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【立会外分売は買いか?】プラザホールディングス(7502)

Stefanie KonstantaによるPixabayからの画像

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードからサービス業種のプラザホールディングスです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と分売値段は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大2,500株まで購入できます。

早ければ10/15(火)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定期間2024 年 10 月 16 日(水)
分売数量78,200
(発行済み株式総数 2,767,251 株の約2.82%
分売値段1,837 円
(10/15決定:終値 1,904 円)
ディスカウント率3.52 %
(10/15決定)
申込単位数量100 株
申込上限数量2,500 株
表1:プラザホールディングス(7502) 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

同社は、2024年6月に開示されたIR資料「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」によると、

2024年3月末時点で、東証スタンダード市場の上場維持基準のうち、「流通株式時価総額」(基準:10億円以上のところ、9.4億円)「流通株式比率」(基準:25%以上のところ、14.9%)については基準を充たしておらず

2025年3月末までに上場維持基準に適合するべく、各種取組を推進するとしています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約2.82%ほどほどの数量(※1)です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は4.4百株、25日平均は1.7百株(10/10時点)で、流動性は極端に低い水準です。(1,000百株を平均水準としています)

そして、今回の分売数量(782百株)は、1日の出来高(25日平均:1.7百株)の約450倍で、この銘柄の通常の出来高からすると分売数量は多いといえます。

どんな会社?

創立以来、人の一生のさまざまなシーンにおいて人と人をつなぎ、

個性を輝かせる「広場(=PLAZA)」を通して、私たちはたくさんの「笑顔」と「ありがとう」を創っている、

写真・映像・通信に関する事業を営んでいる会社です。

事業内容は、プリントショップのフランチャイズの展開及びプリントショップの経営並びにWebサイトを運営し、

デジタルプリントサービス及び写真関連商材等の販売を営むイメージング事業携帯端末等の販売を営むモバイル事業があります。

事業セグメントは、「イメージング事業」と「モバイル事業」の2つがあり、それぞれ、

を行っています。

2024年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

となっており、「モバイル事業」が8割強を占めています。

直近の経営概況

【2025年3月期1Q(2024年4月~6月)の経営成績】

(日本基準(連結):2024年8月9日発表)

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主
帰属する
当期純利益

[百万円]
(同)
2024年3月期
1Q累計
38.5
(△8.6)
△345
(赤字幅
拡大)
△250
(赤字幅
縮小)
△274
(赤字幅
縮小)
2025年3月期
1Q累計
39.0
(1.4)
△42
(赤字幅
縮小
)

(黒字
転換
)

(黒字
転換
)
2025年3月期
通期会社予想
170
(△3.6)
250
(14.3)
200
(△22.4)
100
(70.1)
通期予想に対する
1Qの進捗率[%]
22.91.05.0
表2:プラザホールディングス 2025年3月期1Q経営成績と2025年3月期通期予想

表2の通り、前年同期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は営業利益は赤字幅縮小経常利益と純利益は黒字転換でした。

今期(2025年3月期)通期の業績予想は、前期比 減収増益で、売上高は微減、利益面は営業利益と純利益は1割強~7割増経常利益は2割強減を見込んでいます。

そして、その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高は2割強でそこそこですが、利益面は営業利益は赤字からの挽回が必要経常利益と純利益は1割に満たず遅れ気味です。

【2025年3月期1Qの状況、経営成績の要因】

当1Q連結累計期間におけるわが国経済は、国内の雇用や所得環境の改善が見られる反面、

様々な地域における国際情勢の緊迫化による地政学的リスクの高まりや、円安による物価上昇・原材料価格の高騰等により、経済の先行きは不透明な状況にあります。

このような事業環境で、同社グループは引き続き、モバイル事業の継続的成長と、パレットプラザをはじめとしたイメージング事業の新たな収益の柱となる事業の創出に積極的に取り組みました。

モバイル事業においては、スマートフォンの値上がりによる買い替えサイクルが長期化しておりスマートフォンの販売が伸び悩む一方で、

SIMのみの回線契約の割合が増えていることから前1Qと比較して売上高は減少しました。

店舗外での販売イベントも集客力のある開催場所を選定したうえで、引き続き積極的に開催したことにより回線契約件数を確保し生産性が向上したこと、

販売後の利用サポートはサブスクリプションサポートを案内し、加入者が順調に増え新たなストック収入となったことから、売上総利益は、前1Qと比較して増加しました。

なお、当1Q末における店舗数は、80店舗となっています(前年度末82店舗、前1Q末87店舗)。

デジタルデバイスや周辺ソリューションへの企業ニーズが高まってきていることから、同社の店舗に来店される法人顧客に対しては、法人営業部門が端末の販売に加え、企業のDX推進をサポートしました。

以上の結果、モバイル事業の業績は、減収増益となりました。

イメージング事業は、「パレットプラザ」の2024年6月度は直営店店頭売上前年比113%と売上高は回復基調です。

特に使い切りカメラ、インスタントフィルムカメラの売上が好調に推移しており、新製品アクリルスタンドも好調な出だしとなっています。

一方で、カメラ類の販売構成比が高まったことで粗利率が低下したため売上総利益は減少しました。

なお、パレットプラザの店舗数は、当1Q末には、フランチャイズ店舗163店直営店舗13店となりました(前年度末フランチャイズ店舗172店、直営店舗は14店、前1Q末フランチャイズ店舗182店、直営店舗は20店)。

グランピング(※2)事業は、2拠点ともに予定稼働率を上回っており収益が大幅に改善しました。

※2:グランピング

グラマラス (glamorous) とキャンピング (camping) を掛け合わせた造語で、ホテル並みのサービスを野外で愉しむ魅力的なキャンプという意味

Wikipediaより

また、「One-Bo(ワンボ)」という“オンライン会議のための個室空間”パーソナル・ミーティング・ボックスの販売実績は、テレワークからオフィス出社へ回帰が進むなかでもオンライン会議が定着したことにより好調に推移しています。

引き続き販売体制と製品ラインアップを強化していく計画です。

以上の結果、イメージング事業の業績は、増収赤字額の縮小となりました。

これらの結果、同社グループの今1Qの経営成績は、表2の前年同期比 増収増益となっています。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

主力の「モバイル事業」は、前年同期比 減収黒字転換

「イメージング事業」は、前年同期比 増収赤字幅縮小でした。

セグメント売上高
[百万円]
(前年
同期比
増減率
[%])
セグメント
利益
[百万円]
(同)
イメージング754
(13.3)
△107
(赤字幅
縮小
)
モバイル3,152
(△1.1)
103
(黒字
転換)
表3:2025年3月期1Q セグメント別業績

セグメント別の状況は以下です。

イメージング

「パレットプラザ」の店頭売上等各事業の売上高が好調に推移しました。

モバイル

スマートフォンの販売台数の減少となったものの、新たな収益源の獲得、販売イベント経費の見直しなどを行いました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2025年3月期1Q末時点で21.4%と前期末(20.4%)から1.0ポイント低下しました。

これは主に、それぞれ前期末比で、

したことによるものです。

自己資本比率の数値としては危険水域に近いレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2025年3月期)通期業績の見通し】

当該業績の見通しは、前期の実績に鑑み、先行きの不透明感などから売上高をやや手堅く見込み、売上高は微減となりますが、

新規事業(グランピングなど)への投資が概ね完了し、営業利益来期以降も継続的な改善を見込んでいます。

このような状況を踏まえ、今期業績は表2の前期比 減収増益を予想しています。

なお、今1Q決算発表時には、2024年5月15日に公表された連結業績予想の修正はありませんでした。

株価指標と動向

【2024/10/10(木)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、アスカネット(2438) 25.5倍、スタジオアリス(2305) 27.8倍、マツモト(7901) 103倍と比較すると、中間的な水準です。

配当利回り2.51%で、東証スタンダードの単純平均2.46%(10/9時点) と同水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、年間1株あたり7~50円で推移しており、

配当性向は、最終赤字の年を除き、20%台~200%で幅が大きいです。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2020年3月期71.3
2021年3月期1220.7
2022年3月期10102
2023年3月期10
(最終赤字)
2024年3月期50205
表4:プラザホールディングス 年間配当金推移

この会社は、

安定的な経営基盤の確保と内部留保の充実による財務体質の強化に努めるとともに、

安定的な配当を継続実施していくことを基本方針としています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有の株主は、自社のアパレル商品や宿泊券等の中から1点が進呈されます。

以下は、2024年3月期末の株主の優待品です。

上記から1点選択できます。

200株以上保有の株主は株数に応じて、内容がグレードアップします。詳しくはこちら(企業HP)をご覧ください。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2024年3月に高値(2,420円)をつけるまでは、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移していましたが、

その後は失速し、下落基調で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

8/7に年初来安値(1,850円)をつけた後は、1,900~2,000円程度のレンジ内で推移しており、

今回の立会外分売発表の翌営業日(10/8)は、分売による短期的な需給悪化懸念により、窓を開けて出来高を伴い前日比 16円安(-0.80%)と下落しました。

今後は、年初来安値(1,850円)を割り込まず上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性
分売数量⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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