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【公募増資・売出(PO)は買いか?】コンフォリア・レジデンシャル投資法人(3282) <2023年8月実施>

こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証J-REITのコンフォリア・レジデンシャル投資法人です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

今回のPOは、公募による新投資口の発行です。発行価格等決定日や受渡期日、発行数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「発行価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%(直近のJ-REITは2~2.5%)です。

参考までに、直近のJ-REITのPO銘柄のディスカウント率は、

でした。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は、みずほ証券、SMBC日興証券、大和証券)はじめ、引受人の各証券会社(三菱UFJモルガン・スタンレー証券、野村證券SBI証券)で購入申込可能です。

早ければ、8/9(水)の夕刻に、法人側から発行価格等のお知らせが適時開示であります。このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

発行価格等決定日2023 年 8 月 9 日(水)
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2023 年 8 月 17 日(木)
公募による新投資口の発行
(一般募集)数量
19,870
発行済み投資口数 736,982口 の約2.69%
②投資口の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
990 実施決定(8/9)
※上記の「発行価格等決定日」に決定みずほ証券が売出す。
③第三者割当による新投資口の発行数量990 (申込がなかった口数は発行されない。)
みずほ証券に割当
調達資金手取り概算額(上限)67.1 億円
発行価格324,187 円
(8/9決定:終値 332,500 円)
ディスカウント率2.50 %
(8/9決定)
申込単位数量1 口
主幹事みずほ証券、SMBC日興証券、大和証券
引受人三菱UFJモルガン・スタンレー証券、野村證券、SBI証券
表1:コンフォリア・レジデンシャル投資法人 PO概要

新投資口発行の目的及び理由

としています。

今回の資金調達によって、賃貸住宅3物件取得予定価格 74.3億円)を2023年10~12月に取得予定です。

取得後のポートフォリオの合計は、160物件、取得金額は3,073億円に拡大します。

今回増資される投資口数は、発行済み口数の約2.69%(第三者割当を含めると、最大約2.83%で、

直近の住宅に投資しているJ-REITの、公募増資の発行済み総口数に対する割合(第三者割当を含む)は、

ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト 2.35%、コンフォリア・レジデンシャル(2023年2月実施) 2.93%、東海道リート 37.1%でしたので、それらと比較すると小規模な増資です。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した投資口の数量)の5日平均は1,441口、25日平均は1,744口で、流動性は平均的な水準です。(※1日 1,000口を平均水準としています。)

ご参考までに、この投資法人は前回は2022年2月、2023年2月に公募増資を実施したのですが、その時のPOの結果はどうだったかというと、

表2の結果となっており、2022年2月実施時は、POで購入し、受渡日の寄付や大引、受渡日1週間後の寄付で売却した場合損益マイナス、2023年2月実施時は損益プラスとまちまちの結果でした。

(※売買手数料は考慮していません。)

受渡期日発行価格
[円]
ディス
カウント率
[%]
受渡日
始値[円]
(騰落率[%])
受渡日
終値[円]

(同)
1週間後
の始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
2022/
2/2
312,5552.5304,500
(-2.6)
311,000
(-0.5)
307,000
(2/9)
-5,555
(-1.8)
2023/
2/2
279,5322.5288,400
(+3.2)
289,200
(+3.5)
299,100
(2/9)
+19.568
(+7.0)
表2:コンフォリア・レジデンシャル 前回のPO銘柄の発行価格とその後の価格

【ご参考】

どんな投資法人?

2013年2月に東証に上場し、

成長性を重視した居住用資産への投資」及び「東急不動産ホールディングスグループの活用」を投資運用の基本方針として、

主に、東京圏の賃貸住宅を中心に、単身・小家族世帯をターゲットとした都市型賃貸レジデンス「コンフォリア」シリーズのコンセプト、ノウハウに基づく投資及び運用を行っているJ-REITです。

【J-REITの簡単な説明】

投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。

※出所:一般財団法人 投資信託協会HP

J-REITは全体的に、高配当な銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。

ーー

【基本方針】

【ポートフォリオ構築方針】

としています。

【ポートフォリオ分散状況】

物件数 157物件取得価格 2,999億円 (2023年4月5日現在) 、稼働率 97.0%(2023年6月30日現在)

投資エリア

となっており、「東京都心」と「準都心」合わせて9割弱を占めています。

投資対象

「賃貸住宅」が9割を占めています。

直近の運用概況

【2023年1月期の運用実績と2023年7月期以降の見通し】

(2023年3月15日発表)

決算期営業
収益
[億円]
(前期比
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
当期
純利益
[百万円]
(同)
1口当たり
分配金

[円]
(同[円])
2023年1月期
実績
101
(4.2)
4,626
(5.5)
3,995
(5.9)
3,986
(7.6)
5,487
(153)
2023年7月期
法人予想
105
(3.0)
4,779
(3.3)
4,059
(1.6)
4,050
(1.6)
5,620
(133)
2024年1月期
法人予想
(2023年8月4日
修正)
105
(0.9)
4,816
(0.7)
4,079
(0.4)
4,069
(0.4)
5,650
(30)
2024年7月期
法人予想
(2023年8月4日
発表)
107
(1.5)
4,858
(0.8)
4,109
(0.7)
4,099
(0.7)
5,660
(10)
表3:コンフォリア・レジデンシャル 2023年1月期の運用状況と2023年7月期以降の見通し

表3のとおり、前々期(2023年1月期)は、前期比 増収増益で、営業収益は微増利益面は1割弱増の結果でした。

前期(2023年7月期)は、前期比 増収増益で、営業収益利益面ともに微増を予想しています。

今期の2024年1月期(2023年8月~2024年1月)は、今回のPO発表と同時に修正しており、前期比 増収減益で、営業収益、利益面ともに微増を見込んでいます。

1口当たりの分配金の予想は、増資後の2024年1月期は前期比 30円増2024年7月期は同10円増の予想となっています。

【2023年1月期の運用状況】

投資環境

当期の国内景気は、新型コロナウイルス感染症拡大による社会経済活動の規制が緩和されつつあり、持ち直しの動きが継続しています。

こうした中、賃貸住宅市場は、東京23区への転入超過数の回復基調や入国規制緩和による外国人入国超過数の大幅な増加等を背景に需給はタイト化に向かいつつあります

同投資法人の稼働率も当期は高位かつ安定した動きとなりました。

不動産投資市場は、政府、日本銀行による財政金融政策を受け、低金利環境が継続する中、国内外投資家の旺盛な物件取得意欲がみられ、取引価格水準は引き続き高値圏で推移しています。

資産の取得および譲渡

当期は2022年11月にコンフォリア鷺沼三丁目を取得しました。

その後、2022年12月にコンフォリア西大井(準共有持分49%)を譲渡しました。

その結果、当期末現在における同投資法人の保有資産は148物件取得価格の合計2,831億円となっています。

保有する資産の管理運営

同投資法人は「コンフォリア」シリーズ物件の管理実績が豊富な東急住宅リース株式会社を中心にプロパティ・マネジメント業務を委託し、

「コンフォリア」シリーズのもと、統一性のある運用を進め、運営の効率化、空室期間の短縮化に努めています。

資金調達の概要

当期においては、2017年9月に借入れた借入金の返済資金(31.5億円)に充てるため、2022年9月に資金の借入れ(31.5億円)を実施しました。

その後、2022年11月には、コンフォリア鷺沼三丁目の取得のため、資金の借入れ(26億円)を実施しました。

さらに、2023年1月には、2015年2月に借入れた借入金の返済資金(34.1億円)に充てるため、資金の借入れ(34.1億円)を実施しました。

その結果、当期末(2023年1月末日)時点における出資総額は1,367億円有利子負債は1,550億円であり、

総資産に占める有利子負債の割合(LTV)は、当期末時点で51.1%前期末比 0.4ポイント増)、期末における有利子負債の平均残存年数は4.4年長期比率は86.0%固定化比率は95.1%となっています。

【2023年7月期の見通し】

投資運用の基本方針に基づき東急不動産がプロデュースしてきた都市型賃貸レジデンス「コンフォリア」シリーズのコンセプト、ノウハウに基づく投資及び運用を行ってきました。

2023年7月期以降も、引き続き当該基本方針に基づき投資運用を行い、中長期的な成長を目指しています。

外部成長戦略

東急不動産のスポンサーサポートを中心として、東急不動産ホールディングスグループのサポートを最大限活用する一方、同資産運用会社独自の情報を用いることで、質の高い資産を取得し資産規模の拡大を目指しています。

具体的には、本資産運用会社が東急不動産との間で締結しているスポンサーサポート契約に基づいて、スポンサーである東急不動産による開発物件の取得のほか、安定稼働している優良な居住用資産を継続的・安定的に取得していく方針です。

このほか、スポンサー以外の東急不動産ホールディングスグループの広範な情報ネットワークによる不動産仲介能力を活用し、優良な居住用資産の取得及び安定的な運用及び収益力の強化を図っていく方針です。

かかる観点から、同資産運用会社は、東急不動産ホールディングスグループのうち、サポート会社7社(東急リバブル株式会社、株式会社東急コミュニティー、東急住宅リース株式会社、株式会社学生情報センター、株式会社東急イーライフデザイン、株式会社イーウェル及び株式会社東急スポーツオアシス)との間でそれぞれサポート契約を締結しています。

内部成長戦略

中長期的な観点からポートフォリオ価値の最大化及び個別物件のキャッシュ・フローの最大化を目指し、東急不動産ホールディングスグループの不動産運営に係る実績と総合力を最大限活用するべく、

J-REIT及び「コンフォリア」シリーズの運営実績が豊富な東急不動産ホールディングスグループを中心にプロパティ・マネジメント業務を委託しています。

また、建物管理仕様及びコストの妥当性を適宜検証し、効率的な管理運営に努めています

加えて、東急不動産ホールディングスグループにおけるアセット・マネジメント、ファンド・マネジメントに関するノウハウを積極的に活用し、投資法人運営全般における質の高いマネジメントを実現しています。

また、環境や社会への配慮、ガバナンスの強化という課題等への取り組みは、持続可能な社会の発展に貢献するものであると考えており、このような考えに基づく運用を実践することで中長期的な成長を目指しています

2023年7月期以降も、当期同様に物件運営状況を注視し、きめ細かく対応することによって稼働率の維持、改善を目指しています。

財務戦略

今後の金利上昇リスク、リファイナンスリスクへの対応を考慮し、財務体質の健全性及び収益の安定性に留意した調達活動を行っています。

借入金は、機動性を重視した短期資金調達と、長期の安定的な資金調達とを効率的に組み合わせた資金調達を行っています。

また、新投資口の発行は、総資産に占める有利子負債の割合(LTV)の上限を概ね60%程度とした上で、物件取得等の資金需要、財務状況に応じて、市場動向及び分配金水準等に留意しながら、検討を行っています。

【2024年1月期の運用状況及び分配金予想の修正と2024年7月期の予想】

2023年10月~12月に予定している資産取得(計3物件)に伴い、2024年1月期の運用状況と分配金予想の修正2024年7月期の運用状況と分配金予想をしています。

2024年1月期の運用状況予想は、表4になっています。

営業
収益
[億円]
営業
利益
[百万円]
経常
利益
[百万円]
当期
純利益
[百万円]
1 口当たり
分配金
[円]
前回(2023/3/15)
発表予想
1044,7413,9673,9575,650
今回修正予想1054,8164,0794,0695,650
増減額1.774112112
増減率[%]1.71.62.82.8
表4:2024年1月期の運用状況と分配金の修正予想(2023年8月4日発表)

前回発表予想から、営業収益は2%弱利益面は1~3%の増額をしています。

今回の公募増資による新規取得資産は取得金額で約2.47%の増加率(2,999億円→3,073億円)からすると、

この新規物件取得の規模に対し、営業収益と利益面の増額の割合に見合っているといえます。

また、分配金は前回予想から変わらずで、前期(2023年7月期)比で30円増です。

2024年7月期の予想は、表3に記載のとおりです。

【格付けの状況】

(2023年1月31日現在)

投資口価格の動向

【2023/8/4(金)終値時点の数値】

上場株式の利回り(東証プライムの単純平均:2.25%(8/4時点))と比較すると、高い水準で、

J-REITの平均予想利回り(3.79%(2022年11月22日時点))と比較するとやや低い水準です。

直近5期の分配金は、表5のように、1口当たり5,334~5,872円で推移しており、最小と最大で538円の差で比較的大きくなっています。

決算期1口当たり
分配金(円)
2021年7月期5,872
2022年1月期5,529
2022年7月期5,334
2023年1月期5,487
2023年7月期5,620
(予想)
表5:コンフォリア・レジデンシャル投資法人 直近分配金推移

【直近の投資口価格推移】

<週足チャート(直近2年間)>

2021年8月末に高値(359,000円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移し、2023年1月に安値(283,000円)をつけました。

しかしそれ以降は上昇基調で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

5/25に直近の安値(327,500円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2023年7月期の分配金権利日(7/27)に年初来高値(358,500円)をつけました。

しかし、分配金権利落ち日から下落に転じ、現時点(8/4)は全ての移動平均線の下で推移しています。

今後は、5月につけた直近の安値や1月につけた年初来安値(283,000円)を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索を続けるのか、要注目です。

まとめ

【ファンダメンタルズ】

【インカムゲイン】

【流動性】

【投資口価格モメンタム】

以上をふまえ、

レベル
(最低⭐~
最高⭐⭐⭐⭐⭐)
ファンダメンタルズ⭐⭐⭐
インカムゲイン⭐⭐⭐
流動性⭐⭐⭐
投資口価格モメンタム⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」で⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

参考になればうれしいです!最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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