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【立会外分売は買いか?】東京自働機械 (6360)

土産包装

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードから機械業種の東京自働機械です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大2,000株まで購入できます。

早ければ8/23(火)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定日2022 年 8 月 24 日(水)(8/23決定)
分売数量67,300 株
発行済み株式総数 1,452,000 株の約4.63%
分売値段1,530 円
(8/23決定)
ディスカウント率3.83 %
(8/23決定)
申込単位数量100株
申込上限数量2,000株
表1:東京自働機械 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約4.63%多い数量※1です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は12百株、25日平均は17百株で、流動性は極端に低い水準です。

どんな会社?

一般各種自動包装機械たばこ製造・包装機械圧縮梱包機組立機などの開発・設計、製造、販売をしている会社です。

事業内容は、2つのセグメントに分かれており、

を行っています。

2022年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

となっており、若干「包装機械」のほうが多いですが、ほぼ半々です。

直近の経営概況

【2023年3月期1Q(2022年4月~2022年6月)の経営成績】

(2022年8月8日発表)

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主
帰属する
純利益
[百万円]
(同)
2022年3月期
1Q累計
22.1
(8.2)
93
(△7.3)
141
(△5.1)
118
(14.2)
2023年3月期
1Q累計
15.5
(△30.0)
△88
(ー)
△40
(ー)
△30
(ー)
2023年3月期
通期会社予想
110
(24.7)
550
(42.4)
650
(23.4)
450
(20.5)
通期予想に対する
1Qの進捗率[%]
14.1
表2:東京自働機械 2023年3月期1Q経営成績と通期会社予想

表2の通り、前年同期比 減収減益で、売上高は3割減利益面は赤字転落の結果でした。

2023年3月期通期の業績予想は、前期比 増収増益で、売上高は2割強増利益面は2~4割強の増益を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高、利益面はともに遅れが発生しており、挽回が必要な状況です。

【2023年3月期1Qの状況、経営成績の要因】

当1Q累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に収まり、飲食店や観光地への人の流れが戻りつつあるものの、

生産活動や物流の停滞に伴う製品・部品の納入遅延は回復の兆しが見られず、ウクライナ危機や円安による原油等資源価格の高騰やあらゆる物価の上昇でインフレ懸念が高まるなど、先行きはより一層不透明な状況で推移しました。

このような経済情勢の下、同社は全社を挙げて業績の確保に努めましたが、生産機械事業の売上が2Q以降に多くが予定されていることから当四半期は少なく、当1Q累計期間の業績は前年同四半期比 30.0%減となりました。

利益面では、原材料費や人件費、販売活動費用の増加等により、営業損失88百万円経常損失40百万円となりました。

四半期純損失は、法人税等の減少から30百万円となりました。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

セグメント営業収益
[百万円]
(前年同期比
[%])
セグメント利益
[百万円]
(同)

包装機械
666
(3.3)
△110
(前年同期
セグメント損失
83百万)
生産機械884
(△43.7)
165
(△46.9)
表3:2023年3月期1Q セグメント別業績

「包装機械」は微増の増収ですが、赤字幅拡大

「生産機械」は減収減益の結果でした。

セグメント別の状況は以下です。

包装機械

新型コロナウイルスの影響が継続しているものの、営業訪問や展示会への出展効果等から当1Q累計期間の受注高が前年同期比で10%程度増加

一方、利益面では、原価率の上昇や人件費販売活動費用の増加等による固定費負担が増加

生産機械

大型プロジェクトを中心に好調な受注が続いているが、売上は伸び悩んだ

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2023年3月期1Q末時点で38.4%と前期末(40.9%)から2.5ポイント低下しています。

これは主に、前受金が630百万円支払手形及び買掛金が183百万円それぞれ増加し、流動負債が増加したことによるものです。

自己資本比率の数値としてはまだ問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2023年3月期通期)業績の見通し】

2022年5月13日に公表された、2023年3月期通期の業績予想から変更ありません

株価指標と動向

【2022/8/10(水)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、ミューチュアル(2773:TOBによる上場廃止(2022年8月29日予定)) 21.0倍、ゼネラルパッカー(6267) 6.2倍と比較すると、低い水準です。

決算期1株当たり
年間配当金(円)
配当性向(%)
2018年3月期4023.8
2019年3月期4010.5
2020年3月期50
(内 記念配当
10円)
10.9
2021年3月期4010.3
2022年3月期4015.0
表4:東京自働機械 年間配当金推移

年利回りは3.65%で、東証スタンダードの単純平均 2.17%(8/10時点) と比較すると高い水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、年間1株あたり40~50円で安定して推移しており、2020年3月期の記念配当10円を除くと年間40円で一定です。

配当性向は、10%~20%台で安定して推移しています。

この会社は、

将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続していくことを基本方針としています。

内部留保金は、将来の事業強化に必要な新製品開発、業務効率化投資、生産設備投資等に充当しています。

2023年3月期以降は方針を変更し、将来の発展と事業体質強化のために必要な内部留保を確保するとともに、長期的に安定した配当を継続しつつ、

業績及び経営の状況を踏まえ配当を増額することを利益還元の基本方針としており、

今期は、久々の増配ということで、従来の年間1株当たり40円から1.5倍の60円を予定しています。

こちらは投資家にとってうれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

週足ベースの株価は、一昨年のコロナショック時の安値から上昇し、昨年5月に高値(1,900円)をつけました。

しかしその後は下落基調で推移し、今年の5月に安値(1,433円)をつけた後は、26週移動平均線(赤線)を超えてきており、上昇基調で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

出所:楽天証券サイト

直近の株価は、5月中旬に年初来安値(1,413円)をつけた後は、右肩上がりで上昇し7月中旬に年初来高値(1,762円)をつけました。

しかしその後は調整し、25日移動平均線(赤線)を割り込んできています

今後は、節目の1,500円程度や年初来安値(1,413円)を割り込まず上昇に転じていくのか、それらを下抜けて下値模索をするのか要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性
分売数量⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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