こんにちは!
会社四季報2021年2集(2021年3月発売)の営業利益予想が、会社予想に比べ大幅に乖離(乖離率30%以上)している銘柄の中で、直近の四半期決算発表以降、上方修正を発表していない企業に絞り、今後上方修正はあるのか分析してみました。
第12回目は、陸運業種から、ゼロです。
事業内容
自動車を主体とする輸送、自動車の整備、中古車オークションの開催・運営、一般貨物輸送をしている会社です。
事業分野は大きく3つに分かれ、
新車や中古車、特殊車両の輸送を行っている「自動車関連事業」、
幼稚園、医療機関、リゾート施設などのお客様送迎やドライバー派遣、倉庫内作業、介護・看護への人材派遣や家事代行サービスをしている「ヒューマンリソース事業」、
製造メーカーで使用する原材料の輸入・保管・納入から、製造された製品の引取・保管・出荷配送を行っている「一般貨物事業」で構成されています。
2021年6月期2Q累計のセグメント別売上高の構成比は、自動車関連事業 72.9%、ヒューマンリソース事業 20.6%、一般貨物事業 6.6%となっています。
直近の経営状況
2021年6月期2Q累計では、
売上収益 437.7億円(前年同四半期比5.5%減)、営業利益 25.8億円(同22.9%増)、税引前利益 25.9億円(同22.7%増)となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益は17.7億円(同31.8%増)となっています。
売上のみ減少していますが、利益面では営業利益以下全てで前年より20~30%増加しています。
要因としては、売上収益は、自動車関連事業において、新車販売台数の不振を受けて新車輸送及び納車前整備点検の受託台数が落ち込んだ影響が大きく、減収となりましたが、
営業利益は、ヒューマンリソース事業は経費削減・雇用調整助成金の計上、
一般貨物事業はCKD(自動車部品梱包・輸送)事業の損失※の解消が寄与して、全体でも増益となっています。
※2020年6月期は、CKD(自動車部品梱包・輸送)事業の顧客であるタイの自動車製造工場が、新型コロナウイルスの影響により生産を停止したことによる減収があった。
コロナ禍で、新車販売台数が前年同期比で97.9%(日本自動車工業会統計データ)と減少している中、健闘していると言えそうです。
また、中古車登録台数は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、公共交通機関から自家用車へ移動手段が一部シフトし需要が増加したと推測。前年同四半期比で101.6%と増加しています。
株価指標
4/30(金)終値時点の数値
株価:1,131円
時価総額:198.6億円
PER:6.25倍
PERは、同業で時価総額が近い、ニッコンホールディングス(9072) 10.73倍と比べ少し低い水準です。
PBR:0.70倍
信用倍率(信用買い残÷信用売り残):-(信用売り残無)
年間配当金(予想):45.2円(年2回 12月、6月)、年間利回り:4.0%
※直近5年間では、
決算期 | 年間配当金 |
2016年6月期 | 50.4円 |
2017年6月期 | 51.9円 |
2018年6月期 | 32.1円 |
2019年6月期 | 24.9円 |
2020年6月期 | 35.6円 |
今期は、2020年6月よりは増加していますが、2016年や2017年と比較して減少しています。会社は、「安定的な利益還元」を方針としており、基本的に1株当たり当期利益が80円以上の場合は、配当性向を25%と定めています。
最近5年間の同社の1株利益は100円以上ですので、好業績の場合は、増配の可能性もありそうです。
週足チャート(2年間):
株価の週足チャートは、昨年3月のコロナショックの下落以降、ずっと上昇基調で株価は好調です。
ここ2年間の高値(1,170円)まであと少しというところなので、この高値をブレイクすると、さらなる上昇もありうると考えます。
まとめ
2021年6月期上期の実績は、営業利益で既に通期計画の72%を達成しており、業績は好調と言えます。
下期(2021年1月~6月)に、緊急事態宣言に加えて、半導体不足による自動車の減産などの影響があり、新車販売台数や中古車登録台数が伸び悩んだとしても、会社計画は優に超過する勢いです。
現在、配当利回りは現状で4.0%(東証1部平均:1.69%)あり、さらに利益が上振れると、配当性向は一定の為、増配の可能性もある(現に、2020年6月期は通期決算発表時に、計画から1円増配されています。)ことから、魅力的な銘柄であることは間違いないですね!
次回決算発表予定日:5/13(木)
※株式投資は、自己判断、自己責任でお願いします。