きよりん堅実投資

【立会外分売は買いか?】GAMEWITH(6552)

まとめ

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードからサービス業種のGAMEWITHです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大10,000株まで購入できます。

早ければ8/3(水)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定日2022 年8月4日(木)(8/3決定)
分売数量910,000 株
発行済み株式総数 18,315,900 株の約4.96%
分売値段387 円(8/3決定)
ディスカウント率2.76 %8/3決定
申込単位数量100株
申込上限数量10,000株
表1:GAMEWITH 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

としています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約4.96%多い数量※1です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は2,756百株、25日平均は3,052百株で、流動性は高い水準です。

どんな会社?

「ゲームをより楽しめる世界を創る」という企業理念のもと、2013年6月に創立した、ゲーム情報メディア「GameWith」等の運営・管理を行うメディア事業を行っている会社です。

「GameWith」の事業領域は、「ゲーム攻略」「ゲーム紹介」「動画配信」を中心に展開しており、それぞれ、

を行っています。

ビジネスモデルとしては、「GameWith」の運営による広告収益を主な収入源とし、

質の高い記事やコンテンツを提供してユーザーを集客広告枠の提供やゲーム会社に対するサービスを提供することで収益化を実現しています。

直近の経営概況

【2022年5月期(2021年6月~2022年5月)の経営成績】

(2022年7月13日発表)

決算期売上高
[百万円]
(前期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
当期純利益
[百万円]
(同)
2021年5月期
通期実績
2,880
(△0.3)
△209
(赤字転落)
△224
(赤字転落)
△217
(赤字転落)
2022年5月期
通期実績
3,120
(8.4)
200
(黒字転換)
223
(黒字転換)
118
(黒字転換)
2023年5月期
通期会社予想
3,573
(14.5)
300
(49.7)
287
(28.6)
160
(35.5)
表2:GAMEWITH 2022年5月期通期経営成績と2023年5月期通期予想

表2の通りで、前期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は黒字転換の結果で着地しました。

2023年5月期通期の業績予想は前期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は3~5割の増益を見込んでいます。

【2022年5月期通期の状況、経営成績の要因】

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により広告出稿を控えていた企業も徐々に出稿を増やし、「GameWith」等のページビュー当たりの広告単価は改善傾向でした。

このような環境下において、同社グループはゲーム攻略やゲーム紹介といった既存事業の拡大に取り組むだけでなく、

直近では、新規領域としてeスポーツおよびNFTゲーム(Non-Fungible Token非代替耐性トークン)にも注力しており、メディア領域に次ぐ収益の柱の創造に向けて積極的に投資を行っています。

eスポーツ領域については、日本におけるプロeスポーツチームのパイオニアであり、世界的な大会においても実績を残している株式会社DetonatioNの株式を2021年10月に取得

相乗効果が見込める事業展開を計画するなど、更なる事業を展開するための施策に、積極的に取り組みました

NFTゲーム領域においては、投資先の株式会社Kyuzanと共同開発を行っているNFTゲームが大きく成長しており、今後拡大が予想されるNFTゲーム市場におけるさらなる拡大のための基盤構築を行いました。

以上の結果、表2の経営成績となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

期末時点で67.1%と前期末(65.3%)から1.8ポイント増加しました。

自己資本比率の数値としては良好なレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2022年5月期通期のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

 ※2 フリーCFの説明:

前期(2021年5月期)通期のフリーCF(420百万円の支出)から826百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

【今期(2023年5月期通期)業績の見通し】

同社グループは、今後もゲーム情報メディア「GameWith」等に継続的に経営資源を投下し、ユーザーに向けた有益なコンテンツの提供を行うことで「GameWith」等のメディアの価値を高め、引き続き事業拡大を図っていく予定です。

既存のメディア領域(ゲーム攻略、ゲーム紹介、動画配信)

引き続き日本最大級のゲームメディア「GameWith」等を中心に、アプリゲームだけでなく、家庭用ゲームやPCゲームなどのコンシューマーゲームのコンテンツを引き続き拡充することで収益の拡大していく計画です。

今後はこれらのサイトの膨大なトラフィックを活用したサービスを展開することで、マネタイズの多角化にも注力

また、先日発表した株式会社デジタルハーツホールディングスとの資本業務提携に伴い、両社のサービスのクロスセルを積極化することで、

開発支援からターゲットを絞った効果的なマーケティング支援、運営支援までワンストップで提供できる体制を強化するとともに、

それぞれの強みを活かした新たなサービスメニューの開発を推進することで、サービスの付加価値向上を目指しています。

さらに、事業効率の改善とコスト削減にも注力し、利益率改善に努めていく計画です。

新規事業領域(eスポーツ、NFTゲーム)

引き続きeスポーツとNFTゲームに積極的に投資をしていく計画です。

eスポーツ領域については、株式会社DetonatioNとの連携をさらに強化し、重複する業務の見直しによる効率化や相互の強みを活かしたシナジーを発揮。

従来収益の中心であった動画配信だけでなく、スポンサー収入、タイアップ、ファンビジネス、大会賞金等、収益の多様化と成長を実現し、マネタイズが難しいと言われるeスポーツ領域の中で、しっかりと利益が出せる体制を構築する計画です。

さらに、今後は回線事業等のeスポーツインフラ領域にも注力し、

アルテリア・ネットワークス株式会社と業務連携の強化を行うことで、両社の強みを活かしてeスポーツインフラ領域における事業拡大を進めるとしています。

NFTゲーム領域については、引き続き株式会社Kyuzanと共同開発をしているNFTゲームに注力しつつ、新たに本格的なPlay to Earnゲームの開発も予定

また、NFTゲームは初心者にとって始めるハードルが高いという課題があるため、できるだけカジュアルなゲームの開発に努め、

ゲーム情報メディア「GameWith」等で培ったノウハウやブランドを活かして、NFTゲーム自体の発展や普及にも貢献していくとしています。

以上に基づき、

2023年5月期の業績予想は、売上高は前期比 14.5%増営業利益は49.7%増経常利益は28.6%増親会社株主に帰属する当期純利益は35.5%増を見込んでいます。

株価指標と動向

【2022/7/28(木)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、アイスタイル(3660) 0倍、Gunosy(6047) 34.6倍、クックパッド(2193) 0倍と比較すると、高めの水準です。

決算期1株当たり
年間配当金(円)
配当性向(%)
2018年5月期
2019年5月期
2020年5月期
2021年5月期
2022年5月期
表3:GAMEWITH 年間配当金推移

表3のように、上場来無配となっています。

この会社は、

株主への利益還元を重要な経営課題であると認識し、事業基盤の整備状況、業績や財政状態などを総合的に勘案のうえ配当の実施の検討を行う予定です。

当面は、事業基盤の整備及び成長投資を優先することが株主価値の最大化に資するとの考えから、

その原資となる内部留保の充実を基本方針とおり、

今後の配当実施の可能性及び実施時期等については未定です。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

週足ベースの株価は、一昨年のコロナショックの安値から上昇し、昨年4月に高値(805円)をつけました。

しかし、その後は下落トレンドで推移し、今年1月に年初来安値(403円)をつけましたが、それ以降この安値は更新されていません。

<日足チャート(直近3か月間)>

出所:楽天証券サイト

直近の株価は、6月下旬に高値(616円)をつけましたが、その後は調整し、下落基調で推移しています。

そして今回の立会外分売発表の翌営業日(7/28)は、短期的な需給悪化懸念からか、窓を開けて出来高を伴い売られ前日比 38円安(-8.44%)で終了しています。

今後は、今年1月につけた年初来安値(403円)を割り込まずに、上昇に転じていくのか、これを下抜けて下値模索をするのか要注目です。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性・分売数量】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐⭐⭐
分売数量⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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