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【立会外分売は買いか?】明治電機工業(3388) <2023年9月実施>

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから卸売業種の明治電機工業です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大1,000株まで購入できます。

早ければ、9/11(月)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定日2023 年 9 月 12 日(火)
分売数量320,000 株
(発行済み株式総数 12,717,120 株の約2.51%
分売値段1,407 円
(9/11決定:終値 1,451 円)
ディスカウント率3.03 %
(9/11決定)
申込単位数量100 株
申込上限数量1,000 株
表1:明治電機工業(3388) 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約2.51%ほどほどの数量※1です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の流動性は、直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は716百株、25日平均は419百株低い水準です。

そして、今回の分売数量(3,200百株)は、1日の出来高(25日平均:419百株)の約7.6倍で、この銘柄の平均的な出来高からすると分売数量はほどほどといえます。

ご参考までに、この会社は、2年前の2021年6月にも立会外分売を実施しており、その時の分売値段と分売日以降の株価の動きは、表2のようになっています。(※売買手数料は考慮していません)

分売日分売株数
[万株]
分売値段
[円]
ディス
カウント
[%]
分売日
始値
[円]
(増減[円])
分売日
終値
[円]
(同)
一週間後の
終値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
2021/
6/16(水)
201,2993.061,349
(+3.8)
1,384
(+6.5)
1,380
(6/23)
+81
(+
6.2)
表2:明治電機工業 前回の分売価格とその後の価格

分売値段で購入し、分売日の寄付又は大引、分売日1週間後の大引で売却した場合全ての段階で損益プラスの結果でした。

その時の地合いの良し悪しも影響してくるとは思いますが、ご参考まで。

【ご参考】

前回の記事:【立会外分売は買いか?】明治電機工業(3388)

前回の振り返り:【結果検証:立会外分売は買いか?】テイン(7217)、明治電機工業(3388)

どんな会社?

製品の企画から生産まで、すべての「ものづくり」の現場のあらゆる課題を解決するトータル・ソリューションを提供している技術商社です。

同社グループは、制御機器、産業機器、計測機器、電源機器、実装機器などの商品を、ユーザー(製造メーカー)の商品開発、生産技術、設備保全、購買などの部門に対し、

単なる商社活動だけでなく、FAエンジニアリング力を駆使したシステム提案の形で営業活動を行い、販売に結びつけています。

主な取扱商品は、

があります。

2023年3月期通期の機器別の売上高構成比は、

となっており、「制御機器」と「産業機器」がそれぞれ3割強を占めています。

直近の経営概況

【2024年3月期1Q(2023年4月~6月)の経営成績】

(2023年7月31日発表)

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主
帰属する
純利益
[百万円]
(同)
2023年3月期
1Q累計
136
(△10.9)
71
(△77.7)
203
(△50.1)
144
(△48.4)
2024年3月期
1Q累計
157
(15.4)
329
(359)
515
(153)
364
(151)
2024年3月期
通期会社予想
760
(7.1)
2,960
(8.6)
3,180
(4.2)
2,200
(0.4)
通期予想に対する
1Qの進捗率[%]
20.711.116.116.5
表3:明治電機工業 2024年3月期1Q経営成績と通期会社予想

表3の通り、前年同期比 増収増益で、売上高は2割弱増利益面は2.5~4.5倍の増益で好調でした。

2024年3月期通期の業績予想は、前期比 増収増益で、売上高は1割弱増利益面は微増~1割弱の増益を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高は1/4程度でそこそこ、利益面は経常利益と純利益は1/4程度でそこそこですが、営業利益は1割強で遅れ気味です。

【2024年3月期1Qの状況、経営成績の要因】

同社グループの主要ユーザーである自動車関連企業は、半導体不足が緩和の方向に向かい、自動車生産台数は回復傾向を強め次世代モビリティ開発に向けての投資を活発に行う計画もあり、好調に推移しました。

電気・電子・半導体関連企業は、スマートフォン販売の不振を背景に需要が伸び悩んでいる一方で、電気自動車や自動運転の普及にともなう車載電装品への投資は堅調に推移しました。

工作機械・産業機械関連企業は、米欧の利上げや中国の景気減速を受けた調整局面が続いているものの、社会構造の変化を捉えた自動化・省人化や脱炭素関連、先端技術関連等の設備需要は底堅く生産動向は堅調に推移しました。

こうした中、同社グループは、「“新たな価値創造”と“自ら考え考動する”」を基本方針とした第10次中期経営計画(2021年度~2023年度)に基づき、

自動車ビジネス強化に向けた体制整備ものづくりにおけるカーボンニュートラルへの貢献エンジニアリング事業の競争力強化などの主要施策に取り組み、表2の数値の増収増益となっています。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2024年3月期1Q末時点で60.9%と前期末(56.8%)から4.1ポイント増加しています。

これは主に、支払手形及び買掛金が前期末比で4,000百万円減少し、流動負債が合計で3,366百万円減少したことによるものです。

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2024年3月期通期)業績の見通し】

ウィズコロナの動向やウクライナ紛争の長期化、エネルギー価格高騰によるインフレの加速、各国の金融引き締めによる経済への影響について注視していく必要がありますが、経済活動の正常化は徐々に進んでいくものと想定しています。

同社グループの主要ユーザーである自動車関連企業は、半導体不足の影響は徐々に解消に向かい、次世代モビリティ開発における投資は底堅く推移していくものと見込んでいます。

こうした中、同社グループは、「“新たな価値創造”と“自ら考え考動する”」を基本方針とした第10次中期経営計画(2021年度~2023年度)に基づき、顧客の変化に応じた新たな価値創造・価値提供を目指していく計画です。

今期連結業績予想は、売上高は760億円営業利益は2,960百万円経常利益は3,180百万円親会社株主に帰属する当期純利益は2,200百万円を見込んでいます。

なお、前期は為替差益及び固定資産売却益が171百万円発生しましたが、今期の見込には組み込んでいません

なお、今1Q決算発表時には、2023年5月15日の「2023年3月期 決算短信」で公表された通期の連結業績予想に変更はありませんでした。

株価指標と動向

【2023/9/5(火)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、英和(9857) 7.9倍、ナ・デックス(7435) 9.7倍、NaITO(7624) 16.2倍と比較すると低めの水準です。

配当利回りは3.52%で、東証プライムの単純平均 2.16%(9/4)と比較すると高い水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、1株当たり47~82円で推移しており、

配当性向は、30~40%台でほぼ安定しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2019年3月期8229.8
2020年3月期7229.9
2021年3月期6045.4
2022年3月期4730.5
2023年3月期5230.0
表4:明治電機工業 年間配当金推移

この会社は、

株主に対する利益還元を重要な経営課題と位置づけ、連結配当性向30%を目処として、将来の持続的成長に必要な内部留保の充実を図りながら、配当を行うことを基本方針としています。

また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2022年3月に安値(986円)をつけた後は、しばらくヨコヨコの動きでしたが、

2023年年初から上昇トレンド入りし、9月に高値(1,572円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移しており、9/4に年初来高値(1,572円)をつけました。

しかし、今回の立会外分売発表の翌営業日(9/5)は、分売による需給悪化懸念から、窓を開けて出来高を伴い前日比 66円安(-4.20%)と売られました。

ただまだ、25日移動平均線(赤線)と75日移動平均線(青線)の上をキープしています。

今後は、25日移動平均線や75日移動平均線の上をキープして上昇に転じるのか、下抜けて下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐
(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐⭐
(買い)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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