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【立会外分売は買いか?】共和コーポレーション(6570)

アミューズメント

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードからサービス業種の共和コーポレーションです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大500株まで購入できます。

早ければ9/1(木)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定日2022 年9月2日(金)
分売数量20,000 株
(発行済み株式総数 6,080,130 株の約0.32%
分売値段493 円
(9/1決定)
ディスカウント率2.95 %
(9/1決定)
申込単位数量100 株
申込上限数量500 株
表1:共和コーポレーション 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約0.32%少ない数量※1です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は65百株、25日平均は36百株で、流動性は低い水準です。

そして、今回の分売数量(百株)は、1日の出来高(25日平均:36百株)の5.5倍ほどですので、この銘柄の通常の出来高からすると分売数量はほどほどといえます。

どんな会社?

創業以来、信越・北陸を中心に全国各地で、経営理念である「三つの楽しみ(顧客満足の楽しみ、一生懸命の楽しみ、実践と行動の楽しみ)」のもと、

ゲームセンターやバッティングセンターなどのアミューズメント施設の運営

アミューズメント機器(ゲームセンターに設置してある業務用ゲーム機)等の販売の2分野を中心とした、アミューズメント事業を行っている会社です。

事業セグメントは、「アミューズメント施設運営」「アミューズメント機器販売」「その他(広告代理店事業並びに玩具、雑貨等の企画、開発及び販売等)」の3つがあり、

2022年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

となっており、ほとんど「アミューズメント施設運営」が占めています。

直近の経営概況

【2023年3月期1Q(2022年4月~6月)の経営成績】

(2022年8月12日発表)

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
純利益
[百万円]
(同)
2022年3月期
1Q累計 ※2

(ー)

(ー)

(ー)

(ー)
2023年3月期
1Q累計 ※2
26.7
(ー)
28
(ー)
28
(ー)

(ー)
2023年3月期
通期会社予想
112
(8.3)
205
(△25.2)
192
(△32.4)
98
(△23.8)
通期予想に対する
1Qの進捗率[%]
23.713.614.53.0
表2:共和コーポレーション 2023年3月期1Q経営成績と通期会社予想
※2:2022年3月期3Qより四半期連結財務諸表を作成しているため、2022年3月期1Qの数値及び対前年同四半期増減率は記載無し。

表2の通り、前年1Qは四半期財務諸表を作成していませんので、比較はできませんが、

2023年3月期通期の業績予想は、前期比 増収減益で、売上高は1割弱増利益面は2~3割程度の減益を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高はほどほどですが、利益面は1割程度で遅れています。

【2023年3月期1Qの状況、経営成績の要因】

同社グループが属するアミューズメント業界は、新型コロナウイルス感染症が未だ収束を見せず、不透明な状況が続いています。

2022年3月下旬に、全国多地域に及ぶまん延防止等重点措置が解除されて以降はお客が徐々に増えている一方、円安や物価高による仕入コストの上昇により、収益圧迫の長期化が懸念されています。

同社グループのアミューズメント施設では、依然として景品ゲームが人気を博しており、特にアニメ・ゲーム関連の景品が売上高を牽引しています。

また、SNSなどで若年層に大人気の「地球グミ」等のお菓子景品をいち早く取り入れ、集客につなげています。

以上の結果、当1Q連結累計期間の売上高は2,676百万円営業利益は28百万円経常利益は28百万円親会社株主に帰属する四半期純利益は3百万円となりました。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

セグメント売上高
[百万円]
(前年
同期比[%])
セグメント
利益
[百万円]
(同)

アミューズメント
施設運営
2,578188
アミューズメント
機器販売
45.626.9
その他51.9△30.1
表3:2023年3月期1Q セグメント別業績

主力の「アミューズメント運営施設」と「アミューズメント機器販売」は黒字

「その他」は営業損失の結果でした。

セグメント別の状況は以下です。

アミューズメント施設運営事業

行政等からの休業又は時短等の要請もなく、1Q連結累計期間としては実に3年ぶりに、全店舗で通常営業を行うことができた。

引き続き新型コロナウイルス感染症の感染対策を徹底するとともに、人気小物作家やYouTuberとコラボした当社オリジナル景品の製作等に注力し、他社との差別化にも継続して取組む予定。

なお、当1Q連結累計期間での新規出店及び退店はなく、総店舗数は2022年3月期末と同様56店舗

アミューズメント機器販売事業

景品等の販売を含め堅調に推移

機器販売は、アーケードゲーム機や景品ゲーム機、景品は、人気アニメ・ゲーム関連の販売がそれぞれ売上高を牽引している。

その他事業

主に各種媒体を利用した広告代理店業や同社が所有する不動産の賃貸業、並びに子会社である株式会社ブルーム(玩具等の企画・開発・販売)の商品販売を行っている。

広告代理店業では、依然として新型コロナウイルス感染症によるイベント等の開催自粛・縮小の影響を受けている。

ブルームの商品販売につきましては、全国各地の商業施設へポップアップ・ストアを出店し、実際にスクイーズ(ポリウレタン製の造形物)に触れてもらうことでその魅力を広めている。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2023年3月期1Q末時点で25.2%と前期末(25.6%)から0.4ポイント低下しています。

これは主に、利益剰余金が49.9百万円減少し、株主資本が減少したことによるものです。

自己資本比率の数値としては危険領域に近いレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2023年3月期通期)業績の見通し】

2022年5月13日の決算短信で公表された、2Q累計期間及び通期の業績予想から変更はありません

株価指標と動向

【2022/8/29(月)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、ラウンドワン(4680) 16.8倍、イオンファンタジー(4343) 167倍、SDエンターテイメント(4650) 68.0倍と比較すると、中間的な水準です。

決算期1株当たり
年間配当金(円)
配当性向
(%)
2018年3月期1761.7
2019年3月期17.513.6
2020年3月期17.5267
2021年3月期14
(最終赤字)
2022年3月期17.579.9
表3:共和コーポレーション 年間配当金推移

年利回りは3.52%で、東証スタンダードの単純平均 2.13%(8/26時点) と比較すると高い水準です。

表3のように、直近5年間の配当金は、年間1株当たり14~17.5円で推移しており、ほぼほぼ安定しています。

配当性向は、10%台~200%台で幅があります。

この会社は、

将来の事業展開と経営体質強化のための内部留保を重視する一方、

株主に対する利益還元を行うことも経営の重要課題としており、経営基盤の強化と自己資本比率の向上を図りつつ

長期的かつ安定的な配当の継続を基本方針としています。

各事業年度の配当の回数は、中間配当と期末配当の年2回を基本的な方針としています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有の株主は、

  1. 自社運営直営店舗で使える株主優待券2,000円分(100円券×20枚)
    ※自社運営直営店舗:アピナ、ヤズ、ゲームシティ、キッズスクエア、ゲームスクエア、アピナボウル、タイトーFステーション松本店
  2. (1年以上継続保有の場合)JCBギフトカード 1,000円相当
    ※500株以上:2,000円相当、1,000株以上:3,000円相当

がいただけます。

1年未満100株保有の場合、配当金+株主優待(2,000円分相当)で利回りは7.54%となります。

こちらは、お近くに店舗がある方にとってはうれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

週足ベースの株価は、一昨年のコロナショック時の安値から上昇し昨年3月に高値(549円)をつけました。

しかしその後は調整し、450~520円程度のレンジ内の動きとなっています。

<日足チャート(直近3か月間)>

出所:楽天証券サイト

直近の株価は、基本的には上昇基調で推移しており、7月下旬に高値(520円)をつけました。

しかしその後は、この高値を超えられていない状況です。

そして、今回の立会外分売発表の翌営業日(8/29)は、前週末にジャクソンホール会議でのFRBパウエル議長の発言で米国株が大幅安したこともあり、

出来高を伴い大きめの陰線をつけて、前日比 14円安(-2.74%)と売り込まれ、節目の500円を割り込みました。

今後は、節目の500円や75日移動平均線(青線)の上をキープし上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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