こんにちは!
2023年12月末に分配金権利確定のJ-REIT(全9銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2023年12月1日終値時点)が高い上位3銘柄を抽出。
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高分配の銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
TOP3:日本リート投資法人(3296)
【特徴】
- 2014年4月に東証に上場して以来、“ぶれない規律”の下で、中長期的な不動産需給の動向に鑑みた“タイムリーな投資”を実行している。
- 日本社会にしっかりと根付き、底堅い需要を持つアセット「オフィスビル(働く)」「住宅(住まう)」「商業施設(消費する)」と真摯に向き合い、
中でも都心中規模オフィスを中心として築いた、リスク耐性の強い “盤石なポートフォリオ”を強みとしている。 - 総合型REITの特性を活かして、収益の成長性及び安定性を重視し、機動的かつタイムリーな投資と投資主との利害一致を通じて、投資主価値の最大化を図っている。
【ポートフォリオ構築方針】
オフィス、住宅及び商業施設を主たる投資対象とする総合型ポートフォリオを構築しています。
全体の用途別比率と、それぞれの用途の地域別の割合は以下の方針となっています。
<用途別投資比率>
- オフィス 50%以上
- 東京都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区)60%以上
- 三大都市圏(東京経済圏(東京都心6区以外)、大阪経済圏、名古屋経済圏) 40%以下
- 政令指定都市等(政令指定都市(札幌市、仙台市、新潟市、静岡市、浜松市、岡山市、広島市、福岡市、北九州市及び熊本市)及び県庁所在地)20%以下
- 住宅 50%以下
- 東京都心6区、三大都市圏 60%以上
- 政令指定都市等 40%以下
- 商業施設、その他 20%以下
(地域別投資比率の定め無し)
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2023年11月24日現在)
物件数:111件、取得価格:2,571億円、平均稼働率:96.5%
ポートフォリオの分散状況:
<用途別比率>
- オフィス 70.1%
- 住宅 26.7%
- 商業施設 3.2%
<地域別比率>
- 東京都心6区 65.5%
- 三大都市圏 33.0%
- 政令指定都市等 1.5%
アセットタイプでは「オフィス」が7割、地域別では「東京都心6区」が7割弱を占めています。
【投資口価格動向】
<2023年12月1日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):343,000円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):20.7倍
- 年間分配金(法人予想):16,606円(2023年12月 8,166円、2024年6月 8,440円)、利回り:4.84%
直近5営業期間の分配金は、表1のように、1口当たり8,381~11,665円で推移しており、
2021年12月期以降は減配傾向です。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2021年6月期 | 10,800 |
2021年12月期 | 11,665 |
2022年6月期 | 8,825 |
2022年12月期 | 8,387 |
2023年6月期 | 8,381 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2021年11月末に高値(435,000円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、2023年3月に安値(304,000円)をつけました。
そしてそれ以降は、安値を切り上げながら推移しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
9/27に高値(362,00円)をつけた後は調整しており、11/9に直近の安値(336,500円)をつけました。
そして、現時点では、高値を切り下げながら全ての移動平均線の下で推移しています。
TOP2:インヴィンシブル投資法人(8963)
【特徴】
- ホテル及び住居をコアアセットとして重点的に投資し、中長期的な観点から、着実な成長と安定的な収益確保を目指して運用を行っている。(=コアアセット)
- その他、オフィスビルや商業施設など、ホテル又は住居以外の不動産が本体又は裏付けとなっている不動産等及び不動産対応証券(※1)に対しても分散投資を行っている。(=サブアセット)
※1:不動産対応証券
不動産貸付の賃料収入や不動産を売却する際の代金を収益の源泉とする有価証券 - 特定地域における経済情勢の変動リスクを回避し、特定地域への集中投資に伴う震災リスク等を分散し、
着実な運用資産の成長と中長期的に安定した収益の確保を図るため、運用資産にかかる物件の所在地域が分散されたポートフォリオの構築を目指している。
【ポートフォリオ構築方針】
<用途別投資比率>
コアアセットへの投資比率は取得価格ベースで50%以上
<地域別選定方針>
- 主として首都圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県)及び政令指定都市とするが、投資機会を柔軟に追求することを可能とするため、全国の主要都市及びそれらの周辺地域並びに海外を含む。
- 特定地域における経済情勢の変動リスクを回避し、特定地域への集中投資に伴う震災リスク等を分散し、着実な運用資産の成長と中長期的に安定した収益の確保を図るため、運用資産にかかる物件の所在地域が分散されたポートフォリオの構築を目指す。
- 海外については、当面の間、ホテルのみに投資する。
<地域別投資比率>
- 首都圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県)及び政令指定都市 85%以上
- 海外(北米、欧州、アジアに属する国・地域のうち、政治・経済・金融システムの安定度が高く、法律・会計・税務・不動産市場等に関する透明性が確保されている先進国・地域、又はこれに準ずる国・地域(米国・カナダ・英国・英領ケイマン諸島・シンガポール等)) 15%未満
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2023年8月1日現在)
物件数:134件、取得価格:5,486億円、稼働率:99.5%(2023年10月31日現在)
ポートフォリオの分散状況:
<用途別比率>
- ホテル 92.6%
- 住居 7.0%
- その他 0.4%
<地域別比率>
- 東京23区 28.6%
- 首都圏(除く東京23区) 12.6%
- 北海道 12.1%
- 中部 10.8%
- 関西 7.1%
- 九州 13.8%
- その他 8.5%
- 海外 6.5%
アセットタイプでは「ホテル」が9割強、地域別では「東京都心23区」が最も多く3割弱を占めています。
【投資口価格動向】
<2023年12月1日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):59,300円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):27.3倍
- 年間分配金(法人予想):2,907円(2023年12月 1,441円、2024年6月 1,466円)、利回り:4.90%
直近5営業期間の分配金は、表2のように、1口当たり15~1,464円で推移しており、
コロナ禍ではホテルの稼働率が落ち込んだため、分配金も極端に減少しています。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2021年6月期 | 15 |
2021年12月期 | 166 |
2022年6月期 | 166 |
2022年12月期 | 832 |
2023年6月期 | 1,464 |
【投資主優待】
このJ-REITは投資主優待があり、毎年6月末と12月末の投資主は、
【A】シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル
【B】マイステイズホテルグループの全てのホテル
の対象ホテルにおいて、割引価格で宿泊できます。(※利用回数は制限なし)
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2022年1月に安値(34,000円)をつけた後は、右肩上がりの上昇トレンドで推移し、2023年9月に高値(65,200円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
9/11に年初来高値(65,200円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移し、11/9に安値(55,500円)をつけました。
そしてその後は、高値を切り上げつつ推移しています。
TOP1:マリモ地方創生リート投資法人(3470)
【特徴】
- 2016年7月に東証J-REITに上場した、レジデンス・商業施設・ホテル・オフィスからなる総合型J-REIT。
- 東京圏や関西、中部圏などの大都市圏の物件に比重を置き投資していているJ-REITが多い中、地方都市に重点を置き、“地方から日本を強くしていく”ことを基本理念としているところが特徴。
- スポンサーである株式会社マリモの不動産開発・市街地再開発ノウハウおよびバリューアップノウハウを活用した「まち」を再生し、
地域貢献性の高いレジデンスや商業施設等への投資による「まち」の活性化を促進している。 - 地方を中心とした総合型ポートフォリオを構築することにより、「相対的に高い投資利回り」かつ「安定的な収益」の確保と運用資産の確実な成長を志向し、投資主価値の中長期にわたる向上を目指している。
【ポートフォリオ構築方針】
- 地域別投資比率
- 地方都市(東京圏を除いた原則人口20万人以上の都市)、その他地域(地方都市および東京圏を除いた全国の地域) 70%以上
- 東京圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県) 30%以下
- 用途別投資比率
- 「レジデンス」及び「商業施設」 70%以上
- ホテル、オフィス、物流施設及び駐車場 30%以下
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2023年6月30日現在)
物件数:52件、取得価格:501億円、稼働率:98.6%(2023年10月31日現在)
ポートフォリオの分散状況:
<アセットタイプ別投資比率>
- レジデンス 42.0%
- 商業施設 41.3%
- ホテル 5.0%
- オフィス 9.5%
- 物流施設 2.3%
<地域別投資比率>
- 北海道 8.7%
- 東北 9.1%
- 東京圏 8.5%
- 甲信越・北陸・関東(首都圏除く) 14.2%
- 東海 14.3%
- 近畿 12.7%
- 中国・四国 9.0%
- 九州・沖縄 23.6%
となっており、アセットタイプ別では「レジデンス」と「商業施設」がそれぞれ4割強、
地域別では「九州・沖縄」が最も多く2割強を占めています。
【投資口価格動向】
<2023年12月1日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):126,100円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
- 年間分配金(法人予想):6,579円(2023年12月 3,374円、2024年6月 3,205円)、年間利回り:5.22%
直近5営業期間の分配金は、表3のようになっており、
分配金は、1口当たり3,572~3,924円程度で推移しています。最大と最小の幅は352円です。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2021年6月期 | 3,572 |
2021年12月期 | 3,924 |
2022年6月期 | 3,817 |
2022年12月期 | 3,689 |
2023年6月期 | 3,713 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2021年12月に高値(139,900円)をつけた後は、急速に下落し、翌年1月に安値(119,100円)をつけました。
しかしその後は、この高値と安値のレンジ内で推移し、直近では120,000円前後の値動きです。
<日足チャート(直近3か月間)>
10/4に安値(122,200円)をつけるまでは、下落基調でしたが、その後は短期間で上昇し、10/19に高値(128,700円)をつけました。
そして直近では、126,000~128,000円のレンジ内で推移しています。
まとめ
2023年12月権利確定J-REITをまとめると・・・
TOP | 法人名 | アセットタイプ | 地域分散 | 資産 規模 | 投資口 価格 モメンタム | 流動性 | 投資主 優待 | 分配金の 安定度 | 分配金 利回り[%] |
1 | マリモ地方創生リート (3470) | 総合型 | 日本全国 (地方重視) | 小 | △ | △ | × | △ | 5.22 |
2 | インヴィンシブル (8963) | ホテル、住宅 | 首都圏中心 | 中 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 4.90 |
3 | 日本リート (3296) | 総合型 | 首都圏 +三大都市圏 | 中 | △ | △ | × | △ | 4.84 |
今回の上位3法人は、利回りが5%前後で高めです。
「マリモ地方創生リート」は利回りが5%超で、投資口価格の変動幅が小さいところは安心ですね。
ホテル特化型の「インヴィンシブル」は、ポストコロナで、インバウンド等の需要が高まっていますので、今後の収益力アップにも期待が持てそうです。
「日本リート」は、他の2つよりは特徴があまり感じられませんが、ポートフォリオがほどよく分散されており、中長期的な収益力の安定が期待できそうです。
今回ご紹介していない12月権利のJ-REITの中では、日本リートの次に利回りが高いフロンティア不動産(8964)は利回り4.72%(12/1時点)、CREロジスティクスファンド(3487) 4.59%ですので、こちらも検討してみても良いかもしれませんね。
2023年12月の権利付き最終日は27日(水)(権利落ち日:12/28)です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。