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【立会外分売は買いか?】ビーアンドピー(7804)

広告ディスプレイ

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです!

新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。

第17回目は、東証マザーズからその他製品業種のビーアンドピーです。

分売の概要

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側が実施日前日に発表しますので前日にならないとわかりません。分売数量は決まっていて、100株単位で最大500株まで購入できます。

早ければ、6/17(木)の夕刻に、会社側からの適時開示で実施日と分売価格のお知らせがありますので、チェックしてくださいね💖

分売実施予定日2021/6/18(金)~2021/6/23(水)
分売数量100,000株
発行済み株数2,300,000株の約4.3%
申込単位数量100株
申込上限数量500株
実施の目的当社は 2019 年 7 月に東京証券取引所マザーズ市場に上場したが、更に社会的な認知や信用力を高め、企業価値向上を図ることを目的として、東京証券取引所市場第二部への市場変更申請を行う準備を具体的に進めている。
今回の立会外分売は、その形式基準の充足を図るとともに、当社株式の分布状況の改善及び流動性向上を図ることを目的として行う。

分売株数が、発行済み株数の4.3%とほどほどに多いです。

この会社は、1か月半前の4/27にも立会外分売をしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は5,300株、25日平均は4,500株ですので、流動性は低いレベルです。

事業内容

大阪・東京・横浜の都心部を拠点として、大型インクジェット出力機を用いたサインディスプレイ(屋外広告、施設案内表示、POP広告、交通標識など街を歩いて目にするもの、建物の中で私たちを誘導してくれるもの等)制作を行っています。2019年7月に東証マザーズに上場したばかりの会社です。

具体的には、

  1. 販売促進用サインディスプレイの制作
  2. 屋外用大型サイン・広告の制作
  3. 建物の内装、インテリア用品の出力、制作
  4. 広告企画および制作に関する提案業務

をしています。

主な取引先としては、大手広告代理店、広告制作会社、デザイン会社、ゼネコン等があります。

2021年10月期2Q(2020年11月~2021年4月)累計の、売上高構成比率は、

となっています。

直近の経営状況

2021年10月期2Q累計の経営成績は、

でした。減収減益で、特に利益面は前年同期と比較して2桁%減少しています。

会社側コメントとしては、

販売促進用広告制作については、1Q(2020年11月~2021年1月)においては新型コロナウイルス感染症の影響による売上落ち込みが続いたが、2月以降は3月の年度末に向けて国内企業の販売促進活動が活発化し、売上が回復。

生活資材・製品制作については、ホテルの壁紙の受注等により順調に売上を伸ばすことができた。デジタルサイネージについては、大阪本店と東京本社にショールームを開設し、2Qから販売を開始した。さらに、3月には株式会社ピースリーと業務提携契約を締結し、インテリア市場に向けたデジタルサイネージの展開への道筋がつき、事業立ち上げ直後で売上は僅少だが、引き続きお客様に積極的な提案を行っていく。

また、生産のオートメーション化を推進するためのソフトウエアを導入し、生産の効率化に向けて取り組んだ。

ということでした。

売上高は、1Qは落ち込みましたが、2Qは回復基調となり、新型コロナウィルスの影響はあったものの、前年同期に対して7.9%の増加。新型コロナウイルス感染症の影響がなかった2019年10月期2Q比でも9.4%の増加となっています。

営業利益は、1Qは売上高の落ち込みにより赤字となりましたが、2Qは売上高の回復に加えて残業抑制等のコスト意識が定着したことにより、前年同期に対して41.8%の増加、2019年10月期2Q比でも34.0%の増加となっています。

結果として2Qの売上高は期初想定通りとなり、営業利益は期初想定を上回っています。

2021年10月期通期予想に対しての2Q累計の進捗率は、

となっています。売上高はまあまあの進捗ですが、営業利益は通期計画の60%近く達成しており好調です。

財務面は、自己資本比率(自己資本(総資本ー他人資本)÷総資産 ×100)が、2020年10月期末時点の86.4%から、2021年10月期2Q末時点で85.2%と1.2ポイント下がっていますが、問題ないレベルで、健全な状態を維持しています。

株価指標

6/10(木)終値時点の数値

PERは、同業で時価総額が近い、トッパン・フォームズ(7862) 23.2倍、光ビジネスフォーム(3948) 9.6倍と比較すると、中間的な水準となっています。

※直近3年間の配当金は、以下のようになっています。

決算期年間配当金(円)配当性向(%)
2018年10月期5021.6
2019年10月期5033.5
2020年10月期2236.0
※ピーアンドピー 年間配当金推移

配当性向は、ここ数年30%前後となっており、他の会社(約30%)と比較すると、平均程度となっています。

会社の配当方針は、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本としています。

週足チャート(2年間):

出所:楽天証券サイト

株価は、昨年のコロナショックの水準(1,400円程度)にいったんは回復しましたが、それ以降株価はもみあっており、800円~1,400円の間で動いています。

この1,400円のラインを上抜けると、株価も一段上に上昇してくる可能性もあります。

まとめ

2021年10月期2Q累計の業績は、前期比はマイナスとなっているものの、1Qの遅れを2Qでは挽回してきている状況です。通期計画の営業利益は前期比 23.3%増としており、その計画に対しての進捗はまずまずですので、3Q以降、市況は改善してくるのか、コスト削減策が効果を発揮してくるのか注目です。

配当金に関しては、まだ上場したばかりのマザーズ銘柄としては多く、年利回りは2.2%あり、株主還元に積極的な企業です。

直近の株価は、日足で見ると陽線を連発して上昇の勢いがあるように見えます。

以上のことから、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐
配当を含む株主還元⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐⭐(買い)
※「総合判定」で⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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