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【立会外分売は買いか?】南総通運(9034)

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードから陸運業種の南総通運です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と分売値段は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大2,000株まで購入できます。

早ければ2/19(月)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定日2024 年 2 月 20 日(火)
分売数量90,000
(発行済み株式総数 10,000,000 株の0.9%
分売値段1,002 円
(2/19決定:終値 1,027円)
ディスカウント率2.43 %
2/19決定)
申込単位数量100 株
申込上限数量2,000 株
表1:南総通運(9034) 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

また、今回の分売数量は、発行済み株式総数の0.9%少ない数量(※1)です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は162百株、25日平均は129百株(2/8時点)で、流動性は低い水準です。(1,000百株を平均水準としています)

そして、今回の分売数量(900百株)は、1日の出来高(25日平均:129百株)の約7倍で、この銘柄の通常の出来高からすると分売数量はほどほどといえます。

どんな会社?

1942年に11の運送業者の統合により誕生し、2022年11月に創業80周年を迎え、

輸送・保管・流通加工などのトータルロジスティクスを強みとしながらも、

物流の枠を超えて顧客の課題解決をともに目指している会社です。

事業内容は、貨物自動車運送事業、倉庫事業、附帯事業を主に行っており、

その他に不動産事業、建設事業、その他事業(旅客自動車運送事業及び保険代理店業)を行っています。

事業セグメントは、貨物自動車運送事業」「倉庫事業」「附帯事業」「不動産事業」「建設事業の5事業があり、それぞれ、

を行っています。

2023年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

となっており、「貨物自動車輸送事業」が4割「倉庫事業」が3割弱「付帯事業」が2割強を占めています。

直近の経営概況

【2024年3月期3Q(2023年4月~12月)の経営成績】

(2024年2月7日発表)

決算期営業収入
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主
株主に

帰属する
純利益
[百万円]
(同)
2023年3月期
3Q累計
109
(△0.9)
1,235
(6.5)
1,235
(5.2)
839
(△0.2)
2024年3月期
3Q累計
118
(8.2)
1,588
(28.6)
1,575
(27.5)
1,333
(58.9)
2024年3月期
通期会社予想
152
(5.4)
1,825
(14.6)
1,818
(14.1)
1,554
(43.6)
通期予想に対する
3Qの進捗率[%]
77.687.086.685.7
表2:南総通運 2024年3月期3Q経営成績と通期会社予想

表2の通り、前年同期比 増収増益で、営業収益は1割弱増利益面は3割弱~6割弱の増益でした。

2024年3月期通期の業績予想は、前期比 増収増益で、営業収益1割弱増利益面は1~4割強増益を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は8割弱でそこそこ利益面は9割弱で順調です。

【2024年3月期3Qの状況、経営成績の要因】

物流業界は、EC市場は好調を保つも、各企業とも半導体及び海外調達部品の停滞などにより取扱数量の回復に至らず、全体的な荷動きが回復したとは言い切れない状況に加え、

2024年問題への対応燃料価格や電気料金の値上がり等同社グループを取り巻く経営環境は非常に厳しい状況となっています。

このような経営環境の下で同社グループは、顧客需要に応えるため、物流倉庫拠点を核とした効率的な倉庫オペレーションとトラック輸送の展開を中心に取組みました。

この結果、当3Q連結累計期間の営業収入は118億円(前年同四半期比8.2%増)となり、

営業利益は1,588百万円(同28.6%増経常利益は1,575百万円(同27.5%増)親会社株主に帰属する四半期純利益は1,333百万円(同58.9%増となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2024年3月期3Q末時点で61.3%と前期末(58.9%)から2.4ポイント増加しています。

これは主に、それぞれ前期末比で、

したことによるものです。

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2024年3月期通期)業績予想】

今2Q決算発表と同時に、2024年3月期通期連結業績予想の上方修正を発表しています。

2024年3月期通期の業績予想は表3です。

営業
収入
[億円]
営業
利益
[百万円]
経常
利益
[百万円]
親会社
株主に
帰属する
当期純利益

[百万円]
1株当たり
当期純利益

[円]
前回
(2023/5/15)
発表予想
1501,6571,6261,104110.96
今回修正予想1521,8251,8181,240124.52
増減額167191135
増減率[%]1.310.111.812.2
表3:南総通運 2024年3月期通期連結業績予想数値の修正(2023年11月7日発表)

前回予想と比べ、売上高は微増利益面は1割強の増額修正をしています。

修正の理由は、

としています。

配当予想については、修正はありませんでした。

株価指標と動向

【2024/2/8(木)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、ヒガシ21(9029) 10.6倍、日本ロジテム(9060) 9.6倍、岡山県貨物運送(9063) 2.4倍と比較すると、中間的な水準です。

配当利回りは3.50%で、東証スタンダードの単純平均2.14%(2/7時点) と比較すると高い水準です。

直近5年間の配当金は表4のようになっており、年間1株あたり17.5~30円(2023年12月末の1/2の株式分割後換算)で推移しています。

配当性向は、10%台~20%台で安定して推移しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2019年3月期17.518.6
2020年3月期22.524.8
2021年3月期17.523.4
2022年3月期2524.1
2023年3月期3027.6
表4:南総通運 年間配当金推移

この会社は、

株主への利益還元を重要課題と認識し、かつ安定的な利益配当を継続することを基本方針としています。

より高い収益水準の実現に向けて、将来の事業展開と経営基盤の強化のための内部留保の充実に留意しながら、株主に長期的に安定した配当の継続に努めています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2022年4月に安値(520.5円)をつけた後は、緩やかに上昇トレンドで推移していましたが、

2023年9月に急上昇しはじめ、直近では、この安値の2倍以上の高値で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移しており、

今回の立会外分売発表日(2/7)に、2023年12月末の1/2の株式分割後換算で上場来高値(1,139円)をつけました。

そして、その翌営業日(2/8)は、分売による短期的な需給悪化懸念により、前日比 50円安(-4.41%)と急落しました。

今後は、25日移動平均線(赤線)や75日移動平均線(青線)が下値抵抗線となって下げ止まり、上昇トレンドをキープするのか、下抜けて下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐⭐
(買い)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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