 フリーCFの説明:

前期(2024年3月期)通期のフリーCF(262百万円の収入)から4,583百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

【今期(2026年3月期)業績の見通し】

為替レート1米ドル145.0円原油価格レート(ドバイ)1バレル75.0ドルを前提としています。

同社は、為替相場および原油価格相場によって業績等が大きく影響を受けます。

なお、業績に影響を与える要因はこれらに限定されるものではありません。

上記の他にも、将来の航空機材の定期整備費用に備えるための定期整備引当金は米ドル建てで金額を見積っていることから、期末日為替レートの変動により、貸借対照表残高および定期整備引当金繰入額に影響を受ける可能性があります。

なお、2026年3月期には、リース満了に伴い航空機材を一部返却するとともに、この更新機材をリースにて受領する予定です。

以上により、表3の前期比 増収増益(純利益のみは減益を見込んでいます。

株価指標と動向

【2025/5/8(水)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、日本航空(9201) 10.4倍、ANAホールディングス(9202) 10.9倍と比較すると、低い水準です。

表5のように、直近5年間の配当金無配です。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
表5:スターフライヤー 年間配当金推移

この会社は、

株主価値の持続的な向上を目指しており、事業機会を確実に捉えるために必要な株主資本の水準を保持することを原則としています。

併せて、同社資本については、事業活動に伴うリスクに備え得る水準の確保が必要であると考えています。

そして、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つに位置付けたうえで、経営基盤の強化と安定的な事業展開に必要な内部留保を確保しつつ、安定・継続した配当を実施していくことを目指しています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年9月末と3月末に100株以上保有の株主は、国内定期路線に使用できる株主優待券(※3)を3枚(年間6枚)(200株以上は100株毎に3枚(年間6枚)追加)が進呈されます。

※3:株主優待券1枚で、片道1区間搭乗時大人普通運賃の50%割引(満3歳~11歳は小児運賃の50%割引)

スターフライヤーを利用される個人投資家にとってうれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2023年7月に高値(3,235円)をつけるまでは上昇基調で推移していましたが、

その後は高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、翌年8月に安値(2,200円)をつけました。

それ以降は、2,300~2,700円程度のレンジ内で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

4月に入ってから米国トランプ関税ショックにより急落し、4/7に年初来安値(2,207円)をつけました。

しかしその後は急速に値を戻し、4/30に高値(2,660円)をつけています。

そして今回の立会外分売発表の翌営業日(5/8)は、窓を開けて売られ前日比 59円安(-2.38%)と急落しました。

今後の株価は、年初来安値(2,207円)を割り込まず下げ止まりヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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