きよりん堅実投資

【立会外分売は買いか?】フライングガーデン(3317)

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証ジャスダックから小売業種のフライングガーデンです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

立会外分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大500株まで購入できます。

早ければ11/17(木)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定期間2021 年 11 月 18 日(木)(11/17発表)
分売数量36,700株
発行済み株式総数 1,449,168 株の約2.5%
分売値段1,705 円
ディスカウント率3.01%
申込単位数量100株
申込上限数量500株
実施の目的同社株式の分布状況の改善及び流動性の向上を図るため
表1:フライングガーデン 立会外分売概要

分売数量は、発行済み株式総数の約2.5%とほどほど数量※です。

※一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は26百株、25日平均は11百株で、流動性は低い水準です。

どんな会社?

「爆弾ハンバーグ」が看板商品の、北関東(栃木、群馬、茨城、埼玉、千葉)を地盤として、郊外型のファミリーレストラン「フライングガーデン」を運営している会社です。

店舗数は2022年3月期2Q末時点で、「フライングガーデン」58店舗、持ち帰り専門店の「フラガ☆デリカ」1店舗の計59店舗あり、

県別の内訳は、

と、余り偏りなく、北関東5件に店舗が存在しています。

2021年3月期通期の地域別販売実績の構成比は、

となっており、栃木県と埼玉県の店舗の売上が、それぞれ1/4程度占めており、多くなっています。

直近の経営概況

2022年3月期2Q(2021年4月~2021年9月)の経営成績】(2021年11月12日発表)

決算期売上高
[百万円]
(前年同期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主に
帰属する純利益
[百万円]
(同)
2021年3月期2Q累計2,669
(△26.0)
△166
(ー)
△152
(ー)
△121
(ー)
2022年3月期2Q累計3,096
(16.0)
67
(ー)
252
(ー)
156
(ー)
2022年3月期通期会社予想6,390
(6.6)
240
(60.1)
365
(24.7)
220
(96.9)
通期予想に対する2Qの進捗率[%]48.527.969.070.9
表2:フライングガーデン 2022年3月期2Q経営成績

2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収で、利益面は黒字転換しており好調です。

通期予想は、増収増益予想で、売上高は微増ですが、利益面は2割~2倍程度増額の計画です。

通期予想に対する進捗率は、売上高は順調、営業利益は上期終了時点で3割程度と遅れていますが、経常利益、純利益ともに7割程度と計画以上の進捗です。

【2022年3月期2Qの状況、経営成績の要因】

外食業界は、4度目の緊急事態宣言以降、休業や営業時間の短縮及び酒類提供中止が要請され、さらには9月まで緊急事態宣言延長となった地域もあり、依然として厳しい状況が続いています。

このような環境下で、同社は、従業員の毎日の体温測定を含めた健康状態の確認、マスク着用、手指の消毒等衛生管理の徹底、従業員の新型コロナウイルスワクチン接種率向上への取組、さらに、店舗でのアルコール消毒液の設置や客席の入替時の拭き上げの徹底等、感染予防対策を行いながら、地方自治体による営業時間短縮要請に対応し、営業を継続しました。

店舗数につきましては、当2Q累計期間中に出退店を行いませんでしたので、前期末と変わらず59店舗でした。

業績は、依然として厳しい状況でしたが、前年同時期の大幅な来客数減少の反動により、売上高は前年同期比 16%増、利益面は、売上高の増加により増益となっています。(数値は表2参照)

また、雇用調整助成金収入177百万円を営業外収益に計上したことから、経常利益は252百万円となっています。

【財政面の状況】

自己資本比率は、2022年3月期2Q末時点で64.3%と前期末(62.9%)から1.4ポイント増加しました。

自己資本比率の数値としては十分なレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2022年3月期)の見通し】

2022年3月期2Q決算発表と同時に、2Q累計の業績予想を修正していますが、通期予想に関しては修正されていません。

2Q累計の業績予想は、表3のようになっています。

売上高
[億円]
営業利益
[百万円]
経常利益
[百万円]
親会社株主に
帰属する
当期利益
[百万円]
1 株当たり
当期純利益

[円]
前回(8/10)発表予想3,265160280170117.63
今回(11/8)修正予想3,09667252156108.23
増減額△169△93△28△14
増減率[%]△5.2△57.7△9.9△8.0
表3:2021年11月8日発表 2022 年3月期2Q累計連結業績予想

売上高は微減ですが、営業利益は、利益面は5割程度減額されています。

修正の理由は、

2022 年 3 月期2Q累計期間の売上は、緊急事態宣言の発出による時短営業及び酒類販売の自粛要請により来客数が減少したことで、計画を下回りました。

利益面では、売上高が計画を下回ったことにより営業利益は計画を大きく下回りましたが、上記助成金収入を営業外収益に計上したことなどにより経常利益及び四半期純利益は計画を若干下回りました。

2Qの業績を下方修正していますが、通期予想を修正していないということは、3Q以降に業績の回復を見込んでいると予想しています。

株価指標

【11/15(月)終値時点の数値】

PERは、同業で時価総額が近い、コロワイド(7616) 80.5倍、ジョイフル(9942) 12.6倍と比較すると、低い水準です。

配当は年利回り 1.2%で、東証ジャスダックの単純平均1.66%(11/12時点) と比較すると少し低い水準です。

決算期1株当たり
年間配当金(円)
配当性向(%)
2017年3月期3023.0
2018年3月期3013.6
2019年3月期3015.7
2020年3月期2031.5
2021年3月期2025.9
表4:フライングガーデン 年間配当金推移

表4のように、直近5年間の配当金は、20円又は30円となっています。

配当性向は15~30%程度で推移しています。

この会社は、

株主への利益還元を経営の最重要政策の一つとして認識し、長期的に安定した利益配当の実現を基本方針としています。

また、期末配当の年1回の余剰金の配当を基本方針としています。

【株主優待】

この会社は、株主優待制度があり、3月末に100株以上保有の株主に、食事代もしくはテイクアウトのお弁当代として使用できる、株主優待券500円4枚(2,000円)または同社商品がいただけます。(500株以上:6,000円相当、1,000株以上:12,000円相当)

100株保有の場合、配当金+株主優待(2,000円相当)は年利回り 2.3%になります。こちらはうれしいですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

株価は、昨年のコロナショック時の安値(1,221円)を付けた後、もみ合っていましたが、昨年10月からは上昇トレンドに転じ、高値切り上げ安値切り上げの動きになっています。

<日足チャート(直近3か月間)>

直近の株価は、今2Qの決算と2Q累計業績の下方修正発表の翌営業日(11/9)は、反応はほとんどありませんでしたが、

今回の立会外分売発表の翌営業日(11/12)は、短期的な需給悪化懸念からか、出来高を伴い売られ大きな陰線をつけ、前日比 73円安(-4.0%)でした。

今後は、75日移動平均線(青線)を割らず反発し、直近の高値(1,825円)を上抜けてくれば、一段高が狙えそうです。

まとめ

【業績】

【株主還元】

【流動性】

【株価モメンタム】

以上のことから、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐
株主還元(配当、株主優待等)⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性
分売数量⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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