きよりん堅実投資

【立会外分売は買いか?】大冷(2883)

冷凍食品

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証1部から食料品業種の大冷です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。分売数量は決まっていて、100株単位で最大1,000株まで購入できます。

早ければ、8/9(月)の夕刻に、会社側からの適時開示で実施日と分売価格のお知らせがありますので、チェックしてくださいね💖

分売実施日2021/8/10(火)(8/6発表)
分売数量40,000株
発行済み株数(自己株式を除く)5,909,673株の約0.7%
分売値段1,894 円 (8/6発表)
ディスカウント率2.47%(8/6発表)
申込単位数量100株
申込上限数量1,000株
実施の目的一定数量の売却意向があり、当社として検討した結果、立会外分売による当社株式の分布状況の改善および流動性の向上を図るため。

分売株数が、発行済み株数の0.7%と少ない数量です。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は61百株、25日平均は36百株ですので、流動性は低いレベルです。

どんな会社?

国内の医療食、弁当仕出し、外食等のエンドユーザー向けに、業務用冷凍食品の企画・開発・販売をしている会社です。

製造はすべて外部企業へ委託している、いわゆるファブレスメーカー(製品製造のための自社工場を持たない製造業の業態)です。

2022年3月期1Q(2021年4月~6月)の事業別売上高構成比は、

となっています。

直近の経営状況

2022年3月期1Q(2021年4月~2021年6月)の経営成績

決算期売上高[百万円]
(前年同期比)
営業利益[百万円]
(同)
経常利益[百万円]
(同)
親会社株主に帰属する
純利益[百万円]
(同)
2021年3月期1Q累計5,08714714997
2022年3月期1Q累計5,527
(8.6%増)
232
(57.8%増)
231
(54.8%増)
155
(58.5%増)
2022年3月期通期会社予想24,000
(6.6%増)
1,000
(4.8%増)
1,000
(0.8%減)
677
(1.1%減)
通期計画に対する1Qの進捗率23.0%23.2%23.1%22.9%

2022年3月期1Qの業績は前年同期比増収増益で、売上は微増ですが、利益面は50%以上増と好調でした。

通期計画に対する進捗率は、それほど高くなく、ほぼ計画通りといった状況です。

2022年3月期1Qの状況や経営成績の要因は、

国内食品業界は、巣籠もり需要が継続したことにより内食需要は堅調に推移しました。一方、外食産業については営業時間短縮や酒類提供の制限・禁止の要請により引き続き厳しい状況となっています。

新型コロナウイルスワクチンの接種が開始されるなど、前年同時期の緊急事態宣言時と比較すると、外食産業などの厳しい状況は段階的に軽減しているものの、コロナ禍以前と比較するとまだまだ回復しておらず、当面の間、不透明な状況が続くものと想定されます。

このような状況のもと当社は、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を引き続き徹底しながら、新たにコンシューマーマーケットへの販売に取り組むなど積極的に営業活動を進めました。

事業別では、

事業売上高[百万円]
(前年同期比)
骨なし魚2,372(2.3%増
ミート526(12.7%増
その他2,629(14.2%増

となっており、なかでも「ミート事業」と「その他事業」の売上が前年同期比10%以上伸びています。

骨なし魚事業

「ダイスカットシリーズ」など当社独自商品の拡販に努めました。

ミート事業

「楽らく匠味シリーズ」の拡販や学校給食用商品の売上回復などが寄与しました。

その他事業

大手ユーザーとの取り組みや学校給食用商品の売上回復などが寄与しました。

全体の利益面は、売上増加や営業活動再開に伴い経費が増加しましたが、売上増加に伴う粗利金額の増加により、前期比50%増の大幅な利益増の結果となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産) ×100)は、2022年3月期1Q末時点で74.8%と前期末(76.1%)から1.3ポイント下がっていますが、問題ないレベルです。(20%以上を問題なしとしています。)

【今期の見通し】

2021年5月10日に公表された業績予想から変更されていません。

株価指標

7/30(金)終値時点の数値

PERは、同業で時価総額が近い、マルハニチロ(1333) 9.1倍、極洋(1301) 9.1倍、日東ベスト(2877) 12.8倍と比較すると、高い水準です。

※直近5年間の配当金と配当性向は、以下のようになっています。

決算期年間配当金(円)配当性向(%)
2017年3月期5538.1
2018年3月期 5557.0
2019年3月期 5544.9
2020年3月期 5540.4
2021年3月期5547.6
※大冷 年間配当金推移

配当は、直近では年間55円と変化ありません。

配当性向は、配当金額が同じですので、業績によって変動し30数%~50数%となっています。

会社は、2022年3月期は配当性向48.1%を経営目標数値として掲げています。

また、この会社は株主優待制度があり、9月末に100株以上保有の株主に、2,000円相当の自社商品(冷凍食品)がいただけます。

配当+株主優待(自社商品:2,000円相当)の年利回りは3.8%となります。こちらはうれしいですね!

【直近の株価動向】

週足チャート(直近2年間):

出所:楽天証券サイト

株価は、昨年のコロナショック時から昨年9月の高値(2,434円)までずっと上昇を続けていましたが、その後は下落して、現在は、そのコロナショック前の水準(1,956円)とあまり変わっていません。

直近は、1,900円台~2,000円近辺でもみ合いが半年以上続いており、ここから上抜けるのか下抜けてくるのかがポイントです。

日足チャート(直近3か月間):

出所:楽天証券サイト

7/30(金)のザラバ中(取引時間中:14時)に、今回の立会外分売が発表され、短期的な需給悪化懸念からか急激に売られ下げました。その後は少し値を戻したのですが、日足で大きな陰線を付ける格好になっています。

短期的には立会外分売日までは下げてきそうですが、その後、直近の高値(2,038円(6/28))を上抜けて、高値切り上げの展開になってくるのか注目です。

まとめ

【業績】

2022年3月期1Qの経営成績は、前年同期比増収増益で、特に利益面は50%超の増益の結果となっており好調。

今期の通期計画に対する進捗率は25%弱と、ほぼ計画通りとなっている。

【株主還元】

今期の配当は前期と同じ年間55円の予定で、直近5年間以上金額は変わらず安定している。年利回りは2.8%と東証1部単純平均(1.83%:7/30時点)と比較して高い。株主優待(自社商品)も含めると年利回り3.8%になる。

【流動性】

直近の出来高(売買が成立した株式の数量)5日平均は61百株、25日平均は36百株で、流動性は低いレベル。

分売数量は発行済み株数の約0.7%と少なく、短期的な需給悪化懸念もそれほど深刻ではないと予想。

【株価モメンタム】

半年以上、1,900円台~2,000円近辺のもみ合いが続いている。今後これを上抜けるのか下抜けてくるのかがポイント。

以上のことから、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐
配当を含む株主還元⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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