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【立会外分売は買いか?】みらいワークス(6563) <2023年6月実施>

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証グロースからサービス業種のみらいワークスです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と分売値段は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大500株まで購入できます。

早ければ6/5(月)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定日2023 年 6 月 6 日(火)
分売数量20,000
(発行済み株式総数 5,181,000 株の約0.38%
分売値段907 円
(6/5決定:終値 935 円)
ディスカウント率2.99 %
(6/5決定)
申込単位数量100 株
申込上限数量500 株
表1:みらいワークス(6563) 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

また、今回の分売数量は、発行済み株式総数の約0.38%少ない数量(※1)です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は464百株、25日平均は486百株(5/30時点)で、流動性は低い水準です。(1,000百株を平均水準としています)

そして、今回の分売数量(200百株)は、1日の出来高(25日平均:486百株)の約0.4倍で、この銘柄の通常の出来高からすると分売数量は少なめといえます。

ご参考までに、この会社は、今年2月にも立会外分売を実施しており、その時の分売値段と分売日以降の株価の動きは、表2のようになっています。

分売日分売株数
[万株]
分売値段
[円]
ディス
カウント
[%]
分売日
始値
[円]
(騰落率[%])
分売日
終値
[円]
(同)
一週間後の
始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
2023/
2/28
2.56912.95732
(+5.9)
732
(+5.9)
705
(3/7)
+14
(+2.0)
表2:みらいワークス 前回の分売価格とその後の価格

いずれも、分売値段で購入し、分売日の寄付大引分売日1週間後の寄付で売却した場合のいずれも損益プラスの結果でした。

※売買手数料は考慮していません。

その時の地合いの良し悪しも影響してくるとは思いますが、ご参考まで。

【ご参考】

前回の記事:【立会外分売は買いか?】みらいワークス(6563)

前回の振り返り:【結果検証:立会外分売は買いか?】みらいワークス(6563)、B-Rサーティワンアイス(2268)、ヴィス(5071)

どんな会社?

プロフェッショナル人材が挑戦できるきっかけを提供することで、日本全体の企業の成長・発展に貢献している会社です。

事業内容は、プロフェッショナル人材向けサービスであるプロフェッショナル・エージェント事業を主要な事業として、Webプラットフォーム事業及びソリューション事業とあわせ、3つの事業を行っており、それぞれ、

を行っています。

同社は、プロフェッショナル人材向けサービス事業の単一セグメントで、

2022年9月期通期の事業別売上高構成比は、

となっており、「プロフェッショナルエージェント事業」が9割強を占めています。

直近の経営概況

【2023年9月期2Q(2022年10月~2023年3月)の経営成績】

(2023年5月12日発表)

決算期売上高
[百万円]
(前年
同期比
[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
純利益

[百万円]
(同)
2022年9月期
2Q累計
2,873
(17.0)
70
(△37.0)
82
(△27.1)
33
(△55.9)
2023年9月期
2Q累計
4,132
(43.8)
122
(74.2)
135
(64.6)
71
(2.2倍)
2023年9月期
通期会社予想
8,500
(33.8)
300
(2.6倍)
301
(2.3倍)
153
(3.9)
通期予想に対する
2Qの進捗率[%]
48.640.644.846.4
表3:みらいワークス 2023年9月期2Q経営成績と通期会社予想

表3の通り、今期より連結ベースでの決算となっており単純比較はできませんが、前年同期比 増収増益で、売上高は4割強増利益面は7割強~2倍強の増益でした。

2023年9月期通期の業績予想は、こちらも単純比較はできませんが、前期比 増収増益で、売上高は3割強増利益面は2倍強~4倍弱の増益を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高利益面ともに1/2程度でそこそこです。

【2023年9月期2Qの状況、経営成績の要因】

2023年9月期2Qにおいて、四半期売上高・売上総利益は四半期過去最高を更新しています。

要因としては、プロフェッショナル・エージェント事業における売上総利益率の改善と、売上総利益率の高い事業の成長が奏功し、全社売上総利益率は前年同期を上回る25.6%に着地(2Q単体では26.5%)しています。

Webプラットフォーム事業においては、事業の成長に伴い共通費配賦前営業利益において単体黒字化売上総利益は前年比320%超の高成長全社売上総利益率の成長に大きく貢献しています。

ソリューション事業は、プロジェクト年度の区切り時期の都合上一時的に停滞気味ですが、新規受注が進んでおり、3Q以降の復調を目指しています。

これらの結果、当2Q連結累計期間の経営成績は表3の結果になりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2023年9月期2Q末時点で39.3%と前期末(42.8%)から3.5ポイント低下しています。

自己資本比率の数値としてはまだ問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2023年9月期2Q累計のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

 ※2 フリーCFの説明:

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

【今期(2023年9月期通期)業績の見通し】

プロフェッショナル・エージェント事業、Webプラットフォーム事業、ソリューション事業を「3本の柱」として、引き続き事業拡大を図っていく計画です。

「3本の柱」事業を拡大していくにあたり、登録人材と取引クライアント(企業)双方の輪を広げていくこと、そして自社の組織体制を整備・強化していくことが必要と認識しています。以下、取り組み内容です。

以上の取り組みにより、「3本の柱」事業を拡大し、「プロフェッショナル人材が挑戦するエコシステムを創造する」というビジョンの実現を通じた「人生100年時代」を実践する「新しい働き方」の創造

そして地方経済活性化と東京一極集中の是正といった社会課題の解決へ取り組みを一層進める計画です。

今期(2023年9月期)の業績見通しは、売上高8,500百万円、営業利益300百万円、経常利益301百万円、当期純利益153百万円を見込んでいます。

なお、2Q決算発表時は、2022年11月14日発表の「2022年9月期 決算短信」で公表された業績予想から変更はありません

株価指標と動向

【2023/5/30(火)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、MS-Japan(6539) 18.0倍、クラウドワークス(3900) 27.5倍、ベイカレントコンサルティング(6532) 31.1倍と比較すると、高めの水準です。

直近の配当金は、表4のように上場以来無配となっています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
2018年9月期
2019年9月期
2020年9月期
2021年9月期
2022年9月期
表4:みらいワークス 年間配当金推移

この会社は、

事業展開のための内部留保の充実と成長に応じた利益還元を重要な経営課題であると認識しています。

現在、同社は成長過程にあり、一層の業容拡大を目指しており

獲得した資金については、優先的に人材の採用育成、システム等の設備強化等の重要な事業投資に充て、競争力の強化による将来の収益力向上や効率的な体制整備に有効に活用するため、会社設立以来、配当は実施していません

今後は、収益力の強化や安定的な事業基盤の確立に努め、内部留保の充実状況、業績、同社を取り巻く事業環境、今後の事業展開を勘案し、その都度適正な経営判断を行い、配当を決定していく方針です。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

週足ベースの株価は、2021年7月に高値(1,340円)をつけた後は調整し、翌年1月に安値(590円)をつけました。

そしてその後は、しばらくは600~800円のレンジ内での推移でしたが、直近では上昇基調に転じてきています。

<日足チャート(直近3か月間)>

直近の株価は、3月に年初来安値(655円)をつけた後は、しばらくヨコヨコの展開でしたが、5月に入り2023年9月期2Q決算発表が5/12の取引時間中にあり、これを好感され急上昇を開始し、5/25に年初来高値(1,000円)をつけています。

そして今回の立会外分売発表の翌営業日(5/30)は、分売による需給悪化懸念からか、窓を開けて売られ、前日比 28円安(-3.04%)と急落しました。

今後の株価は、25日移動平均線(赤線)や75日移動平均線(青線)で下げ止まり、上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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