こんにちは!
直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?
受渡期日当日と受渡期日1週間後の結果を検証しました。
今回は、受渡期日が2022/1/19(水)のマリモ地方創生リート、日本プライムリアルティ、1/20(木)の日本ビルファンドです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
発行価格とその後の価格推移
まずは、発行(売出)価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!
受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
マリモ地方創生リートと日本ビルファンドは全ての段階で損益マイナス、
日本プライムリアルティは、受渡日の寄付で売却した場合は損益プラス、受渡日の大引又は受渡日の1週間後の寄付で売却した場合は損益マイナスの結果でした。
今年1月に入ってから、地合いが悪かったですので、これらの銘柄だけでなくほとんどの銘柄は下落している中、厳しかったですね。
ちなみに私は、今回は購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:マリモ地方創生リート投資法人(3470)
このJ-REITは、東京一極集中の是正を目指した「まちの活性化」、「雇用の創出」及び「地域経済の活性化」を実現し、
「地方から日本を強くしていく」という基本理念の実現を目指しており、この理念に深く共感が持てました。
地方(東京圏以外の地域)を中心とした総合型ポートフォリオを構築し、「相対的に高い投資利回り」かつ「安定的な収益」の確保と運用資産の確実な成長を志向し、投資主価値の中長期にわたる向上を目指しており収益が期待できました。
2021年6月期の運用実績は、前期比で微増の増収、利益面は営業利益は微減で、営業利益以外は微増の結果でした。
今回の公募増資による新規資産取得は、取得金額で約31.8%の増加率(302→398億円)からすると、修正された営業収益や利益面の増額の割合(営業収益、利益面ともに3割の増額)は、取得金額と同程度の増収増益の効果があり、納得性があるといえましたね。
分配金の年利回り 5.6%(1/5時点)は、東証1部上場会社の単純平均1.94%(1/4時点)と比較して2倍以上高く、J-REITの利回り(5~6%台(2021年10月時点))と比較しても遜色なかったですが、
2022年12月期は、前期比で減収減益、分配金も減額予想というところが気になったところです。
投資口価格のモメンタムは、一昨年のコロナショック時の安値(67,000円)をつけて以来、高値切り上げ安値切り上げの右肩上がりの上昇トレンドを継続しており、現在はその安値の2倍程度の価格で推移していました。
直近の投資口価格は、昨年の12/13に上場来高値(139,900円)をつけるまでは、右肩上がりの上昇トレンドで推移していましたが、それ以降は下落基調でした。
今回のPO発表後の翌営業日(1/4)は、1口当たり利益の希薄化懸念からか大きめの陰線をつけ前日比 3,000円安(-2.3%)と売られ、この下落により、今後の需給悪化は避けられそうもない状態でしたね。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】マリモ地方創生リート投資法人(3470)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表後の値動きは、PO発表の翌営業日(1/5)は、大きな陰線をつけて売られましたが、それ以降、発行価格等決定日(1/12)までは持ち直しました。
しかし、受渡日(1/19)以降売られ、その2営業日後に底をつけて受渡日1週間後(1/26)にかけて上昇しています。
今後は、25日移動平均線(赤線)を上回ってくれば、さらなる上昇も期待できそうです。
要因分析:日本プライムリアルティ投資法人(8955)
このJ-REITは、不動産デベロッパーである東京建物を始め、安田不動産、大成建設、明治安田生命保険といった、「不動産」「建設」「金融」の各分野での歴史と実績を有する、大手企業4社がスポンサーからの豊富な知見を活かして運用しており、
東京オフィスへの重点投資により成長性を高め、一定の割合で都市型商業施設等への用途分散と地方主要都市への地域分散を図り、収益性と安定性を向上させていました。
2021年6月期の運用実績は、前期比で微増ですが、増収増益の結果で好調でした。
また、今回の公募増資による新規資産取得と既存物件の譲渡をすることで、取得金額で約3.3%の増加率(4,729→4,883億円)からすると、修正された2022年6月期の営業収益や利益面の増額の割合(1~2割)は、取得金額以上の増収増益の効果がありました。
分配金の年利回り 4.0%(1/6時点)は、東証1部上場会社の単純平均1.95%(1/5時点)と比較して2倍以上高いですが、J-REITの利回り(5~6%台(2021年10月時点))と比較すると少し物足りなかったです。
ただ、分配金の安定成長に取り組んでおり、分配金の変化率が低く、この点は安心材料でしたね。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】日本プライムリアルティ投資法人(8955)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表後の投資口価格は、PO発表の翌営業日(1/5)に大きな陰線をつけて下げた後、日経平均の下落とともに、下落トレンドで推移し、
受渡日(1/19)の2営業日後まで下落しました。
しかしその後は、上昇に転じてきています。
今後は、25日移動平均線(赤線)まで戻していけるのか要注目です。
要因分析:日本ビルファンド投資法人(8951)
このJ-REITは、三井不動産をメインスポンサーとするオフィスビルに特化した、日本の最大級の規模を誇るJ-REITで、投資主価値の最大化を目指して、「1口当たり分配金の中長期的な安定成長」と「1口当たりのNAVの増大」を掲げて運用しており、収益が期待できました。
また、東京都心部を中心に東京周辺都市部および地方都市部にも分散投資を行っており、収益性が高くかつ地震リスク、空室リスク等のキャッシュフローリスクを軽減おり、安心感がありました。
2021年6月期の運用実績は、前期比で営業収益は1割増収、利益面は2割強の増益となり好調な結果でした。
今回の新規資産取得と既存物件の譲渡により、取得金額で約5.8%の増加率(13,714→14,516億円(2022年6月末時点))となり、これからすると、修正された営業収益や利益面の増額の割合(2.5~7%)は、取得金額と同程度の増収増益の効果がありました。
分配金は、年利回り 3.7%(1/7時点)で、東証1部上場会社の単純平均2.01%と比較して高いですが、J-REITの利回り(5~6%台(2021年10月時点))と比較すると物足りない水準でしたね。
投資口価格モメンタムは、一昨年の10月に安値(522,000円)をつけた後、昨年10月の高値(747,000円)まで上昇トレンドで推移しましたが、その後は下落基調で推移していました。
今回のPO発表の翌営業日(1/7)は、1口当たり利益の希薄化懸念で売られると思いきや、前日比 2,000円高(+0.3%)で終了し、期待を持ちましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】日本ビルファンド投資法人(8951)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表の翌営業日(1/7)から、発行価格等決定日(1/13)まで投資口価格は上昇し、これは行けるのではと期待していましたが、
それ以降、再び下落に転じ受渡日(1/20)まで下落。その後は少し戻しています。
受渡日1週間後(1/27)は、25日移動平均線(赤線)にタッチしてきていますので、このままこれを上抜ければ、今後の上昇が期待できそうです。
まとめ
マリモ地方創生リート(3470) 、日本プライムリアルティ(8955)、日本ビルファンド(8951)のPO予想と一週間(5営業日)後の投資口価格は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「発行価格」) [円](%) | 判定 |
マリモ地方創生リート | 中立 | -4,627 (-3.6) | × |
日本プライムリアルティ | 中立 | -12,480 (-3.4) | × |
日本ビルファンド | 中立 | -7,540 (-1.1) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は1勝2敗、勝率0.333の結果でした。反省ですm(_ _”m)
全体的に地合いが悪いので、その流れに沿うような形で、どの銘柄もさえない動きでしたね。
日本プライムリアルティが唯一、受渡日の寄付きで売却していたら、利益が出ていたのが救いです。
今後の投資口価格動向ですが、どの銘柄も直近では上昇に転じてきています。
マリモ地方創生リートと日本プライムリアルティは、25日移動平均線まであと少しで届きそうなところまで来ています。
これを上抜けてくれば、さらなる上昇が期待できそうです。
マリモ地方創生リートは、分配金利回りがさらに高くなっていますので、押し目買いも入りそうです。
日本ビルファンドは、25日移動平均線を上抜け、さらに75日移動平均線も上抜ければ、上昇が加速しそうです。
今後の投資口価格上昇に期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。