こんにちは!
2024年9月権利確定のJ-REIT(全3銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2024年9月6日終値時点)が高い上位3銘柄を算出。
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高分配の銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
TOP3:ジャパンリアルエステイト(8952)
【特徴】
- 日本で最初に上場したJ-REITとして、日本有数の不動産会社である三菱地所のバックアップをうけている、オフィスビル特化型の大型投資法人。
- 日本全国の主要都市に所在するオフィスビルに投資し、中長期的な安定運用を目指している。
- 健全な財務体質を目指し、保守的な総資産有利子負債比率(LTV)(30%~40%を目安)で運用している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年4月1日現在)
物件数:77物件、取得価格:1兆1,502億円、入居率:96.2%(2024年6月30日現在)
ポートフォリオの分散状況:
<地域別投資比率(取得価格ベース)>(2022年9月30日現在)
- 東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区) 66.7%
- 東京23区(都心5区を除く) 9.9%
- 首都圏(東京23区を除く東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県) 5.8%
- 大阪市・京都市 8.7%
- 名古屋市 2.5%
- その他 6.5%
となっており、東京都心5区が7割弱を占めています。
<テナント業種分散(賃貸面積ベース)>(グランフロント大阪は除く)
- 情報サービス 14.9%
- サービス 11.4%
- 不動産 10.2%
- 小売・飲食 6.2%
- 金融 6.0%
- 電気機器 5.5%
- メディア・広告 5.3%
- 専門サービス(コンサルティング等) 5.2%
- 機械 4.5%
- 医薬品 3.5%
- 保険 3.3%
- 建設 2.9%
- 医療 2.2%
- 通信 1.9%
- 公務・各種団体 1.8%
- 電気・熱供給業 1.5%
- 窯業 1.4%
- その他 12.3%
となっており、「情報サービス」最も多く1割強ですが、それ以外も満遍なく分散しています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年9月6日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):586,000円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):1.83倍
- 年間分配金(法人予想):24,200円(2024年9月 12,100円、2025年3月 12,100円)、利回り:4.13%
直近5営業期間の分配金は、表1のようになっており、1口当たり11,400~12,216円で推移し、連続増配を継続中です。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2022年3月期 | 11,400 |
2022年9月期 | 11,500 |
2023年3月期 | 11,667 |
2023年9月期 | 12,000 |
2024年3月期 | 12,216 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2022年9月に高値(653,000円)をつけた後は、長期間、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドが続いていましたが、
2024年8月に安値(499,000円)をつけた後は、勢いよく上昇しはじめています。
<日足チャート(直近3か月間)>
8/5に年初来安値(499,000円)をつけるまでは、ほぼヨコヨコで推移していましたが、その後は一気に上昇して、8/29に年初来高値(600,000円)をつけています。
TOP2:大和証券リビング(8986)
【特徴】
- ライフステージに合わせ、「すべての人の生活・暮らしを支える」ために快適な居住空間を総合的に提供し、住居又はヘルスケア施設(高齢者を入居・利用対象とした介護施設及び居住施設)に対して投資を行っているJ-REIT
- 同投資法人のスポンサーでもある大和証券グループ本社が、不動産アセットマネジメント事業の更なる強化を推進する中で、強固なスポンサー・コミットメントを示すと共に、同投資法人の持続的な成長をサポート
- 「賃貸住宅セクター」(60%以上)と「ヘルスケア施設セクター」(40%以下)の組入比率、地域比率(3大都市圏(関東大都市圏、中京大都市圏、近畿大都市圏) 70%以上、その他 30%以下)で構成することがポートフォリオ設計の基本戦略
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年8月2日現在)
物件数:252物件、取得価格:4,001億円、稼働率:98.4%(2024年7月31日現在)
【ポートフォリオの分散状況】
(2024年8月2日現在)
<タイプ別投資比率>
- 賃貸住宅 72.5%
- ヘルスケア 27.5%
<賃貸住宅(タイプ別)投資比率>
- ワンルーム 71.9%
- ファミリー 28.1%
<地域別投資比率>
- 東京都23区 45.0%
- 3大都市圏 43.5%
- 政令指定都市等 11.5%
となっています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年9月6日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):101,400円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):23.3倍
- 年間分配金(法人予想):4,600円(2024年9月 2,300円、2025年3月 2,300円)、利回り:4.54%
直近5営業期間の分配金は、表2のようになっており、1口当たり2,180~2,300円で推移しており、2023年3月期以降は連続増配を継続中です。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2022年3月期 | 2,180 |
2022年9月期 | 2,180 |
2023年3月期 | 2,200 |
2023年9月期 | 2,231 |
2024年3月期 | 2,300 |
【投資主優待】
この投資法人は、投資主優待(株でいう株主優待)制度があり、
9月末と3月末の年2回、1口以上保有の場合、
(株)アズパートナーズが運営している施設(介護施設)の入居一時金20万円割引、月額利用料に含まれる管理費2か月分の割引(利用者の支払い方式が月払い方式の場合)や体験入居無料(3泊4日)などなど、様々なヘルスケア施設の優待があります。
ご興味がある方は、こちら(投資法人HP)をチェックしてみてくださいね。
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2022年9月に高値(124,300円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、
2024年8月に安値(95,400円)をつけてます。
<日足チャート(直近3か月間)>
6/26に高値(106,100円)をつけた後は、下落基調で推移し、8/5に年初来安値(95,400円)をつけました。
しかしその後は上昇基調で推移しましたが、直近では調整しており、全ての移動平均線の下で推移しています。
TOP1:グローバルワン不動産(8958)
【特徴】
- オフィスビルの運用に特化した投資法人として、J-REITで8番目に東証に上場。
長期の運用実績を有し、運用資産のクオリティと成長スピードをバランスよく両立させるべく、中長期保有を前提として資産を取得 - 中長期的な観点から、資産の着実な成長と安定した収益の確保を目指し、堅実な財務運営を組み合わせて、「投資主価値の最大化」を目的とした運用を行う。
- 近(駅近:高い利便性)新(築浅:ハイスペック)大(大型:ハイグレード)を重視し、マーケットにおける優位性を持った競争力の高い優良不動産へ重点投資し、
運用資産のクオリティと成長スピードをバランス良く両立させる厳選投資スタンス
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年3月31日現在)
物件数:15物件、取得価格:2,085億円、稼働率:97.2%(2024年7月31日現在)
【ポートフォリオの分散状況】
(2024年3月31日現在)
<地域別比率>
- 東京都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区) 27.9%
- その他東京都内23区 28.0%
- 東京周辺都市部 19.5%
- その他3大都市圏 16.5%
- 3大都市圏以外の政令指定都市 8.2%
<最寄り駅徒歩分数別比率>
- 5分以内 86.7%
- 5分超 13.3%
となっており、「東京都心5区」と「その他東京都内23区」がそれぞれ3割弱と多く、
最寄駅から徒歩5分以内の物件が9割弱となっています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年9月6日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):100,600円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):94.0倍
- 年間分配金(法人予想):4,874円(2024年9月 2,427円、2025年3月 2,447円)、利回り:4.84%
直近5営業期間の分配金は、表3のようになっており、1口当たり2,411~3,038円で推移しており、上下の差は627円あります。
決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
2022年3月期 | 2,411 |
2022年9月期 | 2,426 |
2023年3月期 | 2,860 |
2023年9月期 | 3,038 |
2024年3月期 | 2,959 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2023年7月末に高値(120,000円)をつけるまでは、上昇基調で推移していましたが、
以降は下落トレンドで推移しており、2024年8月に安値(93,300円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
102,000円程度のヨコヨコの値動きでしたが、8月初旬の「植田ショック」で急落し、8/5に年初来安値(93,300円)をつけました。
しかしその後は値を戻して、8/28に高値(105,500円)をつけています。
まとめ
2024年9月権利確定J-REITをまとめると・・・
TOP | 法人名 | アセット タイプ | 地域分散 | 資産 規模 | 投資口 価格 モメンタム | 流動性 | 投資主 優待 | 分配金の 安定度/ 累進分配 | 分配金 利回り [%] |
1 | グローバル・ワン 不動産 (8958) | オフィス | 東京中心 | 中 | △ | △ | × | △ | 4.84 |
2 | 大和証券リビング (8986) | 住宅 ヘルスケア | 東京中心 | 中 | × | 〇 | 〇 | 〇 | 4.54 |
3 | ジャパンリアル エステイト (8952) | オフィス | 東京中心 | 大 | △ | 〇 | × | 〇 | 4.13 |
今回は、どのJ-REITも利回りは4%以上と高分配です。
分配金利回り重視の場合は「グローバル・ワン不動産」で、近(駅近:高い利便性)新(築浅:ハイスペック)大(大型:ハイグレード)を重視し、マーケットにおける優位性を持った競争力の高い優良不動産へ重点投資している点は、他のJ-REITにはない特徴があります。
「大和証券リビング」は投資口価格モメンタムが良くないことが気になりますが、ヘルスケア施設に投資している点は特徴があり、もしヘルスケア施設にご家族などが入居を検討されている場合は、投資口優待を活用できる点は良いですね。
「ジャパンリアルエステイト」は、直近では投資口価格に勢いが感じられ、資産規模が大きく、財務健全性がありますので安定感があります。
2024年9月の権利付き最終日は26日(木)(権利落ち日:9/27)です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。