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【8月権利:高配当銘柄は買いか?】AVANTIA(8904)

戸建住宅

こんにちは!

8月権利確定銘柄の中で高配当銘柄(年利回り4%以上)に絞り、権利確定日に向けて買うべき銘柄なのか、事業内容や直近の経営状況、客観的な株価指標や株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証1部から、不動産業種のAVANTIAです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

どんな会社?

東海圏地盤の戸建住宅のブランド「AVANTIA」が主力の会社です。

事業は、注文住宅事業(プランニング設計・施工、インテリアコーディネート、エクステリア設計・施工)、戸建分譲事業、宅地分譲事業、リフォーム事業、開発事業、宅地造成事業、マンション事業、仲介事業があります。

事業セグメントは、「戸建住宅事業」「マンション事業」「一般請負工事事業」(戸建住宅やマンションの施工等)「その他事業」(不動産事業における周辺事業である不動産仲介事業、リフォーム事業、リノベーション事業等)に分かれています。

2021年8月期累計のセグメント別売上高構成比は、

となっており、戸建住宅事業が8割以上を占めています。

直近の経営状況

【2021年8月期3Q(2020年9月~2021年5月)の経営成績と今期(2021年8月期)の見通し】

決算期売上高[百万円]
(前年同期比)
営業利益[百万円]
(同)
経常利益[百万円]
(同)
四半期純利益[百万円]
(同)
2021年8月期3Q実績24,518△7411138
2021年8月期3Q実績26,233
(7.0%増)
218
(ー)
332
(198%増)
186
(390%増)
2021年8月期通期会社予想45,000
(10.8%増)
1,400
(20.8%増)
1,600
(20.2%増)
1,000
(16.0%増)
通期計画に対する3Qの進捗率58.3%15.6%20.8%18.6%

今期(2022年8月期)3Qの経営成績は、前年度同期比で増収増益で、特に経常利益と純利益は3~4倍の結果でした。

しかしながら、通期計画に対する進捗率はあまり高くなく、売上高半分以上は到達していますが、利益面は25%にも届いていない状況です。

2021年8月期3Q の状況や要因としては、

不動産業界は、住宅取得支援政策や金融緩和政策継続を背景に、住宅需要は堅調に推移しています。

また、テレワークの浸透による生活様式の変化が戸建住宅取得の意識を高めており、当社の足元の受注は順調に推移していますが、景気の不安定な状況により今後の動向を注視が必要とのこと。

このような事業環境のもと、「美しいデザイン」「妥協を許さない品質」「万全のアフターケア」の3つの価値をお客様に提供することをコンセプトとした戸建住宅の新ブランド「AVANTIA」を立ち上げ、広告宣伝活動等によるブランド構築、認知活動に努めてまいりました。また、当社グループが目指す姿として「お客様・地域・社会に寄り添い、あらゆる不動産ニーズを解決する企業集団となる」という長期ビジョンを掲げ、ビジョンの達成に向けては、戸建住宅事業をコア事業と位置付けつつ、請負住宅事業や周辺事業である不動産仲介事業、リフォーム事業、リノベーションなど不動産に関する様々な事業を展開し、「総合不動産サービス企業」を目指しています。

また、販売用地の取得も、同業他社との仕入競争の激化は継続しているものの、厳選した物件を積極的に購入していくことで、将来の受注獲得に向けた販売物件の確保に注力しています。

セグメント別の、2022年2月期1Q(2021年3月~5月)の経営成績は以下の結果です。

事業売上高[百万円]
(前年同期比)
営業利益[百万円]
(前年同期比)
戸建住宅事業21,708(13.8%増169( △55百万 )
マンション事業717(19.5%増△105(△98百万)
一般請負工事事業2,766(34.4%減9(90.0%減
その他事業1,041(65.7%増134(110.2%増

戸建住宅事業

今後の成長戦略として「エリア戦略」と「ブランド戦略」を積極的に推し進め、「エリア戦略」は、支店展開による地域密着型の営業活動の強みを活かしながら、コアエリアである愛知県のさらなる深耕と愛知県以外のエリアでの収益力強化、事業拡大を推し進めています。

また、「ブランド戦略」では、戸建住宅の「AVANTIA」ブランドの認知を進め、「美しいデザイン」「妥協を許さない品質」「万全のアフターケア」を兼ね備えた同業他社の追随を許さない圧倒的な強さを持った住宅商品を目指し、持続的な進化を図っていく。とのことです。

マンション事業

子会社のサンヨーベストホーム株式会社がファミリー層をメインターゲットに、名古屋市内を中心に生活利便性の高い立地に厳選したマンションブランド「サンクレーア」を展開しています。

一般請負工事事業

子会社のジェイテクノ株式会社、株式会社巨勢工務店、株式会社宇戸平工務店の3社がそれぞれの地域の老舗工務店を母体として、公共事業や民間工事での実績や高い技術力を活かし、当社グループの戸建住宅やマンション施工等、様々なシナジーを発揮しながら業容を拡大しています。

その他事業

不動産に関する様々な事業を展開し、「総合不動産サービス企業」を目指しています。

【財政面】

2021年8月期3Q会計期間より、株式会社DreamTown、株式会社ドリームホーム、ドリームホーム株式会社の3社を子会社化しており、それに伴い資産、負債は前期末に比べ増加しています。

自己資本比率(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産) ×100)は、2021年8月期3Q末時点で46.1%と前期末(55.4%)から9.3ポイント下がっていますが、問題ないレベルです。(目安:20%以上は問題なしとしています。)

主な要因は、短期借入金などの有利子負債の77.9億円増加、未成工事受入金の32.4億円増加で、負債が増えたためです。

【今期の見通し】

2020年10月12日に公表された業績予想から、変更されていません。

株価指標

7/21(水)終値時点の数値

PERは、同業で時価総額が近い、ウッドフレンズ(8886) 5.7倍、フジ住宅(8860) 7.3倍、ミサワ中国(1728) 20.4倍と比較すると、中間的な水準となっています。

※直近5年間の配当金と配当性向は、以下のようになっています。

決算期年間配当金(円)配当性向(%)
2016年8月期3865.2
2017年8月期3843.1
2018年8月期3871.7
2019年8月期3844.3
2020年8月期3864.0
※AVANTIA 年間配当金推移

配当金は、直近では5年連続38円をキープしており、安定しています。

配当性向は、40~70%ですので、配当には厚い会社といえそうです。

また、この会社は、保有期間1年以上継続の条件がありますが、8月末の100株以上の株主に株主優待として、1,000円相当のクオカードが贈呈されます。(500株以上の場合は、2,000円相当)

100株保有(1年以上継続)の場合、配当金+株主優待の年利回りは5.3%になりますので、嬉しいですね!

【直近の株価の動き】

週足チャート(直近2年間):

出所:楽天証券サイト

株価は、昨年のコロナショック前の水準(939円)に数回到達していますが、なかなかこれを上抜けるところまではいっていません。

しかしながら、コロナショックの安値から、安値は切り上がって右肩上がりで推移しており、今後はこの三角持ち合いの高値を突破して上抜けるのか、それとも下落トレンド入りするのか、そろそろ分岐点が到来しそうです。

まとめ

【業績】

2021年8月期3Q(2020年9月~2021年5月)の業績は、前期比では特に利益面が大きく伸長しており好調だが、通期計画の進捗率はそれほど上がっていない。ただ、4Qに売上が偏重する計画の可能性もある。

今後、通期計画通り達成すれば、前期比で売上高は約10%増収、利益面は約20%増益を達成する見込みであれば、それほど悲観するものでもない。

【株主還元】

直近5年は年間38円配当を継続しており、年利回り 4.2%と高い。

また、100株保有(1年以上継続)の場合、株主優待としてクオカード1,000円相当をいただける。

【流動性】

直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は399百株、25日平均は272百株。流動性は少し低いレベル。

【株価モメンタム】

昨年のコロナショック前の水準(939円)に、コロナ以降数回到達しているが、それを上抜けるまでには至っていない。これを上抜ければ、8月権利の配当取りの買いも入ることから、一段高が期待できる。

以上をふまえ、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐
配当、株主優待を含む株主還元⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」で⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

参考になればうれしいです!最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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