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【公募増資・売出(PO)は買いか?】NATTY SWANKYホールディングス(7674)

こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証グロースから小売業種のNATTY SWANKYホールディングスです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

今回のPOは、公募と第三者割当による増資です。発行価格等決定日や受渡期日、発行数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「発行価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、日本郵政(6178) 2.01%、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387) 3.09%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回はみずほ証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、10/23(月)の夕刻に、会社側から発行価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

発行価格等決定日2023年10月23日(月)
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2023年10月31日(火)
①公募による新株式の発行
一般募集
数量
普通株式 220,000 株
発行済み株式総数 2,190,080  の約10.0%
②株式の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 33,000 株
実施決定(10/23)
みずほ証券が売出す。
③第三者割当による新株式発行
数量
普通株式 33,000 株
(申込みのなかった株数は発行されない。)
みずほ証券に割当。
調達資金手取り概算額(上限)7.96 億円
発行価格3,273 円
(10/23決定:終値 3,410 円)
ディスカウント率4.02 %
(10/23決定)
申込単位数量100 株
主幹事みずほ証券
表1:NATTY SWANKYホールディングス(7674) PO概要

【資金調達の背景と目的】

としています。

【調達資金の使途】

今回の一般募集及び第三者割当増資に係る手取概算額合計上限 796百万円についての使途は、以下のとおりです。

  1. 事業規模拡大のため、同社直営店舗の新規出店に伴う設備投資関連費用の一部
    金額:680百万円、支出予定時期:2026年1月期まで
  2. 1.に充当後の残額は、新規出店に伴う人件費、人材採用費やその他費用の一部
    支出予定時期:2026年1月期まで

としています。

設備計画については、「肉汁餃子のダンダダン」21店舗を、自己資金、借入金及び今回の増資資金により、2023年9月~2026年1月に完了予定となっています。

今回の新株式の発行数量は、発行済み株式総数の最大約11.5%(第三者割当を含む)で、

直近の新株式の発行を含むPOの発行株数比率(第三者割当を含む)は、スミダコーポレーション 19.8%、ライフネット生命保険 15.0%、セルソース 3.67%でしたので、それらと比較すると中間的な数量です。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は69.0百株、25日平均は94.8百株で、流動性は低い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

どんな会社?

街に永く愛される、 粋で鯔背な店づくり」を理念に、

昔からその街にあったような、地元の人に愛される店づくりを目指し、

餃子のチェーン店「肉汁餃子のダンダダン」を運営している会社です。

2023年7月期末時点の「肉汁餃子のダンダダン」の店舗数は、直営店98店フランチャイズ店34店計132店となっています。

事業セグメントは、「飲食事業」の単一セグメントで、

2023年1月期の製品・サービス別の売上高構成比は、

となっており、「直営店売上」がほとんどを占めています。

直近の経営概況

【2024年1月期2Q(2023年2月~7月)の経営成績】

(2022年9月13日発表)

決算期売上高
[百万円]
(前年
同期比
[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主に
帰属する
当期純利益
[百万円]
(同)
2023年1月期
2Q累計 ※1
2,851
(ー)
△48
(ー)
△46
(ー)
△25
(ー)
2024年1月期
2Q累計
3,508
(23.1)
220
(黒字
転換
)
220
(黒字
転換
)
142
(黒字
転換
)
2024年1月期
通期会社予想
7,200
(23.1)
440
(黒字
転換
)
430
(黒字
転換
)
280
(黒字
転換
)
通期予想に対する
2Qの進捗率[%]
48.750.051.150.7
表2:NATTY SWANKYホールディングス 2024年1月期2Q経営成績と通期予想
※1:2022年1月期は2021年7月~2022年1月の7カ月間の変則決算のため、2023年1月期の前期比比較は無し。

表2のとおり、前年同期比 増収増益で、売上高は2割強増利益面は黒字転換でした。

2024年1月期通期の業績予想は、前期比 増収増益で、売上高は2割強増利益面は黒字転換を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに1/2程度でそこそこです。

【2024年1月期2Qの状況、経営成績の要因】

当2Q連結累計期間の外食産業は、経済活動の正常化に伴い来店客数は着実に回復傾向にあるものの、食材価格や人手不足による人件費関連コストの上昇等、厳しい状況が続いています。

売上高は、昨今の食材価格、人件費、水道光熱費などのコスト上昇を受けて、3月16日より商品価格の改定を実施しました。

価格改定後においては、顧客の利用単価が上昇し、来店客数も堅調に推移しています。

また、東京ドーム内の「グルメストリート」に期間限定のグルメショップをオープンするなど、ブランド認知拡大のための様々な取り組みを実施しました。

原価面は、原材料費等の価格が上昇している状況ですが、取引先の見直しや価格交渉を継続していること、自動発注システムの活用による食材ロスの削減等により原価の上昇を抑制等により売上高原価率は26.4%(前年同期は28.3%)となりました。

販売費及び一般管理費は、店舗従業員の増員、アルバイト・パートスタッフの時給アップに伴う人件費の増加などコスト上昇があるものの、

販売価格を改定したことで売上高に対する販管費率の構成比が変化したことで営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても増益となりました。

上記の結果、当2Q連結累計期間における同社グループの業績は、表2の数値となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2024年1月期2Q末時点で45.0%と前期末(40.9%)から4.1ポイント増加しました。

これは主に、長期借入金が前期末比で169百万円減少し、固定負債が合計で172百万円減少したことと、

利益剰余金が132百万円増加し、株主資本が合計で133百万円増加したことによるものです。

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2024年1月期2Qのキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

 ※2 フリーCFの説明:

前期(2023年1月期)2QのフリーCF(282百万円の支出)から、691百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

【今期(2023年1月期通期)業績の見通し】

今1Q決算発表と同時に、2024年1月期通期業績予想の上方修正を発表しています。

2024年1月期通期の業績予想は表3です。

売上高
[百万円]
営業
利益
[百万円]
経常
利益
[百万円]
親会社
株主に
帰属する
当期純利益

[百万円]
1株当たり
当期利益

[円]
前回
(2023/3/16)
発表予想
6,70018017012055.39
今回修正予想7,200440430280128.38
増減額500260260160
増減率[%]7.5144152133
表3:NATTY SWANKYホールディングス 2024年1月期通期連結業績予想数値の修正(2023年6月13日発表)

前回予想と比べ、売上高は1割弱増利益面は2倍強の増額修正をしています。

修正の理由は、

としています。

なお、今2Q決算発表時では、2023年6月13日に公表された予想値から変更はありません

株価指標と動向

【2023/10/16(月)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、串カツ田中(3547) 40.1倍、鳥貴族ホールディングス(3193) 31.5倍、一家ホールディングス(7127) 25.2倍と比較すると、低めの水準です。

配当利回り(予想)は0.14%で、東証グロースの単純平均0.47%(10/13時点) と比較すると低い水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、年間1株あたり5~15円で推移しており、4期連続1株当たり5円が継続しています。

また、配当性向は、最終赤字の年を除き、数%~80%台で幅があります

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2019年6月期1511.9
2020年6月期
(最終赤字)
2021年6月期80.7
2022年1月期4.8
2023年1月期
(最終赤字)
表4:NATTY SWANKYホールディングス 年間配当金推移

この会社は、

長期的に安定した事業の継続に備えるために、内部留保の充実を図るとともに、株主への利益還元を行うことも重要な経営課題の一つと考えています。

また、剰余金の配当は、中間および期末配当の年2回を基本的な方針としています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、7月末と1月末の年2回、100株以上保有の株主は、

全国の「肉汁餃子のダンダダン」で使用できるお食事券 10,000円分(1,000円券×10枚、デリバーリーには利用不可)が進呈されます。

100株保有の場合、配当金+株主優待(10,000円相当×年2回=20,000円相当)で、利回りは6.11%となります。

店舗がお近くにある方はうれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2021年12月に安値(2,882円)をつけた後は、3,000円前後のヨコヨコで推移していましたが、

2023年6月に入った後、急上昇し高値(4,230円)をつけました。

しかしその後は、高値を切り下げて推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

9/13に高値(4,035円)をつけた後は、下落基調で推移しており、

今回のPO発表の翌営業日(10/16)は、POによる1株利益の希薄化懸念から、窓を開けて出来高を伴い前日比 170円安(-4.83%)と急落しました。

今後は、1月につけた年初来安値(3,000円)を下抜けずに上昇に転じるのか、下抜けて下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・新株式の発行株数】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
新株式の発行数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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